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家電製品ミニレビュー
タイガー魔法瓶「ACR-A050」

~“じわじわドリップ”でコーヒーの味を引き出す
Reported by 本誌:正藤 慶一

 いつのまにやら10月も半ばを過ぎて、朝晩の冷えこみが厳しくなってきた。こんなときは、暖かいコーヒーでも飲んで、リラックスしながら暖まりたいところだ。

 というわけで、昨年レビューしたお気に入りのコーヒーメーカー「HCD-6MJ」で一杯淹れようと思ったが、あれから1年経ち、さまざまなコーヒーメーカーのニュースを取り上げたというのに、それではどうも芸がない。ここは思い切って新製品を購入し、レビューしてみようと思う。

 そこで選んだのが、タイガー魔法瓶の「ACR-A050」だ。購入理由は、まず5千円以内で買えるという購入しやすい価格がひとつ。もうひとつは、“間欠シャワードリップ方式”という独自のドリップ方法を採用している点だ。タイガーのホームページによると、これはシャワー状のお湯で間隔を空けながら抽出をくり返して淹れることで、コーヒーの粉をじっくりとふくらませられるという。これにより、コーヒー本来の、雑味のないすっきりとした香りとコクが引き出せるという。

 “雑味のないコーヒー本来の味”というキーワードは、そういえばHCD-6MJでも謳われていた。HCD-6MJはコーヒーの粉をふるいに掛け、雑味のもととなるカスを取り除くことで“本来の味”を引き出す仕組みとなっている。しかし「ACR-A050」は、コーヒーの粉にをそのまま使い、独自のドリップ方法だけで“本来の味”を出すというのだ。その真偽を確かめるべく、試してみよう。

メーカータイガー魔法瓶
製品名ACR-A050
希望小売価格7,875円
購入価格4,203円
購入場所Amazon.co.jp


 本体サイズは234×151×318mm(幅×奥行き×高さ)で、コーヒーメーカーとしてはよくある大きさである。サーバーを置くスペースにはヒーターが通っており、ドリップ後にコーヒーサーバーを保温できるが、コーヒーサーバー自体はガラス製のため、本体のスイッチを切ればやがて冷めてしまう。また、浄水フィルターも備えていない。多機能タイプではなく、コーヒーを淹れることに特化したシンプルな製品とみなして良いだろう。

 とはいえ、水タンクが本体頂部に配置されていたり、本体から独立したドリッパーをコーヒーサーバーの上に置いて使うといった点は、他製品ではあまり見られないユニークさがある。そのため、タンクやサーバーなどをすべて取り外すと、本体がカタカナの「ヒ」のような型になる。個人的には、なかなかかわいいデザインに感じられた。実はタイガーの製品ではこうしたスタイルの製品がいくつかあり、9月に当コラムで掲載した水出し機能付きの「ACO-A060」でも、同様に水タンクが頂部に、ドリッパーが本体と別になっている。


本体頂部に水タンクがある。他社では背面に付いてあることが多いが、タイガーではこのスタイルを採用する製品がいくつかある タンクは上に持ち上げるだけで簡単に取れる。目盛りがあるので、どれだけ水を入れるのかがわかりやすい ドリッパーは本体ではなくサーバーの上にセットする。これもタイガーではよくあるスタイルだ

パーツ一覧。このほか付属品として計量スプーンとペーパーフィルターが同梱される パーツをすべて取り外すと、カタカナの「ヒ」のような形になる

 使い方は、コーヒーサーバーにドリッパーを載せ、ペーパーフィルターをその中にセットする。そしてコーヒーの粉をペーパーフィルターに入れ、粉の上面をならした後に、ドリッパーのフタをかぶせる。このフタはおそらくドリップ中にコーヒーの粉を蒸らす効果があるのだろう。あとは本体の電源を入れればドリップがスタートする。


ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、コーヒーの粉を入れる 蒸らし効果を高めるため、フタをドリッパーの上にかぶせる。フタの中央部が開いているのは、タンクからのお湯を通すため

 電源を入れると、「コポコポッ」というコーヒーメーカー独特の音が鳴り、タンクからお湯がドリッパーへと流れ込む。しかし、お湯の流れはすぐにストップ。おや、故障か? と本体をのぞき込むと、再びチョロチョロとお湯が流れ、またすぐにストップする。これが例の“コーヒー本来の味を引き出す”という「間欠シャワードリップ方式」だ。観察すると、約30秒ごとに約3秒間だけお湯を出すというルーティーンのようだ。


30秒ごとにお湯を放出する「間欠シャワードリップ」のようす。ゆっくりとドリップすることで、コーヒーの粉を膨らませ、コーヒー本来の味を引き出す狙いがあるという

 しかし、これだけ出す/止めるを小刻みに繰り返しては、さすがに時間がかかってしまうのではないか。今回はマグカップ3杯分(約540ml)を淹れたが、ドリップが完了したのは電源を入れてから約8分30秒後。一般的な製品なら5分で終わりそうなところだが……ちなみにHCD-6MJで約540mlをドリップしたところ、約5分で終わってしまった。

 しかし、ドリップしたコーヒーを飲んでみると、この時間が味に反映されていることに気付く。深みとコクがあり、とても味わい深い仕上がりになっている。イヤな苦味を感じるということもない。これが“コーヒー本来の味”なのだろうか。時間をかけて断続的にお湯を注ぐことで、コーヒーの粉からしっかりと味を引き出しているのだ。

 味の比較として、ケトルで沸かしたお湯をそのまま注いで淹れたコーヒーも作ってみたが、味がとにかく薄く、また香りも弱い。一言で言えば“味気ない”のだ。もちろんこれは、ケトルで沸かしたお湯をそのまま注ぐというテキトーな淹れ方に原因があり、ゆっくりドリップさせれば手さしでもおいしいコーヒーは作れるハズである。しかし、重いヤカンを手に持ち、ゆーっくりジワジワとお湯を注ぐなど、面倒くさがりの私には到底耐えられない。本製品ならそんな面倒な“じんわりドリップ”を、スイッチを入れるだけで簡単にやってくれてしまうのだ。

 本製品はこのドリップ方式のほかにも、清潔面で有利な点がある。タンクの口は広く浅いため手が届きやすく、またドリッパーも本体とは別なので簡単に洗える。いつも清潔に保ちたいという人にもオススメだ。


味に深みとコクがあり、とてもおいしい タンクの口が広く、また部品が簡単に取り外せるため、手入れがしやすい

 タイガーでは数多くのコーヒーメーカーを出しているが、その多くが「シャワードリップ」方式で、「間欠シャワードリップ」式なのは今のところ本製品だけとなる(10月20日時点)。定価は8千円弱だが、実売価格は5千円以下というリーズナブルな価格も魅力だ。自宅で淹れるコーヒーの味に満足がいかない人は、一度チャレンジしてみてはいかがだろうか。

 最後に個人的な感想ではあるが、HCD-6MJとの味の違いについて触れよう。同じコーヒーの粉を同じ分量で作ったところ、本製品は比較的濃厚で、深みがあり、一方HCD-6MJはスッキリとしたライトな味わいだ。しかし、同じコーヒーでもここまで味が違ってくるとは……コーヒーメーカーは奥が深いジャンルだ。





URL
  タイガー魔法瓶株式会社
  http://www.tiger.co.jp/
  製品情報
  http://www.tiger.jp/product/04cookware/acr_a.html

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2008/10/21 00:00

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