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やじうまミニレビュー
イエロー「タタメット」

~グッドデザインな折りたたみ式防災ヘルメット
Reported by 林 佑樹

 地震や台風に遭ったとき、落下物やガラスの破片などから頭を守るためのヘルメットは必要不可欠である。しかし、ヘルメットはかさばる。安全の前にそんな理由はあってはならないのだが、筆者宅みたく狭い場合だとそうもいっていられない。食料や非常灯は確保しているが、ヘルメットはないという人も多いのではないだろうか。

 ヘルメット選びは難しい。筆者の父親は土木業を営んでいる。その関係で小学校のあたりからヘルメットにはよくお世話になっていた。当時と今のヘルメットはずいぶんと異なっているが、やはり重要なのはフィット感。中学生になったあたりから、メーカーを指名した自分用の作業ヘルメットを持っていた。装着した際、動きやすさ、直立時とかがみ時の頭部・頸椎部の防御レベル、直上からの落下物に対する性能など意識すべきポイントは多いのだ。

 近所のホームセンターで何種類か試して見たが、自分に合うヘルメットは見つからなかった。インターネットで探してみたところ、イエロー「タタメット」を発見。折りたたみ式というヘルメットじゃないような気がしなくもないアイテムだ。本当に大丈夫かしらんと思いつつ「たためるヘルメット」で「タタメット」というナイスなネーミングに惹かれて入手してみた。

メーカーイエロー
製品名タタメット
希望小売価格5,250円
購入場所直販サイト
購入価格5,250円


折りたたんだ状態のタタメット。ヘルメットとは思えないビジュアル
B6単行本2冊分くらいの面積でカバンの中にも入れられる
厚みもなく、とても薄いので重ねて置くこともできる

 本体を手にすると驚くほどコンパクト。折りたたまれている状態で届くので、ヘルメットにはまったく見えないのだ。折りたたまれた状態でのサイズは、実測で約210×約340×約15~35mm(縦×横×厚さ)。ハンガーを2つ重ねたくらいの大きさで、とにかくその薄さに驚いた。

 またパッケージにはハンガー差し込み口とフック差し込み口があり、あまり場所を選ばず置いておける。施設など大量にヘルメットを保管する必要がある場所でも、保管場所の確保という問題をキレイに解決していると思う。コンパクトなのでリュックに入れておいてもいいが、ハンガーに掛けておいて手の届くところに用意しておくのもよさそうだ。


 ヘルメットとして活用するときはそれほど手間は発生しない。左右からグイッと押すだけでなのだ。口が開かないためのロック機能もあるが、引っかけているだけなので、軽くひっぱれば、数秒でヘルメットの状態へと持っていける。また表裏の両端の反射材には「PUSH」と大きく書かれており、説明書を見なくてもなんとなくわかる作りで、緊急時への配慮が十分だと感じた。パッケージにも使い方がわかりやすく記載されているのでまず迷うことはないだろう。なおパッケージはプラスチック製で何度でもパッケージとして利用できる。


「PUSH」と書かれたシールは反射材となっている
パッケージはわかりやすく、すぐに扱えるよう配慮されている

 ヘルメットに組み立てた時のサイズは、実測で235×175×315mm(幅×高さ×奥行き)と十分な大きさとなる。ヘルメット形態で印象的なのは、形状そのもの。真横から見ると三角形なのでヘルメット=半円球というイメージから違和感を感じてしまう。しかし、よく見ていくと、頭頂部にはバンパーがあり、帽体は全体的に丸みを帯びているので、強度も申し分ない。タタメットは厚生労働省の保護帽規格「飛来・落下物用」の型式検定に合格、つまり工事現場などで見かけるヘルメットと同じスペックを持っているのだ。


正面から見たところ。ヘルメットらしくフォルムである
真横から見てみたところ。かがんだときに後頭部と頸椎部を防御できるように、前よりも後ろが長くなっている

頭頂部のバンパーは分厚く、信頼性の高さが伺える
帽体部分は丸みを帯びており、強度は十分だ

 帽体の内側を見てみると、ハンモック、ヘッドバンド、衝撃吸収ライナーがあって頭部への衝撃を緩和するようになっている。このあたりの構造は従来のヘルメットと同じで、しっかりと安全性を確保している。

 さてヘルメットを被ったとき煩わしいのがフィット感の調整だ。マイヘルメットであれば一度設定してしまえば問題はないが、不特定多数が使用するときは、装着したあとに調整しなくてはならない。またスピーディーに調整ができなければ防災用として意味がない。

 タタメットではその点もしっかりとフォローしており、ヘッドバンドの調整するアジャスターはダイヤル式で装着してから回すだけで調整できる。あごひもはバックなどでお馴染みの方法で調整するが、これは大半の人が慣れていると思われるのでそれほど手間ではないだろう。


タタメット内側。構造としては他のヘルメットと同じである ヘッドバンドはダイヤルを回して調整できるので、装着したままでも楽にサイズを変更できる。周囲サイズは53~62cmまで対応 あごひもはスタンダードなデザイン。それゆえに調整しやすい

 装着して動いてみたところ、とても動きやすく、かがんだときも特異な形状を活かして、しっかりと後頭部をカバーしてくれると感じた。またヘルメット形態にする作業が新鮮で、防災訓練ではワンアクション増えてしまうが、小さい子どもたちは楽しんでできるのではないだろうか。現在、低学年向きのタタメットも開発中とのことなので楽しみである。

 折りたたむときは、フックをロック解除ボタンで押し込むだけ。フックはヘルメットの上部にあり、内部構造を見てみるとバンパーと一体型となっているのだ。ロック解除ボタンはヘルメットに挟んでおける仕組みなのだが、もしなくした場合はヘルメットを前後から押すことでたためるが、フックやその周辺が破損する恐れがあるので、推奨されるアクションではない。ロック解除ボタンもヘルメットの端から落ちないように処理されているので、ちゃんとはめ込んでおこう。


写真にフックがあるので、そこをロック解除ボタンで押せばOKだ
ロック解除ボタンは初期状態だとオレンジ色の固定フックの隣にセットされている

フック近くには前後から押すことを推奨しないシールがある
 あれこれ試してみたところ、意図されたデザインなのか不明だがヘルメットを前後から押せばフックを外すことができた。ただフック機構を痛める可能性があるので、ロック解除ボタンはしっかりとヘルメットにつけておきたい。

 タタメットは見た目こそイロモノだが、ヘルメットとしての性能を十分に備えている。また使用しない場合はハンガーに掛けておいてもいいし、本棚に差し込んでおいてもいい。場所も取らず、家庭の防災用にベストマッチしている。保存食などは用意したがヘルメットはまだという人にオススメしたい。





URL
  株式会社イエロー
  http://www.yellow-inc.com/
  製品情報
  http://www.tatamet.com/

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2008/10/03 00:00

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