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シー・シー・ピー「CT-480」
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都内でアパート暮らしをする人にとってハンディクリーナーというのは大変便利に使える家電の1つだ。本体サイズの小ささはもちろん、狭いスペースを掃除する時にはその小回りの良さが役にたつ。色々なメーカーで製造していることもあり、製品ごとの特徴もさまざまだ。
今回ご紹介するハンディクリーナーは、コンパクトな本体には不似合いなほど大きいヘッドが特徴的な製品、シー・シー・ピーの「CT-480」。特徴的なヘッドは“でかヘッド”と名付けられ、カーペットなどに適した大型の吸い込みノズルが付属している。メーカー希望小売価格オープンプライス。Amazon.co.jpで3,542円で購入した。
● 溜まったゴミの量が、はっきりわかるダストカップ構造
本体は、片手で使うことを前提としたハンディタイプ。かなり小さく、ラクにとりまわしができる。重量は1.45kg。これは片手で持つにはちょっと重いと感じる人もいるかもしれない(重量の問題は、別売のホースとショルダーストラップを購入することにより解決される。詳しくは後述)。またコードレス式ではなく、常にコンセントに繋いで使う形になる。
デザイン面で目を引くのが、なんといっても本体後部に設けられた円筒形の部分である。クリアブルーのきれいな外見だが、実はここは、本体中央部に設置されたモーターが生み出すサイクロン気流により分離されたゴミが溜まる「ダストケース」である。
サイクロン式掃除機についてよく言われるのが「ゴミが溜まったままの状態で使い続けると、紙パック式よりも吸引力の低下が著しい」という問題点だ。しかし本機は、ダストケースが半透明で、現在のゴミの量が一目ではっきりとわかるので、「気づかないうちにゴミが溜まったまま使い続けていた」などということは起こらないだろう。
本体先端につけるオプションは、セールスポイントである「でかヘッドブラシ」、先端の細い「すきまノズル」、そして、そのすきまノズルの先端にさらに接続して使う「小型ブラシ」の3つが付属している。
電源コードは本体に直接つながっており、取り外すことはできない。長さは5mもあるので、コンセントまでコードが届かないという心配はないだろう。コードの巻き取り機構がないのが残念なところだが、サイズと重量をコンパクトにまとめるためには、しかたのないところなのだろう。
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本体に加えて、先端に装着するための3種類のノズルが付属している。右下に写っている小さな黒いブラシは、フィルターなどのメンテナンス用だ
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本機のウリであるでかヘッドブラシ。円筒形のブラシが回転し、カーペットなどのゴミを効率よく吸い込む構造になっている
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● 3種類のノズルで色々な場所に対応
では、実際にその使い心地を試してみるとしよう。
電源スイッチは、手に持ったときに、自然に親指が当たる位置に設置されている。とりあえず電源を繋いでスイッチオン。たちまちモーターが強力に回転し、排気口から風が吹き出す。騒音は、ハンディクリーナーとしてはやや大きい方だろうか(ハンディタイプでない通常の掃除機に比べればずっと小さい)。なかなかのパワーを感じさせる手ごたえである。
でかヘッドブラシを装着して、カーペットに押し当てる。たちまちゴミやホコリをガンガン吸い込んでくれる。
このでかヘッドブラシは、内蔵された円筒形のブラシが気流で回転する機構となっている。一般にタービンブラシと呼ばれる方法で、通常タイプの掃除機では珍しくもない構造だが、このサイズのハンディクリーナーで、この機構を採用しているものは少ないのではないだろうか。
いりくんだ箇所の掃除には、すきまノズルが役に立ってくれる。また棚の上など狭い場所は、すきまノズルの先端に小型ブラシを接続することで、効率よく掃除できる。
吸引力に余裕があり、また3つのノズルを使い分けることができるので、実にさまざまな局面で使用できるのである。
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でかヘッドブラシでカーペットを掃除。他にもフローリングや畳など、広い面積を手軽に、しっかりと掃除できる
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すきまノズルを使用中。いりくんだところや、角などのくぼんだところには、先端のすぼまったこのノズルがぴったりだ
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小型ブラシは、すきまノズルの先端に取り付けて使う。我が家ではこれがいちばん活躍の機会が多い
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● フィルターのお手入れも簡単
サイクロン式掃除機の、避けられない宿命とも言えるのが、先述したようにこまめなゴミ捨てが必要だということ。さらに、ユーザー自身の手で定期的に、フィルターの掃除・メンテナンスをしてやらなければいけないということだ。
「掃除機のメンテナンス」ということ自体、従来の紙パック式掃除機では必要のなかった行為であり、人によっては戸惑いを感じることもあるだろう。メンテが必要であるということが理解できず「サイクロン式は性能が低い」と誤解している人もいるという。
さて、本機CT-480だが、「普段のゴミ捨て」と「フィルターの掃除・メンテ」が区別されており、別個に行なえるようになっている。
ゴミ捨ては、ただ単にダストカップ後端のボタンを押すだけでよい。これでカップのふたが開き、ゴミをまるごと捨てられる。手を汚す必要もない手軽さだ。
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ダストカップは、ボタン1つで蓋が開く。溜まったゴミを捨てるのも簡単だ。こまめに捨てるようにしたい
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ダストカップとフィルターを分離させた状態。2つのフィルターを、定期的にお手入れするのがポイントだ
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ゴミを捨てても吸引力が弱いと感じたなら、フィルターのメンテナンスが必要な時期である。本体中ほどのロックボタンを押しながらダストカップを外して、集塵フィルターユニットを取り出し、「ファイバーフィルター」と「HEPAフィルター」という2つのフィルターを、付属のお手入れブラシで掃除しよう。表面や凹凸部に詰まっているゴミやほこりを取り除くのだ。
また、集塵フィルターは水洗いも可能である。普通にメンテナンスを行なっても吸引力が復活しない場合は、取扱説明書の指示に従って優しく洗ってやればよい。
加えて、でかヘッドブラシも、定期的にメンテナンスすることが望ましい。この場合も、お手入れブラシを使用することになる。
これらを定期的にしっかり行なえば、購入時の強力な吸引力が、いつまでも持続するはずである。
● あらゆる場面で、本格的な吸引力を発揮
本機の特徴を簡潔にまとめると
・ハンディタイプでありながら吸引力が強く、通常タイプに匹敵するほどのパワーを備えている
・でかヘッドブラシのおかげで、じゅうたんなど広いところも掃除できる
・サイクロン式なので定期的なメンテナンスが必要だが、簡単にできるように配慮された設計になっている
・ハンディタイプだがコードレスではなく、常にコンセントに繋いで使う
といったところだろうか。
ハンディタイプクリーナーにありがちな「細かいところのちょっとした掃除に便利=それしかできない」などといったことはない。「コンセントに繋いで使う」という点さえ許容できるのであれば、床や棚上、あるいは車の中など、あらゆる状況で活躍してくれる、とても便利な掃除機だと言えるだろう。
なお本機には、別売りオプションとして「ホース」と「ショルダーストラップ」が用意されている。これらを用いると、本体は肩からストラップでかけて腰に保持し、各種ノズルはホースの先につけて使用するというスタイルになり、片手で本体の重量を支える必要がなくなる。腕力の弱い人や、長時間使用する場合などは、これらのオプションの購入を検討してもいいだろう(ただし個人的には、オプションがなくても、特に不便は感じなかった)。
■URL
株式会社シー・シー・ピー
http://www.ccp-jp.com/
製品情報
http://www.ccp-jp.com/life/cleaner/deka.html
掃除機関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/cleaner.htm
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2008/08/04 00:01
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