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家電製品ミニレビュー
ナショナル「密封パック器 BH-951」

~密封と脱気で鮮度を保つシールマシーン
Reported by 西村 敦子

家庭で脱気・シールできる「密封パック器」

「密封パック器 HI-SEAL」本体。重量は約2.6kgあり、安定しています
 まとめ買いをしては冷凍庫をフル活用する生活をして数十年。小分けのためのチャック付き保存バッグや密封容器のタッパー類は長年の愛用品ですが、長年使っているだけにいろいろと気になることも出てきます。

 たとえば、箱形だと冷蔵庫の中で場所を取りますし、バッグは繰り返し使っていると気がつかないうちに穴が開いたりして、役割を果たしていなかったりすることもあります。細かい乾物類を保存バッグに入れていると、中の空気が抜ききれずに、引き出しがパンパンになってしまうのも気になります。

 保存バッグはそこそこ便利ではあるものの、ほかにもなにかいいアイテムはないかと調べていて、「密封パック」の存在を知りました。保存バッグ内の空気を抜くことで鮮度や風味を守る製品です。

 探してみると、この袋の中の空気を抜いてパックし、鮮度を守るための家電は「密封パック」のほかにも「真空パック」「フードパック」などの名称で、何種類か発売されていました。それぞれ細かい部分の性能は違うものの、基本的に「ビニールの中の空気を抜き、密封パックする」というシステムは同じ。ほとんどの商品は消耗品として専用の密封パックが発売されています。

 市販されている本体は1~3万円程度で、密封パックの幅は20~30cmのものが多いようです。消耗品の密封パックには、たいていロールタイプと30cm程度にカットした袋状タイプが用意され、ロールタイプは6mで1,000~2,000円。袋状タイプは20枚前後で1,000~2,000円程度です。

 今回の「密封パック器 BH-951」はナショナルの製品で、メーカー希望小売価格は23,940円、Amazon.co.jpでの購入価格は16,085円でした。


本体右に電源スイッチ
本体左はすっきり
後ろも脱気の穴があるぐらいでシンプルです

本体裏にはコードを収納できるスペースがあります
カバーを開けたところ。ここに袋の切り口をはさみます
カバー上。レバーにある金色の部分で押さえてシール部に溶着させます

金色の部分が袋を溶着させるシール部。160℃の高温になります
黒い円形のフィルターの下に脱気口があります

しっかりした作りの本体。いろいろな食材の鮮度が2倍近く長持ち

 「密封パック器 BH-951」の最初の印象は、思ったよりしっかりした大きな製品だというもの。デザインがすっきりしていますし、ボディが光沢のある白なので圧迫感はありませんが、380×130×95mm(幅×奥行き×高さ)という大きさは、ボックスティッシュの1.5倍ぐらい。キッチンで置く場所を確保するには、ある程度スペースが必要です。

 使い方は、袋にパックしたいものを入れ、口の部分をはさんだら、やわらかいものや汁気のあるものは「弱」、固いものは「強」を押し、空気が抜けたら「シール」を押すだけ。しっかり封がされ、中身がこぼれることもありません。


本体に書かれた使い分け方法
脱気は「弱」と「強」の2種類。最後に「シール」で切り口を溶着させます
レバー両側の「押す」のあたりを上からしっかり押してロックします

袋の切り口はシール部より少し奥まで差し込みます
本体の大きさは、大型のボックスティッシュを少し長くした程度です
本体の付属品。マニュアルのほか、専用袋「Eパック」のお試し用ロールが3m付いています

 袋の中の空気を抜く「脱気」の方法は、専用の袋「Eパック」を使うだけで、脱気のノズルに差したりする必要はありません。「Eパック」は、表が光沢のあるつるつるした面、裏が凹凸のある面になっているのですが、この裏の凹凸を使って空気を抜いています。そのため、この凹凸がない専用袋以外のものでは脱気できません。

 脱気中に空気を抜く大きな音がすることに最初は驚きましたが、それ以外はごく簡単な操作で使えるため、マニュアルを見ながら2~3回やるだけで、十分スムーズに使えるようになりました。脱気やシールの時間は本当にスピーディ。面倒さがありません。

 食品の保存期間は、製品のページや、使いこなしのページを見るとわかりますが、いろいろな食材でほぼ倍になります。保存バッグと比べても、特にカットや下処理した食材の鮮度の持ちがいいと感じました。冷凍するとおいしくなくなってしまいがちな、ポテトサラダや肉じゃがなどの料理、味が落ちやすいお刺身などは、冷蔵で長持ちするのがありがたく感じました。


専用袋「Eパック」のサイドは手で切れる「MagicCut」仕上げになっているので、パックしたものをお弁当にそのまま持っていくといった使い方をするときも便利
専用袋の表はツルツル
裏の凹凸は脱気するための機構です

別売りの専用袋「Eパック」のロールタイプ(6m)。底面は「シール」で閉じて使用します
筒状に6m続く作りで、好きな長さにカットして使います
箱に入れてラップのように引き出して使えます

別売りの専用袋「Eパック」の袋タイプ(20枚)。幅はロールタイプと同じです
底面はすでに閉じてあるのですぐに使用できて便利。もちろんカットしても「シール」すればロールタイプと同じように使えます

「強」「弱」「シール」を食材に応じて使い分け

 基本的な使い方は3種類。ゆっくり空気を抜く「弱」+「シール」の使い方、早い時間で強く脱気する「強」+「シール」、そして封をする「シール」だけの使い方です。

 まず、「弱」+「シール」は、汁気があるものや、ごはん、パン、せんべいなどの型くずれしやすいものに最適。しばらく使っていた中ではこの用途をいちばん活用していました。作り置きした総菜には、やはり多少汁気があるので、その保管に便利でした。

 袋にパックするものを入れて本体に口先をはさむと、「弱」ボタンを押して数秒でだいたいの空気が抜けるので、「シール」ボタンを押して完了です。「弱」ボタンを押してから、「シール」ボタンを押すまでの間だけ脱気。作業はトータル8秒程度です。「シール」の点灯が消えてから3秒ほど待って本体を開け、袋を本体から取り外します。


「弱」で密封パックすると、「シール」の間は脱気しません


 もう1つの「強」+「シール」は、密封パックらしく、しっかり空気を抜いてパックできる、もっとも効果が高そうな脱気方法。コーヒー豆や、おもち、焼きのりなどの乾物、スパゲッティなどのほか、汁気を拭いた肉や魚もこのコース。脱気するとかなりカチカチに仕上がるので最初はびっくりしますが、慣れてくるとできるだけこのコースで保管したくなってきます。

 袋にパックするものを入れて本体に口をはさみ、「強」ボタンを押して空気をしっかり抜きます。続けて「シール」ボタンを押してパック完了。「シール」には5秒程度かかりますが、「強」を使うと、「シール」している間も脱気し続けます。こちらもトータル8秒程度。2回目の利用までには、30秒ほどあけて使います。


「強」で密封パックすると、「シール」の間も脱気し続けます


風味が逃げやすいコーヒー豆も密封パック 食材を使った残りは、トレイに戻すより密封パックしたほうが長持ち

魚類も小分けして密封パック
トレイごとだと冷気が伝わりにくいですが、密封パックしておけば冷凍も効率的

 そして、最後の「シール」は、各コースで使う「シール」だけで使うもので、脱気しないので密封パックというよりはシーラーとしての使い方です。たとえば袋に液体を入れてパックすることもできるため、ジュースを凍らせればアウトドアに便利。また、専用袋の「Eパック」以外でも使用できるため、たとえば食べかけのスナックの袋もそのままシールできます。


型くずれしやすいパンはシールだけの密封も可能
コーンフレークの袋もシールできるかやってみました
しっかり密封できてクリップいらず

 カステラやシュークリームなどの、脱気してしまうと型くずれしやすいものも、袋に入れてそのままこの「シール」をすればOK。専用袋以外で使用できるのは厚さが0.02~0.06mmの「ポリエチレン袋」。よくスーパーの袋詰めコーナーに置いてあるぺらぺらの野菜袋だと0.01mmしかないので、少し厚手のものなら使えると覚えておくと便利です。スナックの袋、コーンフレークの袋、やわらかなパンなどいろいろ使いました。以前、ハンディタイプのシーラーを使っていたことがあるのですが、30cmまでの幅に対応している「密封パック器 HI-SEAL」は、はさんで一度「シール」を押せばいいだけとかなり楽です。


ポリエチレン袋の厚さもいろいろ。箱の裏をチェックします
既定の厚さに足りないと、シールしたときシール部が溶け切れてしまいます
専用袋を使っても、シール中に動かすのは厳禁。シールが終わってから3~5秒待ちます

炊いたお米もすぐさま密封パック
残りはそのまままた密封パックできます

カロリー計算用のツールとしても

平日は忙しいので、土日に大量に作って作り置きします。このときは料理のうまい親戚が超大量に作ってくれたのでこれを密封パックして冷凍することに
 使用方法で便利なのは、やはりまとめ買いした食材の仕分け。野菜や果物は呼吸しているためそのままパックできませんが、ゆでたり切ったりして下処理すればOK。専用袋の「Eパック」はしっかり洗えば繰り返し使えるので、思ったほどコストも高くつかないで済みました。


ロールタイプは袋の大きさを自由に決められるのが魅力。一回分は小さくていいので短めにカット
総菜を入れてレバーを下げ、しっかりロック
「弱」で密封。汁気が上に上がる前に「シール」に切り換えます

総菜を密封パックした状態
ひたすら繰り返してパック完了。冷凍できるものはこのまま冷凍庫へ入れました

 同じように小分けして作っておくという意味では、普段お弁当を手作りされている方にもとてもおすすめです。1日分をまとめておき、冷蔵や冷凍しておけば朝の作業が時間短縮できそうです。トラブル続きで冷凍食品が不安になったという方も最近は多いので、手作り派にはありがたいアイテムです。

 また、これは便利かもしれないと思ったのが、カロリー計算に使うこと。いつも食べる分程度をあらかじめ量ってパックしておけば、いざ食べるときにいちいち量るよりもグンと楽。袋には記入スペースがあって書き込みやすいので、パックした日付のほか、たとえばキャベツの千切りは200gで30Kcal、塩鮭は200Kcal……などあらかじめグラムを量ったり記載したりしておいてもいいかもしれません。メタボ対策や治療の食事制限ではめんどうなカロリー計算がどうしても欠かせませんが、それを続けるコツの1つになるかもしれません。


キャベツの千切りはメタボ対策の味方。たくさん作って量ってパックすればカロリー計算もラク
残ってしまったらそのまま再密封することもできます

密封パックすると浸透圧の関係で染み込みが早く、調理にも活躍。ただ、においはつきやすいので再利用にはあまり向きません
 逆にちょっと不便だなと思ったのは、においが付きやすいところと、専用袋のコスト。ニンニクなどの香辛料は洗ってもとれないので使い捨てになります。専用袋が使い捨てをしても惜しくないぐらいの価格ならそれも気になりませんが、現状では専用袋「Eパック」は20枚で1,000円前後、ロールタイプも6mで1,000円前後。密封するには本体にはさむための幅が必要で、密封して開ける、また密封する……という作業を繰り返していると毎回2~3cmずつカットしていくことになり、繰り返し使うのは5~6回が限度ではないでしょうか。ジッパー付きの保存袋も、ラップで包んでから入れて使う方法だと、かなり長く使えることもあるので、その点で少し割高に感じます。

 ただ、シールだけなら専用袋も要らず、食材の梱包をそのまま使えるのでジッパー付きよりもずっと便利。つまり、ジッパー付きの保存袋の置き換えというよりも、併用がベストそうです。たとえば、乾物のように少しずつちょくちょく使うような材料の保管には向かないので、ある程度の量を密封パックして、普段使う分はジッパー付きに入れておくとか、コーヒー豆やインスタントコーヒーも、半分を密封パック、残りをカンに入れるなどすると、便利さと新鮮さを両方使いこなせそうです。


価格に見合う便利さ。課題は専用袋の価格と入手?

 このタイプの製品は、一般的に見るとまだまだマイナーで、存在を知っているという方もあまりいないのではないかと思います。ただ、実際に使ってみると便利さが実感でき、使い続けたくなる魅力もよくわかりました。本体の価格は、十分価値ありです。

 ただ、8秒という高速で脱気と密封ができる分、専用袋でないと脱気できないのがいちばん気になるところ。普段使っていると、専用袋もいつでもどこでも買えるというわけではないので、ときどきネット通販や家電量販店で買いだめしています。

 個人的には、今後、この消耗品の心配がなくなるよう、汎用のポリエチレン袋で脱気できる機能が付いたら、さらにブレイクするだろうなぁと勝手に思いました。貴重なキッチンのスペースを提供して、常駐で使用したいと感じる便利でいいアイテムだけに、知名度が低いのがちょっと残念。

 これまで小分けパックされたものが安く買えていたために、まだ知る人ぞ知るアイテムですが、最近は「食の安全」や「有機野菜」など素材へのこだわりや手作りが見直されています。その鮮度を守るアイテムとして、今後、注目を集めそうです。





URL
  ナショナル(松下電器産業株式会社)
  http://national.jp/
  製品情報
  http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=BH-951

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2008/05/29 00:04

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