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家電製品ミニレビュー
シャープ「KC-C150」

~除菌イオン+加湿機能の高機能空気清浄機
Reported by 本誌:伊達 浩二

シャープ「KC-C150」
 シャープは、「除菌イオン」機能を搭載した空気清浄機を多数ラインナップしているが、「KC-C150」は最上位モデルとなる。価格はオープンプライスで、ヨドバシカメラの通販価格は69,800円だった。

 最上位機種だけに機能は強力で、除菌イオン発生ユニットを2基搭載して除菌イオンの発生量を大幅にアップしている。加湿機能も本格的で、加湿フィルターが回転する「ローター方式加湿構造」を採用しており、湿度センサーの情報を基にローターの回転制御までしている。

 適用床面積は、加湿機能を基にすると木造で13畳まで、プレハブ洋室で21畳までだが、空気清浄機能単体では33畳まで対応している。家庭用の空気清浄機としてはトップクラスの性能だ。


設置場所が使いこなしのポイント

 今年のシャープの空気清浄機は、昨年モデルとは大きくデザインの方向が異なっている。

 昨年までは、直線基調のデザインだったが、今年は曲線を多用したフォルムになった。前面のパネルもツルッとした感触のものから、石目を模した凹凸のあるパネルとなった。この機種では、色はホワイトのみだが、下位機種ではレッドやブラックも選べるという派手さだ。デザインについては、好き嫌いがある分野だが、存在感のあるデザインであることは保証する。

 また、機能が強力であるだけにサイズも大きい。本体サイズは398×288×627mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約11kgある。パッケージにリモコンは付属していない。


本体側面
本体背面

石目を施した凹凸のあるパネル 手前側の背面に向けて、なだらかな角度がついている 本体上部にある、吹き出し口。後方ななめ上に向けて排気される

 空気清浄機は、大量の空気を吸い込み、加湿と浄化を行なって排気する装置だ。この点でも、今年のシャープの製品は特色がある。

 吸気は背面から行ない、排気は上面から、ななめ後方20度に向けて行なわれる。このあたりは同社のエアコンと同様、空気力学を応用した新設計だ。

 この設計を生かすために、設置場所の制限がややきつい。壁からは吸気のために30cm以上離すことが、また壁を利用して部屋の空気を効率良く循環させるために約60cm以内に設置することが推奨されている。つまり、壁際から30~60cmの範囲内に設置することが、この空気清浄機を使いこなす重要なポイントとなる。

 なお、吹き出し方向を調整するルーバーなどは用意されていない。また、本体の左右も60cmずつ開けることが推奨されているので、後方に壁面があり、左右の壁面から離れた位置に設置されることが理想となる。今回は、広い場所を確保するためにオフィスに設置しているが、壁面からの距離は確保したものの、本体の側面の距離は10cmほどしかとれなかった。

 電源を接続し、本体の右側面から給水タンクを取り出し、水道水を入れると、準備は完了だ。


給水タンクは本体側面についている とってを上に押し上げてタンクを外す

タンクを外した後の吸水トレイ 吸水タンクには水道水を直接入れて使う

使いやすい操作パネル

 この加湿器には、電源をONにするというスイッチはなく、「加湿空気清浄」「空気清浄」「シャワー」のうち、いずれかのボタンを押すと運転が開始される。3つのボタンの大きさや位置もよく配慮されており、わかりやすい。なお、シャワーは風量の強弱をつけながら、15分間動作して通常運転に戻る。他社でいえば、ターボモードとか、外出花粉モードと呼ばれる運転だ。

 風量は、「風量ボタン」を押すと、「自動」「花粉」「強」「弱」の4段階で推移する。本機はセンサー類が充実しているので、通常は機械任せにして自動のままで良いだろう。ちなみに搭載されているセンサーは、「ニオイ」「ホコリ」「温・湿度」の3種類だ。

 個人的に気に入ったのは、「前面モニター 点灯/消灯」というスイッチが独立してわかりやすいことだ。本機は前面パネルのモニター表示が充実している。上から、「除菌イオン」「ハウスダストモニター」「ニオイモニター」「現在湿度」の4つの表示があるのだ。これによって、除菌イオンのON/OFF、空気の汚れ具合、ニオイの有無、湿度の目安が、一覧できるようになっている。ついでに温度表示がほしいぐらいだ。

 ただし、充実した表示の一方で、夜間などは表示に使われているLEDの明るさが気になることがある。メーカー側からすれば、せっかく凝った表示は常に点けていてほしいところだろうが、ユーザーの事情を優先して、わかりやすい操作で消灯が簡単にできるのはとても良い。


本体上部にある、操作パネル。中央の3つのボタンのいずれかを押すと運転がはじまる 本体前面にあるモニター。除菌イオンのON/OFF、空気の汚れ具合、ニオイの有無、湿度の目安が、一覧できる

十分な加湿能力

 とりあえず、「シャワー」運転で部屋の空気をきれいにし、その後は「加湿空気清浄」で風量は自動にして1日中動かしている。

 センサー任せにすると、風量は弱の状態になっているようで、ファンの音も静かだ。「シャワー」や「風量 強」にすると、それなりに大きな音がするが、この場合の風量は“強大”と言ってよいほどで、いつでも余力がある印象だ。

 加湿空気清浄機では、水タンクへの給水が一番手間のかかる作業だ。タンク容量は約4.3Lで、加湿量が最大760ml(=0.76L)なので、計算上の連続加湿時間は約5.7時間となる。

 しかし、前述のように弱で運転されることが多いこと、加湿方式が「気化式」で、無用な加湿を行なわないこと、などが理由で、丸1日は持っている。ちなみに、運転開始時は40%前後だった湿度は、約2時間ほどで60%近くまで上昇した。当然、部屋の大きさや乾燥度合いによって異なるが、加湿能力、給水頻度とも、十分に実用的な水準にあると言える。


 なお、気化式を採用しているため、気化熱の作用で、排気は取り込んだ空気よりも低い温度になる。原理的に言うと、締め切った部屋で使い続ければ、室温が下がることになる。

 フィルター類の清掃では、「加湿フィルター」の頻度が一番高く、1カ月に1回とされている。このときに、加湿フィルターが浸るトレイも一緒に洗う。これ以外では、「洗える脱臭フィルター」をニオイが気になったときに洗うぐらいだ。交換頻度は「加湿フィルター」が2年に1回、「集塵フィルター」は5年に1回で交換とされている。フィルター類の寿命は比較的長いほうだろう。


パネルは3重構造になっている。パネルを外してすぐあるのが、洗える脱臭フィルター HEPAフィルター。ここで、吸気した空気の細かいホコリをとる 1番中側にある加湿フィルター

本体背面にある、フィルターセンサー部。操作パネルの「フィルターお手入れ」ボタンが点灯したらこの部分のホコリを掃除する ローター式加湿構造構造を採用している。丸い緑の円がゆっくりと回って水を吸い取っていく 本体側面にフィルターの使用開始日を書き込めるようになっている。HEPAフィルターと加湿フィルターは別売りされているので交換可能

 設置してから数日間、24時間運転しているが、空気清浄および加湿器としての性能は満足できるものだ。

 設置前には、風邪が流行かけていたオフィス内だが、聞こえてくるセキが明らかに少なくなった。もちろん、それが本機だけの力によるものかどうか検証できるわけではないが、一定の役割は担ってくれたと思う。

 あえていくつかの希望を述べれば、もう少し設置場所の自由度を上げてほしいとか、もう少しおとなしいデザインの選択肢がほしいとか、水タンクはケトル(やかん)で水が注げるようにしてほしい、などを挙げることはできるが、現状でも一線級の機能を持つ製品であることは保証して良いだろう。





URL
  シャープ株式会社
  http://www.sharp.co.jp/
  製品情報
  http://www.sharp.co.jp/products/living/air_purifier/prod02/kcc150w/index.html

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2007/11/01 00:00

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