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家電製品ミニレビュー
日立「CV-PK8」

~実力十分のミドルレンジ掃除機
Reported by 田中 真一郎

日立「CV-PK8」
 日立「CV-PK8」は、吸引力の高さと、除菌消臭システムによる清潔な排気がウリの、紙パックに集塵するタイプの掃除機だ。

 同社の家庭用掃除機のラインナップは、CV-PK500、CV-SK20、CV-PK10といった高級機と、スタンダード紙パック方式、サイクロン方式、スティック/ハンディタイプで構成されているが、CV-PK8はスタンダード紙パック方式ラインのトップモデルで、3月に発売されたばかりだ。価格はオープンプライスだが、Amazon.co.jpではだいたい34,440円前後で販売されている。


スタンダード機ながら高い吸引力

 CV-PK8の吸引力は「吸込仕事率570W」という数字でアピールされている。吸込仕事率は電気掃除機に関するJIS規格「C 9108」で規定された吸引力の目安だ。同社の高級機「CV-PK500」が600Wだから、スタンダード機としては大健闘。それどころか、PK8の数値は従来より厳しい新測定基準によるもので、PK500の基準に換算するとだいたい10%増しの630W弱となるので、実はPK500よりも高い吸引力を備えていることになる。

 同社のほかの掃除機と同様にCV-PK8にも「パワー長持ち流路」と呼ばれる独自の空気流路が備えられているが、このほかに高性能ファンモーターや各部のエアフローの最適化などで、570Wの吸引力が実現されているようだ。

 吸引力を実現するための代償なのか、使い始めた当初は動作音が大きめ、高めに感じられたが、これは今まで使っていた掃除機の音に慣れていただけのようで、1カ月ほど使い続けると、CV-PK8の音も耳障りには感じなくなった。


箱に書かれたCV-PK8の特長
本体にもCV-PK8のアピールポイントを書いたステッカーが貼ってある(もちろん簡単にはがせる)

衛生面に配慮したフィルター

 もうひとつの特長である除菌消臭システムは「ナノチタン・アレルオフ除菌消臭システム」と名づけられている。このシステムは、ダニや花粉、ペットの皮脂のようなアレル物質を99%以上分解するという。

 CV-PK8の内部には6種のフィルタが装備されているが、そのうち1つがナノチタン・アレルオフ抗菌消臭フィルター、もう1つがアレルオフ抗菌消臭HEPAクリーンフィルターだ。ナノチタン・アレルオフ抗菌消臭フィルタは、ナノチタン触媒を採用することで消臭効果を高めている。

 ナノチタンは日立のお家芸のようになっていて、掃除機だけでなく洗濯機、エアコン、除湿機、ドライヤー、調理家電などの除菌消臭にも採用されている。従来の除菌消臭用触媒は直径が1μm(マイクロメートル、1,000分の1mm)なのに対し、ナノチタン触媒の直径は5nm(ナノメートル、1nmは10億分の1mm)。触媒の直径が大きいと微細なにおいの分子がすり抜けてしまうが、ナノチタン触媒ならキャッチできる。さらに、光がなくても効果が持続するのも従来の触媒との違いだ。消臭効果は半永久的に続くという。


CV-PK8の本体
ごみの入るパックフィルターや、フィルターの交換は、立てた状態で行なう パックフィルターを取り出すために本体を開けたところ。オレンジ色の部分がパックフィルター。その下に抗菌フィルターが見える

パックフィルターをはずしたところ
抗菌フィルターを取り外したところ。フィルターが詰まったら、水洗いして機能を回復させることができる パックフィルター室のフタにはナノチタンアレルオフ抗菌消臭フィルターがセットされている。こちらは水洗い不可。フタには吸引力を維持する吸気流路「パワー長持ち流路」が設けられている

 我が家にはアレルギー体質の人間がいないので、アレルオフ効果のほどはよくわからないが、紙パック内にある程度ゴミがたまっている状態でも、排気の匂いがあまりしないのは実感できた。まったく匂いがないわけではないが、それは排気口に鼻を近づけてわかる程度のものであって、部屋中に匂いを撒き散らすようなことはない。

 なお同梱されている集塵用のパックフィルターは「GP-110F」(5枚入りで1,155円)。上級機種のパックフィルターのようなナノチタンは採用されていないが、3種のフィルターを3層構造とすることで、抗菌消臭効果があるという。衛生面にこだわりたい向きは、上級機種用のGP-2000F、GP-200F、GP-150Fも使用できる。


控えめな本体後部の排気口。電源コードが高い位置から出ていて、使い勝手がよい
付属する紙パックフィルター「GP-110F」

使い勝手のよさが光る

A4サイズのノートPCと並べてみたところ。本体は非常にコンパクト
 CV-PK8は排気の清潔さだけでなく、掃除機本体の取り回しや使い勝手にも配慮されている。使い勝手をよくする機能は、他社の同クラスの掃除機よりも充実しているといえるだろう。

 本体サイズが256×288×214mm(幅×奥行き×高さ)、重量3.1gと小型軽量なうえ、ボディ前部ハンドル(サッとハンドル)と上部ハンドルのおかげで、ボディを立てていても横にしていても、あまり重さを感じることなく持ち運ぶことができる。

 また直径150mmくらい大きなの車輪が付いているおかげで、立てたときもひっぱって移動するときも、スムースに動かすことができる。一方で小型軽量ながらボディは非常に安定していて、移動中にひっくり返ったりすることはめったにないし、立てて収納するときも安定して自立している。


収納状態のCV-PK8。ホースの付け根にあるのが「サッとハンドル」 ホースをはずして、全高を抑えて収納することもできる

大きな車輪は立てたときも有効
低く安定したフォルムでひっくり返りにくい

 パイプの伸縮機構は「ズームパイプ」と名づけられていて、ヘッドを足で押さえて、ハンドル部のロックを握って押し引きすれば、簡単に伸縮できる。

 細かいところでは、電源コードが本体の上部から出ているところも評価したい。これまで使っていた掃除機は、本体下部からコードが出ていて引き出しにくかったが、CV-PK8では非常に楽になった。

 本体の取り回しやすさに比して、パイプはちょっと重く感じる。伸縮機構とリモコン付きハンドル、回転ブラシや大きなジョイントの付いたヘッドなどのおかげで、やや重いようだ。片手で持てるハンドル形状のおかげで、つい片手だけで操作してしまうから疲れるというのもあるだろう。もう片方の手でもパイプを支えるように操作すれば問題ない。


ズームパイプを伸ばしたところ。ハンドルの黄色いスイッチがロック
ズームパイプを縮めたところ

ハンドルの操作部
換えノズルは、パイプの左右のフックに挟んで収納する

 本体に付属している換えノズルはすきまノズルと、換えノズルを装着するときに必要なアタッチメントだけで、布団用ノズルやはたきノズルなど5種のノズルが別売オプションで用意されている。

 持ち運び、掃除のあらゆる場面で、取り回しやすさが光る製品だが、ちょっとした不満もある。それは換えノズルの収納方法で、パイプの左右のフックに挟んでおくようになっている。挟むだけなので、なにかの拍子に挟んでいたノズルが抜け落ちることがあるのが気になる。

 すきまノズルとアタッチメントだけなら、体の外側(右手でパイプを持つなら、パイプの右側)に装着することで、体に接触して抜け落ちるのを避けられるようになるが、もうすこし抜け落ちにくいロック機構が望まれるところだ。


強力かつ使いやすいヘッド

 CV-PK8のヘッドはモーター駆動の回転ブラシつきパワーヘッドで、ペットの毛なども掻き取ることができる。この回転ブラシにもナノチタン触媒が採用されている一方で、毛などがからまない構造も採用されている。実際、1カ月ほど使ったあとで紙パックの中を見ると、我が家の犬の抜け毛が大量に入っているのが見えたが、ブラシには1本の毛もからまっていなかった。

 また、ヘッド前部に「きわぴたスイングシャッター」と呼ばれるプラスチックのフラップが付いていて、このフラップが前後することで壁際のゴミも掻き取るようになっている。

 ヘッドが床から離れるとブラシの回転が止まる安全機構があるほか、ブラシを取り外して掃除することもできる。


ヘッドとパイプ、ホースは分割できる
回転ブラシつきのパワーヘッド
分解して掃除することもできる

ヘッド前縁の青いパーツが「きわぴたスイングシャッター」 【動画】ヘッドが床に触れ、ブラシの後ろの小さな車輪が押し込まれているときだけブラシが回転する(WMV形式、約1.2MB)

 ヘッド部のジョイント「クルッとヘッド」は、2つのジョイントで、パイプに対して左右90度までヘッドを回転させることができる。壁際や隅でも、体勢を変えることなく隅までヘッドがいきわたるようになっていて、楽である。このヘッドは壁にあたれば自然に回転してくれるほか、パイプのハンドルをひねることで恣意的に回転させることもできる。

 さらにヘッドは薄くできていて、パイプを床に寝かせて一直線にすると、家具の下の隙間にヘッドを簡単に突っ込める。

 ヘッドは単体で600gとそれなりに重いのだが、フローリングでも絨毯でも軽快に走行してくれる。


ヘッドは前後と左右に90度曲がる「クルッとヘッド」
横に90度曲げたようす
ヘッドを下に90度曲げたところ。家具の下などにも簡単にヘッドをつっこめる

使い勝手のよい中級機

 同社得意のナノチタンによる清潔な排気、強力な吸引力などが前面に押し出されたCV-PK8だが、サッとハンドル、ズームパイプ、ペタリンコ・クルッと構造ヘッドなど、使い勝手をよくするための機能が印象的だ。他社の実売価格30,000円程度のミドルレンジの掃除機と比較しても、充実しているといえるだろう。

 ペットの抜け毛や臭い、アレルギーが気になる向きにはもちろん、楽に掃除をしたいという人にもお勧めできる。





URL
  日立アプライアンス株式会社
  http://www.hitachi-ap.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/02/0221a.html
  製品情報
  http://kadenfan.hitachi.co.jp/clean/lineup/pack/index.html
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  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/cleaner.htm

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2007/07/10 00:02

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