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家電製品ミニレビュー
森田電工「MWC-499E」

~水で冷やした風で涼をとる“エコ”な扇風機
Reported by 元麻布 春男

MWC-499E
 昔、家電製品にウィンドファンと呼ばれるものがあった。換気扇の逆で、外部の空気を室内に取り込むもので、窓枠に設置する。エアコンと違い、コンプレッサーの類を一切持たず、どれだけ涼しい風が吹くかは外気しだい。エアコンなどの普及による都市熱のせいか、外気がちっとも涼しくなくなってしまい、いつの間にか姿を消してしまった。

 確かに、真夏ともなると連日のように熱帯夜が報じられる現在、ウインドファンの効力には疑問が残る。が、世の中には冷房が苦手な人や動物も少なくない。筆者は、幸か不幸か冷房が大得意(なくては生きていけない)だが、家人は冷房をあまり好まない。そしてペットであるうちの猫は、冷房を敵視している。仕事部屋はPCの都合もあるので冷房を入れさせてもらっているが、ほかの部屋ではなかなか冷房を使いにくい状況だ。

 かつてのウィンドファンのように、あまり人工的でない冷房器具はないか、と探していたところ、冷風扇なる製品が存在することに気づいた。手頃な値段なので試してみることにした。価格はAmazon.co.jpで8,530円と1万円を切っている。

 今回購入したのは、森田電工の「MWC-499E」という商品。見た目は巨大な除湿器というか、26×33.5×71.5cm(幅×奥行き×高さ)のかなり大きな直方体だ。内部にエアコンのようなコンプレッサー類を持たないため、重量は7.9kgとそれほどでもないが、季節家電の本機をオフシーズンにしまっておくとなると、ちょっと厄介そうな大きさである。

 冷風扇が通常の扇風機と異なるのは、「風を冷やす」仕組みを持っていること。冷風扇は本体下部が水タンクになっており、この水をポンプで上部にくみ上げ、送風口前の水フィルターを濡らす。水フィルターを濡らした水が気化する際に奪う気化熱を利用して、そこを通過する風を冷やす、という仕組みだ。

 要するに、日よけのよしず(葦簀、たてずとも呼ばれる)に水打ちして涼をとるのと同じ原理である。したがって、湿気の多い梅雨時はあまり効果が期待できない。暑くて乾燥した日ほど、冷風効果は高いことになる。


水タンクの容量を示す本体前面のランプ。その横のステッカーでは、本製品の仕組みを示すイラストが描かれている 冷気の噴出口。内部のファンなどは見えない
本体裏面のエアフィルター

冷却タンクには保冷剤が入っている。使用前に冷凍庫で凍らせることで、水の温度を下げて、風を冷やす仕組みだ
 本機ではもう1つ、風を冷やす仕組みとして、「冷却タンク」が2つ付属する。この冷却タンクというのは、いわゆる保冷剤が入ったプラスチック容器で、使用前に冷凍庫で凍らせてから水タンクに入れる。そうすることで、水フィルターを濡らす水の温度を直接下げて、通過する風を冷やそうというわけだ。こうした仕組み上、ある程度水フィルターの面積が必要で、本機が大型になるのも避けられないのだろう。

 本機の動作モードは送風モード(冷風スイッチがOFFの状態での運転)と、冷風モード(冷風スイッチがONでの運転)があるが、冷風モードで運転する前には、必ず本体下部にある水タンク(容量8L)に水を入れておかねばならない。水タンクは取り外しできないので、やかんのようなものを使って、直接水タンクに注入する。

 もちろん気化熱を利用するため、水は徐々に蒸発していくから、一定以下の水量になったら補充する必要がある。逆に、一定期間以上、使わずに放置すると水タンクの水が腐る可能性があるので、水抜きして、新しい水に入れ替えねばならない。このあたり、メインテナンスフリーとはいかない点に注意が必要だ。

 本機のON/OFF、冷風モードのON/OFF等の操作は、すべて本体上部に用意されたボタンスイッチで行なう。スイッチは、タイマーボタン(1、2、4、8時間後にオフの設定)、風量/入りボタン(OFF、弱風、中風、強風の切り替え)、リズム風/おやすみボタン(特定のパターンで送風に強弱をつける)、切りボタン(停止)、冷風ボタン(冷風モードのON/OFF)、オートルーバーボタン(扇風機における首振り運転と同じ)、マイナスイオンボタン(マイナスイオン効果のON/OFF)の7つがある。それぞれに対応した表示ランプがあるため、見た目はかなり賑やかだ。


タンク内に水を入れる注ぎ口。タンクは取り外しできない
普段は閉じておくことができる
操作ボタンは計7個。正面にそれぞれの表示ランプがある

 実際に本機を使ってみてまず気づいたのは、これらのボタンによる設定を一切覚えてくれないことだ。つまり、いったん停止させると設定はすべてリセットされてしまうので、運転のたびごとに設定しなおす必要がある。

 また、フィルターに風を通すという原理上、ある程度仕方がないのかもしれないが、運転音も静寂とは言えない。風量が弱風の設定ならそれほど気にならないが、中風や強風ではゴーゴーとかなり音がする。リズム風やおやすみモードは、一定のパターンで風量を変化させるものだが、中風以上の風量になって欲しくないので、結局リズム風機能を使わず、常時弱風運転することになってしまった。

 とはいえ、気化熱により自然な冷風を得るというアイデアには、評価すべきところも多い。動作そのものが省エネ(消費電力は強風運転時で60~63W)であり、エアコンのように運転による都市熱の発生を伴わない。人間に対してのみならず、地球温暖化にもやさしい冷房器具であることは間違いない。ウチの猫も、ノイズの少ない弱風運転であれば、本機を利用することに文句はないようだ。

 本機の運転により、どうしても室内の湿度が上昇することを考えると、湿度が気になる新築マンション(コンクリートが完全に乾くまで、数年かかる)にはあまり向かないし、結露の可能性を考えてもPCを設置した部屋で利用することは避けた方が良いと思われる。が、寝苦しい夜に寝室で利用するには、悪くない。地球温暖化に(大きく)荷担していないと思えば、夢見もいいかもしれない。





URL
  森田電工株式会社
  http://www.moritadenko.co.jp/

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2007/07/04 00:00

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