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やじうまミニレビュー
MOIXA ENERGY「USB CELL」

~USB端子で充電できるニッケル水素充電池
Reported by 本誌:伊達 浩二

「USB CELL」
 一般に、ニッケル水素充電池は、充電器とセットでなければ使用できない。

 しかし、充電器の一部にはPCなどのUSB端子を電源とするものもある。それならば、いっそ充電池の一部にUSB端子を作ってしまい、そこから充電してしまえば充電器はいらなくなるのではないか。そんな発想で生まれたと思われるのがMOIXA ENERGYの「USB CELL」という製品だ。

 MOIXAは、英国の会社で、USB CELLは昨年9月頃に発表された。価格は2本セットで10.99ポンド、日本円で約2,300円ほどだった。ただし、直販サイトは英国内限定だったため、日本国内からは購入できなかったのだ。

 今年の5月中旬に、ようやく楽天市場で販売が開始されたので、飛びつくように購入した。価格は、2本セットで2,499円、2セット計4本の購入価格は送料込みで5,397円だった。


 到着したパッケージは、英語版のブリスターパックそのもので、それに日本語の簡単な説明がシールで貼られている。価格設定や、この取扱説明書の作りからみても、この製品が一般向けというよりは、新しい物が好きな愛好家向けのものであることがわかる。


キャップを外した状態で封入されているので、ブリスターパッケージの外からでも特徴がわかる パッケージ背面。日本語の表記は最低限の危険告知のみ 2セット4本を購入した

 USB CELLに対する疑問の1つがキャップの構造だった。Webサイトの写真を見ると、USB CELLの電池の+極の部分がキャップになっており、それをはずすと、USB端子が表われる。

 ところが、USB端子に差しているときも、キャップは本体から外れることなく折れ曲がっているのだ。関節のようなものは見えないので、どうやって本体とキャップがつながっているのか疑問だったのだ。

 現物を見てわかった答えは、USB CELL本体とキャップの間が、細いゴム紐で結ばれていたのだった。キャップからは電極が伸びており、それを本体の穴に差し込むようになっている。キャップを抜き差しするときは、いったんゴム紐を引っ張って伸ばすことになる。紛失防止には有効な手段だが、なかなか豪快な仕様だ。経年変化などを考えると、日本企業では採用しにくい仕様だろう。


キャップと本体はゴム紐で結ばれている 別の角度から 緑色のキャップに左端にあるのが電極、これが本体の溝に差し込まれて通電する

 キャップを抜き差しするということで、電池の太さが一般的な乾電池と異なるのではないかと思い、ナショナルのアルカリ乾電池と、代表的なニッケル水素用充電池である三洋電機のエネループ(eneloop)と比べてみた。その結果、USB CELLは、ごくわずかだが全長が短い。ただし、ほとんどの乾電池使用機器は、電極の部分にバネを入れているので、ほとんど問題はないだろう。太さはほとんど同じと言ってよい。


左のアルカリ電池やエネループに比べると、やや背が低い 太さはほとんど変わらないが+極の電極の大きさはさまざま

USB CELLの電圧は1.354Vだった
 USB CELLの公称電圧はニッケル水素充電池としては一般的な1.2Vだ。実測してみると、満充電時で1.354Vだった。同時に測った、アルカリ乾電池は1.587V、エネループは1.420Vだ。エネループは一次電池の代換えとして使われることを考慮して、やや高めになっているのだろう。

 USB CELLの容量は、USB端子部分にスペースを取られているためか、公称1,300mAHと小さい。ちなみにエネループはtyp容量(実力容量)で2,000mAH、min容量(最小容量)で1,900mAHだ。


充電中はLEDが点灯する。(※撮影用にUSBハブを使用していますが、実際は使用できません。詳しくは本文を参照してください)
 充電中は、本体側面にあるLEDで充電状況が表示される。充電中が始まると点灯し、一定の水準まで充電されると点滅を始め、最後に消灯する。

 なお、本体には記されていないが、販売店のサイトでは「充電はパソコンのUSBポートから直接行なってください」と注意されている。さらに、パソコン本体に接続した場合でも「一部のパソコンではUSBポートの電源容量が少ないために、正常に充電できない場合があります」とも書かれている。

 痛いのは、「USBハブ、USB-ACアダプタでの充電は行なわないでください」と念押しされていることだ。PCのUSB端子は、4個から6個ぐらいが主流だが、それが全部空いていることは少ない。あまり多くの本数を一度に充電することは難しそうだ。

 なお、実際に4ポートのUSBハブに4つのUSB CELLを接続して充電してみたところ、USBハブ本体は手が触れられないほど高温になり中止せざるをえなかった。禁止されているだけの危険はあるので、PC本体での充電に限ったほうが良いだろう。

 充電時間は、USBを使用した場合で5時間、ニッケル水素充電池用の充電器を使用した場合で7時間とされている。パッケージから出した状態で、USB端子で4本を充電したところ、4~6時間程度だった。三洋電機のニッケル水素用充電池用充電器「NC-MR58」で試したところ、こちらでも問題なく充電できた。

 USB CELLをソニーのウォークマン用アンプ内蔵スピーカーや、任天堂のゲームボーイカラーなどで使ってみたが、とくに問題なく使用できる。充電方式をのぞけば、ごく普通のニッケル水素充電池なので当たり前かもしれない。


Wii本体背面のUSB端子には2つ差すことはできない。USB CELLの本体がはみ出していることがわかる
 次に、Wiiのリモコンに使うことを考えた。Wiiは背面に2つのUSB端子がある、リモコンに使う単三電池も2本なので、4本用意しておき、交互に使用するとちょうど良いだろうというもくろみだ。

 結論から言うと、USB CELLをWiiのリモコン用の電池として使用できる。ただし、Wiiではバッテリの残容量の目安は4段階で表わされるが、満充電時でも3段階目までしか行かない。

 さらに残念なことに、Wiiの背面のUSB端子ではUSB CELLを2つ同時に充電することができない。WiiのUSB端子は、縦に2つくっついた形で並んでおり、USB CELLを1つ差すと、もう1つのUSB端子はふさがれてしまうのだ。USB延長ケーブルを使うという手はあるが、そこまでするぐらいなら、USBを使った充電器を使う方が良いだろう。


 USB CELLの特徴はなんといっても、その充電方式と、それを実現した仕組みにある。入手して、仕組みを見るだけでもかなり楽しかった。

 しかし、USBハブ経由で充電できないと言うことで、かなり用途が制限されてしまう。せめて、USB-ACアダプタが使えると用途が出てくるのだが、現状ではワイヤレスマウス用の電池など限られた用途でしか実用的に使えないだろう。

 また、代表的なニッケル水素充電池である、三洋電機のエネループ単三型2本とUSB充電器のセット「N-MDU01S」が2,000円前後で買える。それと比べても、USB CELLの価格設定は高く、コストパフォーマンスは低い。実用性だけを考えればエネループを買った方が良いだろう。

 結論として、USB CELLは、新しい物が好きで製品の仕組みや技術に興味がある方が、ホビーとして購入するのが一番良い用途だろう。個人的には、いろいろ楽しませてもらったので、この価格は十分に元が取れたと思っている。





URL
  MOIXA ENEGY(英文)
  http://www.moixaenergy.com/
  製品情報(英文)
  http://www.usbcell.com/

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三洋電機「USB専用充電器セット N-MDU01S」(2007/05/22)




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2007/06/04 00:00

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