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家電製品ミニレビュー ナショナル「ドルツ・リニア音波ハブラシ イオン EW1045」
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~小回りの利くブラシとハイパワーのモーターで爽快感アップ
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Reported by
本誌:伊藤 大地
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ドルツ・リニア音波ハブラシ イオン EW1045
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「ドルツ EW1038」の購入以来、絶対に手放せないグッズの1つとなった電動歯ブラシ。それ以前は、電池駆動の安価な製品のイメージが強く、電動歯ブラシに対しては懐疑的だったのだが、音波電動歯ブラシの磨き心地に魅せられてしまったのだ。それからというものの、1泊の出張にさえも必ず持ち歩くほど、気に入って使っている製品だ。
6月1日、待望の後継機種となる「ドルツイオン EW1045」が発売になったので、さっそくその使い心地をレポートしたい。価格はオープンプライス。Amazon.co.jpでは17,800円で販売されているようだ。
EW1045のレビューに入る前にまず、電動歯ブラシ一般について、簡単に説明しておきたい。
電動歯ブラシのレビューでは、毎回のように説明しているが、電動歯ブラシには大きく分けて、2つの種類がある。音波式と通常の電動式だ。
電動歯ブラシはその名の通り、電気の力でブラシを振動させて歯を磨く機械だが、その性能を比較する際、一般的な目安として用いられるのが、1分あたりのヘッドの振動数だ。より細かく、速く振動させれば、それだけ歯垢を除去できるからだ。音波式では1分間に1万回以上の振動数がある。一方、普通の電動式では、モーターの回転をそのままヘッドに伝えているため、振動数が少ない。
音波式は高価で、下は3,000円から、上は2万円近くするものもある。一方、2,000円以下の安価なものはほぼすべて、電動式と思ってよい。価格面もさることながら、前述のように、ブラシを振動させる基本性能が決定的に違うため、この両者は同じ「電動歯ブラシ」といっても、まったくの別物だ。
ナショナルのドルツシリーズは、音波式の電動歯ブラシで、その中でも今回レビューするEW1045は最高峰のモデルに当たる。
操作はEW1038と同じで、電源ボタンを押すたびに「パワフル」→「ソフト」→「マッサージ」と切り替わっていく。「マッサージ」は、強い刺激と弱い刺激が交互にくるモードで、歯茎のマッサージに使う。充電時間は12時間。動作時間は60分だ。
EW1045の振動数は、横方向で1分間あたり約31,000回。ブラシの振れ幅は最小で約0.7mmとなっている。なお、従来機種では縦・横・ななめ、合計8方向にヘッドが動くという「マルチアクション」をウリにしていたが、EW1045にはその記述は見られない。スペックシートにも横方向の振動数のみが記されている。
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本体
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充電台
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充電台には本体のほか、2本のブラシを収納できる
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電源がリチウムイオン電池に変更された
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本体底面。充電は無接点で行なう
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インジケータ
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パッケージ
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本体裏に搭載された「イオンパネル」
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パッケージ同梱のブラシスタンドと、カーブネックブラシ2本、シリコンブラシ1本
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カーブネックブラシ。ブラシ先端が山切りカットになっている
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歯茎をマッサージするのに使うシリコンブラシ
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ブラシ根本にイオンを放出する金属片が付いている
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ここだけを見ると、EW1045でスペックダウンしたように見える。そこで登場するのが、今回、新たに追加されたイオン放出機能だ。
本体の背面とブラシの根本に金属の板を設け、微弱電流を流し、歯と歯垢の結びつきを弱める仕組みだ。なんでも、歯垢や歯垢の元となる最近には静電気が発生しており、ごくごく微弱ながら、プラスに帯電しているのだという。マイナスに帯電したヘッドが、プラス帯電した歯垢や細菌を吸い寄せるというわけだ。
EW1045とEW1044の「ドルツイオン」シリーズに対応した替えブラシには、みな、ブラシの根本部分に小さな鉄板が入っている。従来のブラシも使用できるが、その場合、ブラシ根本の鉄板がないのでイオン機能は使えないことになる。
もう1つの目玉が、内蔵充電池をニッケル水素からより出力の高いリチウムイオンへ変更し、それに伴い心臓部となるリニアモーターの出力を、従来機より60%アップさせたことだ。
この2つの新機能についてだが、正直なところ、イオン機能は磨き心地など体感では効果測定が難しいのでここではコメントは控えたい。ただ、この機能を搭載した意義は、決して小さくないと思っている。
というのも、これまで、高級電動歯ブラシでは、モーター性能やヘッド振動数、ブラシ形状など物理面でスペックを競ってきた。そこに、「ドルツイオン」が化学の要素を持ち込んだことになる。洗濯機におけるオゾンや銀イオン、空気清浄機におけるOHラジカルのように、高機能化が著しい製品ジャンルと化学の導入には深い関係がある。今後の電動歯ブラシの進化に、大きな影響を与えるかもしれない。
一方、ユーザーにもそのメリットがはっきりとわかるのは、後者の出力アップの方だ。EW1038と比べて使うとその違いをはっきりと感じ取ることができる。
EW1038を使っていた際、奥歯や奥歯同士の歯間、八重歯の脇など細い隙間を磨くときに、磨きたい部位以外のところにブラシが当たることがよくあった。こうなると、本当に磨きたい部位に十分にブラシの振動が伝わらず、効率が悪くなってしまう。これが、EW1045だと、トルクが高く、ある程度の負荷をかけてもヘッドの振動が止まらないため、細かいポイントもよく磨ける気がする。EW1038を使っていたときは、特に不便に思わなかったが、EW1045を使うことによって、「ああ、うまく磨けていなかった部分もあるのだな」と気づかされた。
もう1つ、細かい部分が磨きやすくなった理由として、ブラシの形状変更が挙げられる。EW1038で標準のブラシとなっていた「マルチキャッチブラシ」に比べ、EW1045の「カーブネックブラシ」は、ヘッド先端が一回り小さい。また、「カーブネック」の名の通り、マルチキャッチブラシに比べ、ネックが弧を描いた形状になっている。
トルクアップしたモーターに、小回りの利くブラシ。この2つの変更により、EW1038とEW1045は、全く違う製品といってもいいほど、磨き心地が異なる。自動車に例えるならばセダンからツーシーターのスポーツカーに乗り換えたような感覚で、爽快感がかなりアップした印象だ。
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カーブネックブラシ(左)とマルチキャッチブラシ(右)との比較
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カーブネックブラシ(左)はわずかにネックが弧を描いている
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カーブネックブラシ(左)の希望小売価格は1,575円。マルチキャッチブラシ(右)は1,155円
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EW1045(左)とEW1038(右)
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カーブネックブラシの方がヘッドの大きさがわずかに小さい
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カーブネックブラシ(左)にはイオンパネルが付いている
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デザインも異なる。EW1045(左)の方がよりスマートな印象
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EW1045(左)にはイオンパネルがある
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本体形状も異なる
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気を付けたい点は、イオン機能搭載により、替えブラシが若干高くなった点だ。EW1038の替えブラシ、マルチキャッチブラシ2本セットの希望小売価格は1,155円。Amazon.co.jpでは830円で販売されている。一方、EW1045のカーブネックブラシは希望小売価格が1,575円。Amazon.co.jpでは1,420円だ。
もっとも、ブラウンの替えブラシが2本で2,000円前後、ソニッケアーが2本で5,000円以上することを考えると、今回の価格アップ以後もなお、ランニングコストはライバルよりも優れていることに変わりはない。
本体価格が1万円を大きく超えるので購入を躊躇する人もいるだろうが、その価値はあると断言できる。これまで電動歯ブラシを使ったことのない人はもちろんとして、現在安価な電動歯ブラシを使っている人、かつての私のように電動歯ブラシに懐疑心を抱いている人に、是非使ってみてほしい製品だ。
■URL
ナショナル(松下電器産業株式会社)
http://national.jp/
製品情報
http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=EW1045
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2007/06/01 00:01
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