● ええっ!? LEDのMAGLITE?
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光源部に高輝度LED(3W)が採用されたMAGLITE LED。写真は3AAタイプ(単三形乾電池×3本タイプ)。専用ケースが付属する
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家電Watch編集部から「貴様はこのテの製品が好きであろうから触ってみてレポートとかしてみなはれ」といった旨のメールが届き、直後、そのテの製品が送られてきた。
ンがンぐッ!! こここ、これはッ!! マグライト(MAGLITE)のLEDバージョン!! ……説明しよう!! マグライトとは!! MAGLITE社が作ってる金属ボディで超頑丈で明るいけれどシンプルであるという誰もが知ってる懐中電灯なんでした、って誰もが知ってんなら説明しなくていいじゃん>俺。
さておき、そのマグライトの光源パーツに白色LEDを採用したマグライトがコレ「MAGLITE LED」。従来のマグライトには、光源としてフィラメントバルブが採用されていた。普通一般の懐中電灯と同じ類の電球ですな。
以前はそーゆーフィラメントバルブ採用のライトを不自由なく使ってきたわけだが、白色LEDの登場・低価格化で、最近はいわゆる懐中電灯の類に白色LEDを採用するケースが非常に多くなった。フィラメントバルブと比べると、白色LEDは消費電力が少なく、光源寿命が長く、照らす対象の色がより自然に見えるからだ。
で、このMAGLITE LEDも、そういう時代の流れに従ってか、マグライトの1つの特徴でもあったフィラメントバルブを白色LEDに置き換えて登場してきた。以前からマグライトの白色LED化もプチ流行っていたので、白色LEDを意識するマグライトファンにとって、MAGLITE LEDはかなり気になる製品とも言えそう。なので、早速MAGLITE LEDの性能・使用感についてレポートしてみたい。
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MAGLITE LEDのパッケージ。電池も付属する
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従来の2AAタイプなどのマグライトに採用されているフィラメントバルブ。フツーの電球と同じ原理で発光する
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MAGLITE LEDに採用されたLED部。黄色く見えるのがLEDだ。レンズ状の樹脂(!?)に覆われている。その下部にLED発光のための回路が潜んでいると思われる
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● 非常に明るい!! けど高い!!
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上が従来の2AA(単三形乾電池×2本)タイプのマグライト、下が3AA(単三形乾電池×3本)タイプのMAGLITE LED。細身で長~い、新しいスタイルのマグライトだ
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編集部から送られて来たのは、MAGLITE LEDシリーズのMINI MAGLITE LED 3 Cell AA。単三形乾電池×3本のタイプですな。マグライトのAAタイプ(単三形乾電池採用タイプ)としてはミョーに長く(全長218.3mm)、新手のAAタイプマグライトというイメージだ。
早速点灯させてみると、まず、ヒッジョーに明るい。手持ちの“自分で白色LED化したマグライト(2 Cell AAタイプ)各種”と比べると、ダントツの明るさであった。ま、単三形乾電池×3本(MAGLITE LED)と、単三形乾電池×2本のタイプを比べているので、前者が勝って当然という気もする。
これはやはりタイプを揃えてガチンコ勝負でしょ!! というタテマエを緊急開発し、実は「MAGLITE LED萌え~!! もっと携帯に便利なタイプが欲しぇーッ!!」という動機にて、単三形乾電池×2本タイプのMAGLITE LEDを速攻で買いに行った。ちなみに、MAGLITE LEDは現在5種類あるようだ。
で、買いに行って気づいたんスけど、MAGLITE LED、高いっス。オンラインショップでは、単三形乾電池×3本タイプ(MINI MAGLITE LED 3 Cell AA)が7,000円。単三形乾電池×2本タイプが6,500円。拙者が行ったアウトドアショップでも、これと同じ値段で売られていた。
フィラメントバルブを採用した単三形乾電池×2本タイプことMINI MAG AAは3,360円。マグライトを白色LED化するパーツは、モノによるが、1個2,000円前後で買える。そーゆーコトを考えると、MAGLITE LED、なーんか高過ぎる価格設定のような気が……とか思いつつも購入し、帰宅。早速、手持ちの白色LEDライトとMAGLITE LEDを比べてみた。
手持ちの白色LEDライトは、単三形乾電池×2本タイプのマグライト(MINI MAGLITE LED 2 Cell AA)に市販の白色LEDパーツを装着したもの。買ってきたMAGLITE LEDは単三形乾電池×2本タイプ。電源が同じで、明るさなどにどんな差がでるかナ、ということである。
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発光部をLEDパーツに交換した改造型マグライト各種。LEDパーツによって明るさや色、焦点調節の良し悪しに違いがある
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2AAタイプのMAGLITE LED。外見は従来のマグライトとほどんど同じ。電池および専用ケースが付属してお値段6,500円であった
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TerraLUX社製の白色LEDパーツを装着した従来型マグライトは、MAGLITE LEDに迫る明るさだった
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結論から言えば、手持ち白色LEDライト類のうち、MAGLITE LEDに近い or 同等と思われる明るさのものが一本だけあった(TerraLUX社製のパーツを用いたもの)。が、たいていはMAGLITE LEDの方が明るいと感じられ、モノによってはMAGLITE LEDと比べるまでもない暗さだったりした。
それから、焦点調節について、MAGLITE LEDは他のライトよりも滲みや明るさの差が少ない調節ができた。より自然にスポットビーム~ワイドビームまでを調節できることについては、フィラメントバルブを採用したマグライト(単三形乾電池×2本タイプ)よりも良好だと感じられた。
というわけで、マグライト好きな俺=MAGLITE LEDに対してやや好意的になるかもしれないが、俺的結論を言えば、高いなりのコトはあるヨ、と。白色LED化パーツとフィラメントバルブのマグライト買って自分で白色LED化するより、最初からMAGLITE社純正の白色LED版マグライト買ったほーが何かと満足感が高いかもしれない。
● MAGLITE LED の残念感
ぶっちゃけた話、今後マグライトを買うなら白色LED採用バージョンことMAGLITE LEDにしようと思った俺。だが、細かいコト考えると、従来のフィラメントバルブ採用版マグライトのほーが良かった点もいくつか。
MAGLITE LEDについて、残念な点がいくつかある。1つは全長。単三形乾電池×2本を電源とするタイプで、フィラメントバルブ版とLED版を比べると、約2cm、LED版の方が長い。これは恐らく、内部のLEDパーツサイズからくる仕様だと思うが、よりコンパクトなライトを求めちゃうと、フィラメントバルブ版の方が魅力的ですな。ま、2cmっすけどね。
もう1つは、これまた細かいコトだが、フィラメントバルブ版マグライト(つまり旧来型マグライト)のAAタイプ(単三形乾電池採用タイプ)やAAAタイプ(単四形乾電池採用タイプ)にあった、本体後方のストラップ穴がなくなったこと。あのストラップ穴がナイってコトだけで、購入対象から外しちゃう人もあるのでは、と思う。ポケットサイズのマグライトにおいて、こういう仕様に少々疑問が残る。
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同じ2AAタイプでも、MAGLITE LED(上)と旧来版(下)とでは長さが少々異なる。新しいのはちょいと長くなっている
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左が旧来のマグライト、右がMAGLITE LED。ストラップ穴がなくなっちゃってるヨ
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一瞬、旧来のマグライトのストラップ穴部分(電池蓋部分)を、MAGLITE LEDに移植すれば!! とか思って試した。が、装着可能ではあるものの、そのままで移植してもライトが点灯しない。てのは、電池蓋部分の構造が、旧来タイプとLEDタイプではけっこー異なるからだ。
旧来タイプは、電池蓋部のネジ山がそのまま電極の接点として機能していた。が、LEDタイプは、ネジ山部が接点でなくなり、ネジ山のさらに奥に接点が設けられた。ので、旧来タイプの電池蓋をLEDタイプの本体に装着すると、まず電池がしっかり押さえられない=点灯しない。旧来タイプの電池蓋部にあるバネを強引に伸ばすなどする工夫が必要だ。
ただ、バネ伸ばしただけじゃダメでした。それは、LEDタイプの本体側も電池蓋側も、ネジ山部にまで外装と同様の塗装処理が施されているためだ。つまり、塗装被膜により通電しない。旧来タイプの電池蓋をLEDタイプに移植する場合、バネを伸ばして、かつ、LEDタイプ本体側のネジ山部の塗装を金属ブラシなどで剥がす工夫(ていうか加工)が必要だ。
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左が旧来のマグライト、右がMAGLITE LED。電池蓋部の長さと構造が異なる。ので、そのままでは互換性がない
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左が旧来のマグライト、右がMAGLITE LED。本体電池室内側・電池蓋装着部が微妙に異なる。MAGLITE LEDでは、本体側のネジ溝部まで塗装が施されている
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左が旧来のマグライトの電池蓋、中央が旧来のマグライト向けのスイッチパーツ、右がMAGLITE LEDのLED電池蓋。新旧のマグライトでは電池蓋の構造が異なるので、これまであったサードパーティ製パーツが使えないケースが多そうだ
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ってマニアックなコト言ってる感じだが、しかし、この電池蓋部の仕様変更により、旧来タイプのマグライト用として売られているサードパーティ製パーツの多くが使用不能(or加工必要)になると思われる。例えば、マグライトの電池蓋部分に取り付けて、ON/OFFスイッチとなるようなパーツは、そのままでは電池蓋としてもスイッチとしても機能しない───そのままLED版本体に装着すると、内部で電池が固定されず、また、スイッチも効かない(点灯不能)。
なお、旧来タイプのマグライトには、電池蓋内に予備フィラメントバルブが内蔵されていたが、LEDタイプにはそーゆーエクイップメントはない。ま、LEDユニット自体が高価なんでしょうし、バルブみたいなサイズじゃないからでしょうな。
● MAGLITE LEDは定番化!? ラインナップを豊富に!!
従来のフィラメントバルブ採用のマグライトと比べると、新たに出てきたMAGLITE LEDには、多少の買いづらさが残るところ。まず高価であること。たかがライトされどライト、の“されど派”でも、従来品の約2倍のお金をスッと出す人は……。また、マニアックな観点で見れば、市販のサードパーティ製パーツが使えないケースもありがちなのはやはり残念であり、購入をためらわせる1つの要因になるだろう。
ただ、その性能については、一度触れてみれば誰もがそのクオリティに頷くのではないかと思う。ま、明るさだけ考えれば、もっとド超明るい白色LED採用ハンドライトもあるわけだが、MAGLITEというブランドをしっかり引き継ぎつつ、性能面でも現代的なライトとして納得できるあたり、老舗の意地が感じられたりする。
MAGLITE LED、使い始めたばかりなので、電池持続時間がどのくらいなのか、みたいなテストはできなかったが、ま、たぶん、今後の定番マグライトになるんでしょうな。頑丈さシンプルさは従来モデル通りだし、光源寿命は1万時間───毎日1時間点灯しても1万日大丈夫=約27年球切れしない───毎日6分だと270年くらい……すなわち“1本買えば一生使えるマグライト”という魅力は変わらないのであった。
でも、まだラインナップが少ないですな。電池タイプにして、単一形乾電池タイプと単三形乾電池タイプで合計5種類しかない。色もまだ少ない。従来タイプのマグライトのラインナップは、電池タイプで単一、単二、単三、単四があり、合計11種類あり、タイプによってはカラーも豊富だ。全部とは言わないが、単四形乾電池採用のSOLTAIREやMINI MAG AAAあたりのLED版を、ぜひ速攻でサクッと開発・発売して欲しい。
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単四形乾電池×1本で使えるSOLTAIRE(下の2本)。キーホルダーに吊しておくと便利なのだ
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MINI MAG AAA(下の2本)。単四形乾電池×2本で使える。セカンドバッグなんかにスッポリ入りつつ、光量も十分にある
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手持ちのマグライトの一部。何だか思わず買っちゃうマグライト。キミだって何本もマグライトを持ってるハズ!?
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■URL
MAGLITE 公式サイト
http://www.maglite.ne.jp/
MINI MAGLITE LED 3 Cell AA 製品情報
http://maglite.econe.jp/product/led3a/
MAGLITE オンラインショップ
http://maglite.econe.jp/
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■URL
マグライトを白色LED化するパーツを使ってみた(ケータイ)
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/29323.html
2007/02/15 00:00
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