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パナソニック、高い火力を維持するIH炊飯器

~吹きこぼれを内蔵のファンで吹き消す新機構を搭載

SR-SJ101
 パナソニックは、沸騰時の吹きこぼれをファンで吹き消すIH炊飯器「SR-SJ」シリーズ機種を6月1日より発売する。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は5合炊きの「SR-SJ101」が10万円前後、1升炊きの「SR-SJ181」が10万5千円前後。

 同社の炊飯器のラインナップで、最上位機種となるモデル。加熱方式は、6段階のIHヒーターを採用している。


本体正面
上面の操作部分。なだらかなカーブを描いているのが特徴
内蓋部分

釜内部。加熱方式は6段階のIHヒーター 釜の周りはフラットになっている
IHヒーターの模型

 同社の炊飯器では、かまどでの炊飯方式を目標としている。SR-SJシリーズではかまどによる炊飯に近づけるため、従来機種に比べ約1.5倍の高い熱量が特徴。

 かまどで米を炊く際は、高い火力により中身が沸騰して、吹きこぼれていてもそのまま熱を加え続けている。米は連続的な沸騰により、α化(糊化)が進み、芯からふっくらとした炊き上がりになるという。かまどの沸騰維持状態を炊飯器で再現しようとした場合、まわりに吹きこぼれてしまうため、吹きこぼれる直前に火力を弱めていた。

 SR-SJシリーズでは、沸騰状態を維持するために、吹きこぼれを消す「シロッコファン」を上部のフタ部分に設けた。これは内部から吹き上がってくる泡をファンの送風によって消すことで、強い火力をそのまま維持できるというもの。沸騰状態を維持することで、米の旨み成分は従来機種に比べ約10%向上したという。


かまどの炊飯方式を基に開発を進めた 沸騰による吹きこぼれをファンで消す 火力を弱めずに炊くので熱量は従来機種の約1.5倍となっている

SR-SJ101のスケルトンモデル シロッコファンは蓋の内側に設置されている
側面から見たところ

吹きこぼれのメカニズムをコップで実験した様子。送風によって吹きこぼれを抑えることができる

 またシロッコファン搭載により、本体上部から発生する蒸気の温度を下げる効果もあるという。ファンが蒸気と外部の空気を混合させるため、蒸気の排気温度は約50℃以下に抑えられる。そのため、炊飯中の周辺温度が著しく上がることを防ぎ、結露を低減する効果もあるという。


蒸気の温度を測った実験。右のSR-SJ101は30℃、左の同社従来機種SR-SW103の蒸気の温度は55℃になっている 蒸気温度が高いと結露が発生する 蒸気温度が低いSR-SJ101では結露ができていない

 蒸らし工程にも新たな機構を搭載した。

 従来機種では、米の旨みを引き出すために蒸らし工程で、130℃の水蒸気を釜内に投入していた。蒸らし工程で投入するスチームは専用の水容器から給水し作成するため、炊飯のたびに水を給水する必要があった。SR-SJシリーズではフタ部分に「スチーム循環ポンプ」を設け、給水なしで、スチームを発生する機構を搭載した。

 スチーム循環ポンプは、釜内部で発生する蒸気を吸い上げ、フタ内部で約130℃まで加熱して、再び釜内部に循環させるというもの。100℃前後の蒸気を利用するため、蒸気による加熱スピードが従来の約2倍になったほか、循環時間も約1.4倍に向上した。また、従水を加熱して水蒸気を作る従来方式に比べ、使用電力が少なく1割程度の省エネ効果もあるという。


循環スチームポンプは蓋部分に内蔵されている 従来機種「SR-SV」シリーズの蓋を開けた状態。スチーム加熱のための給水口が設けられていた SR-SJシリーズでは給水口がない

スチーム循環ポンプによって効率的なスチーム加熱ができるようになった 従来はスチーム加熱のために毎回給水する必要があったが、SR-SJシリーズでは給水の必要がない 3つの炊飯工程により米の旨みを引き出すことができるという

 内釜には、表面にダイヤモンドフッ素加工を施した「大火力竈釜」を採用。備長炭加工のほか、断熱材に2種類のセラミックス、発熱材にアルミとステンレスを使用した6層の釜となっている。


大火力竈釜
内蓋はワンタッチで外せるようになっている

 炊飯メニューでは、従来機種で好評だった「かまどおこげ」コースを搭載。おこげの濃さは、従来では2段階だったが、SR-SJシリーズでは「淡/中/濃」の3段階用意されている。また保温中のお米のパサつきを抑える「スチーム保温」も搭載している。


炊きあがりの米
かまどおこげ「濃」で炊いた米 「かまどおこげ」中と濃の色味の違い

 SR-SJ101の本体サイズは、265×371×239mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は6.5kg。消費電力は1,210W。本体カラーはホワイトとマホガニーレッドの2色。

 また、内釜が異なる下位機種「SR-SK」シリーズ、2機種も同時発売される。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、5合炊きの「SR-SK101」が8万円前後、1升炊きの「SR-SK181」が8万3千円前後。

 なお、SR-SKシリーズでは音声ガイド、液晶部分のホワイトバックライトなども省略している。


製品ラインナップ右からSR-SJ101のホワイト、マホガニーレッド。一番左が下位機種の「SR-SK101」 システムキッチンやリビングに似合う色として人気のマホガニーレッドもラインアップされている




URL
  パナソニック
  http://panasonic.co.jp/
  ニュースリリース
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn090324-1/jn090324-1.html
  炊飯器関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/rice.htm

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( 本誌:阿部 夏子 )
2009/03/24 16:26

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