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ナショナル「SR-SV101」
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ナショナル(松下電器産業株式会社)は、新開発の内釜を採用したプレミアムゾーンの炊飯器「SR-SV」シリーズ2機種を2008年2月1日に発売する。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は5合炊きの「SR-SV101」が110,000円前後、1升炊きの「SR-SV181」が115,000円前後。
同社の炊飯器のラインナップ中、最上級の位置に属するモデル。「団塊世代の食へのこだわり」に応えるため、竈(かまど)による直火の炊飯を再現することを目指した。同社によると竈による炊飯は、羽釜、竈、炎の3つの要素で成り立っているという。
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本体の操作パネル
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竈(かまど)による直火の炊飯を再現することを目指した
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炊飯器において「羽釜」にあたるのは内釜だ。従来、同社の高級クラスの炊飯器では銅を内釜に使用していた。銅は発熱性が土鍋など非金属の素材に比べて高いが、蓄熱性は非金属に劣るという。竈の炊飯では、竈自体が羽釜を包み込むように加熱し、蓄熱性が高くなっており、炊飯器ではこの問題を解決する必要があった。
そこで、発熱性と蓄熱性を両立させるため、内釜の素材、工法を一から見直した。表面に凹凸を付けて、発熱効率を上げたステンレス素材の上に、潜水艇などに用いられる「高断熱中空セラミックス」と、スペースシャトルの技術を応用した「高硬度中空セラミックス」を焼き付け加工。金属と断熱材を組み合わせた内釜によって、発熱性と断熱性を両立させたという。
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内釜の工程は7段階に分かれる
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加工前の原材料。アルミ・ステンレスクラッド材
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加工する際に強度をあげる工夫がされている
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備長炭加工
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ダイヤモンドフッ素加工
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高発熱化表面加工
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高断熱中空セラミックス加工
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高硬度中空セラミックス加工
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フランジ磨き加工
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6段構成に改良されたIHヒーター
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さらに、「炎」にあたるIHヒーターは、従来機が5段構成だったのを6段に増やした。
この「羽釜」「竈」「炎」の3要素を竈の炊飯に近づけることで、「SR-SW」シリーズに比べ、炊きあがったご飯のふくらみが約10%向上しているという。
また、「おこげ」が楽しめる点も特徴。釜底の温度を180℃にし、きつね色のおこげを作る「かまどおこげ」モードと、釜底温度が165℃でうっすらと色づく程度に仕上げる「香りおこげ」モードの2種類を搭載する。
本体上端部には、炊飯中に吹き上げてくる「おねば」を受け止める「うまみキャッチャー」があるが、これも改良された。開閉を制御できる円形のフタを設けることで、釜内の温度低下や、スチームのモレを防ぎ、ご飯の甘みが増すという。
なお、従来機にもあった2段階の吸水を経て甘みやオリゴ糖を生成する「酵素活性浸水」機能や、スチームにより、保温したご飯を美味しく保つ機能、好みに合わせ「ふっくら」「しゃっきり」「もちもち」の3種類から炊きあがりを選択できる機能なども搭載する。
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2種類の「おこげ」を作ることができる
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スチーム機能によって、ご飯の甘さが増すという
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本体上部についている「うまみキャッチャー」
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炊飯器でお米を炊いた様子
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お椀によそった様子
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SR-SV101の本体サイズは293×364×223mm(幅×奥行き×高さ)、重量は6kg。最大消費電力は1,220W。
SR-SV181の本体サイズは319×389×254mm(同)、重量は7.3kg。最大消費電力は1,410W。
本体カラーは竈をイメージしたブラックの1色のみとなっている。
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ナショナル 高見和徳氏
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同社 ナショナルアプライアンスマーケティング本部 本部長の高見和徳氏は新製品の開発意図について、「サントリーのプレミアムモルツやANA(全日空)のスーパーシートプレミアムなど、いわゆる“プレミアム”製品が好調だ。こうしたプレミアム製品は機能だけでなく、“心に響く本質”が必要。団塊世代の食のこだわりに応える製品の開発を目指した」とコメントしている。
■URL
ナショナル(松下電器産業株式会社)
http://national.jp/
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( 本誌:伊藤 大地 )
2007/12/10 16:04
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