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パナソニック、LED照明「EVERLEDS」シリーズに約340品番を投入

~2012年度にはLED事業の売上比率を現在の5倍に拡大

 パナソニック電工は、同社が販売するLED照明器具「EVERLEDS(エバーレッズ)」シリーズの新製品を発表。住宅分野向け器具を約130品番、店舗・施設など非住宅分野向け器具を約210品番、計約340品番を今春より順次発売する。従来製品と合わせると約750品番となり、同社では“業界ダントツNo.1”の品揃えとしている。

 住宅向けの製品としては、ダウンライトやスポットライト、ペンダントライト/フットライト/ポーチライトなど、リビング・ダイニングや寝室など、さまざまな部屋での使用を想定したLEDライトを用意する。ダウンライトでは、業界初となる「高気密SB型」に対応する断熱施工タイプの60W形製品をラインアップ。独自のレンズ設計によって不快なまぶしさを抑え、白熱灯に近いやわらかい光が実現できるという。また、ライン型のペンダントライトは、高さ25mmというLED照明ならではの薄さとなっている。省エネ性能は製品によって異なるが、全体的には白熱灯の約80~85%に抑えられるという。

 施設・防災市場向けとしては、ベースライトやLED誘導灯を用意。ベースライトは、蛍光灯器具と比較して約26%の省エネを実現するとともに、4600lm(ルーメン)という「業界トップクラス」の光束を実現した。またLEDと電源ユニットは、寿命を迎えても交換可能なユニット型となっており、廃材を削減する効果もある。LED誘導灯は、業界最小となる消費電力2Wかつ60,000時間の長寿命となっており、水銀やカドミウムなどの環境負荷物質もゼロとなっている。

 店舗市場向けには、ダウンライトやスポットライトを用意。その中の150形ダウンライトは、1W当たりの発光効率が「業界最高」の80lmを誇っている。さらに、HID(高輝度放電ランプ)35形器具との比較であ約58%の省エネを実現しており、購入時の価格も2年で償却できるという。また、幅17mmのスリムなスリットダウンライトや、棚下用として埋込高25mmの薄型ダウンライトも用意されている。

 屋外市場向けには、水銀灯と同じ明るさで約70%の省エネを実現するLEDモールライトや、LED防犯灯などを用意する。


住宅分野向けが約130品番、非住宅分野向け約210品番の新製品を投入する 業界初となる、高気密SB型に対応する断熱施工タイプの60W形住宅向けLEDスポットライト(右)。写真ではわかりづらいが、独自のレンズ設計によってまぶしさを抑えることで、白熱灯に近いやわらかい光が特徴となる 高さ25mmという「超薄型」のラインペンダント

ベースライトは、蛍光灯比で約26%の省エネと、光束4600lmという「業界トップクラス」の光束が特徴。LED・電源は交換可能なユニット型となる 消費電力2Wかつ60,000時間の長寿命を実現したLED誘導灯。環境負荷物質もゼロとなる 店舗向け製品では、1W当たりの発光効率が“業界最高”の80lmを誇る150形ダウンライトをはじめ、幅17mmのスリットダウンライトなども用意

こちらは、棚下に取り付けて利用する埋込高25mmの薄型ダウンライト 屋外市場向けでは、水銀灯と同じ明るさで約70%の省エネを実現するLEDモールライトや、LED防犯灯などを用意 こちらが、LEDモールライト。LEDならではのデザイン性が特徴だ

いよいよ主照明にLEDが進出

パナソニック電工 専務取締役 電材マーケティング本部本部長 長榮周作氏
 パナソニック電工 専務取締役 電材マーケティング本部本部長、長榮周作氏は、発表会にて「2012年に照明全体の売り上げの中でLEDの販売比率を10%以上(現在の5倍)、金額で300億円に上げる」という目標を掲げた。この目標を実現するために4つの施策を用意し、積極的にLED照明をアピールしていくという。

 1つ目は、冒頭でも紹介した、約750品番という圧倒的な製品を用意するというもの。これによって、さまざまな需要に柔軟に対応できる製品体制を整える。

 2つ目は、LED推進組織の強化。2009年4月に、LED事業のマーケティング戦略を統括する「LED専任組織」の設立と、製造部門とマーケティン部門双方のメンバーを加えた「LED検討委員会」を設置するというもの。これによって、「市場のニーズを製販一体で共有し、いち早く新製品を開発し市場に送り出す」(永榮氏)ことが可能になるとする。

 3つ目は、東京都汐留の「パナソニックリビングショウルーム東京」を改装し、4月初旬に住宅分野・非住宅分野双方のLED照明専用ブースを設るというもの。『お家のあかりをまるごとLEDに』というキャッチフレーズのもと、リビングルームや子供部屋などにLED照明を設置した例を示す。さらに、オフィスや店舗、屋外などでのLED照明の利用を提案するという。

 4つ目は、集中的にプロモーション活動を行なうというもの。2009年3月3日から3月6日まで東京ビッグサイトで開催されている「ライティングフェア」を皮切りに、さまざまな展示会で製品をアピールするとともに、新聞や雑誌などでのプロモーションや、各種キャンペーンを随時行なっていく。

 このような強気の戦略を実施する背景は、LEDの効率が従来までの予想以上に向上して、適応範囲が着実に拡大してきているとともに、蛍光灯に勝る効率性の実現も十分視野に入ってきたからだ。


圧倒的な製品群を用意し、さまざまな需要に対応する LED専任組織の設立とLED検討委員会の設置で、市場ニーズを吸い上げ、いち早く新製品を供給する体制を整える

汐留のショウルームを改装し、住宅・非住宅分野でのLED照明の利用を積極的にアピールする 展示会や新聞・雑誌、各種キャンペーンでもLED照明をアピール

パナソニック電工 取締役 照明事業本部 本部長 松蔭邦彰氏
 パナソニック電工 取締役 照明事業本部 本部長 松蔭邦彰氏によると、ここ2~3年のLEDの効率向上は目覚ましく、「LED単体ではすでにトップの発光効率を実現」するに至っているとのこと。発光器具側のロスも含めた発光効率では、現在のところ蛍光灯を含めたインバータ器具に劣るものの、近い将来に抜き去ると予想。また、コスト面も大きく下がることが予想されており、「発光効率とコストの両面が解決されると、LED照明は照明市場の大きな勢力になる」(松蔭氏)という。

 松蔭氏は「今まさに、照明の本丸である主照明分野にLEDが入ってきた。国内外合わせて2010年に150億円、2012年に300億円というように、LED照明を一気に大きな事業に発展させていこうと考えている」と語り、業界をリードしていくために強気の戦略を実施する意欲を明らかにした。


LEDの発光効率が近年一気に向上し、主照明としての利用が本格的に開始するとの予測 発光効率のさらなる向上とコストダウンで、近い将来にはLED照明が主力になると予想 2010年に150億円、2012年に300億円と、LED照明の売り上げを一気に拡大するという目標を掲げる




URL
  パナソニック電工
  http://panasonic-denko.co.jp/
  「EVERLEDS(エバーレッズ)」約340品番発売 ニュースリリース
  http://panasonic-denko.co.jp/corp/news/0903/0903-2.htm
  住宅用 ニュースリリース
  http://panasonic-denko.co.jp/corp/news/0903/0903-3.htm
  施設・防災用 ニュースリリース
  http://panasonic-denko.co.jp/corp/news/0903/0903-4.htm
  店舗用 ニュースリリース
  http://panasonic-denko.co.jp/corp/news/0903/0903-5.htm
  屋外用 ニュースリリース
  http://panasonic-denko.co.jp/corp/news/0903/0903-6.htm

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( 平澤 寿康 )
2009/03/04 00:02

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