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シャープ、ネットワーク対応の太陽発電システム

~発電量や電気代がAQUOSで確認可能に

太陽光発電用カラー電力モニター「JH-RWL1」
 シャープは、業界で初めてブロードバンド通信機能を搭載した太陽光発電用カラー電力モニター「JH-RWL1」を開発。4月1日から発売する。JH-RWL1の希望小売価格は、10万800円。

 従来は、電力モニターでしか確認できなかった発電、消費、売買電力量などの太陽光発電システムの運転状況を、液晶テレビ「AQUOS」をはじめとするインターネット機能を搭載したテレビや、パソコンなどでも確認できるようにしたもので、発電データをもとに、環境家計簿も作成できる。


「JH-RWL1」に対応したマルチストリングパワーコンディショナー「JH-L8S3」
 2月発売しているマルチストリングパワーコンディショナー「JH-L8S3」、「JH-L8S2」に対応する。今後は同社の従来製品にも対応していく予定だという。

 モニターは、7インチのW-VGAサイズのTFT液晶を採用し、画面にはアニメーションやグラフを多用することで、視認性の高いものとしている。クロック周波数133MHzの32ビットCPUを搭載。64MBのフラッシュROM、128MBのSDRAMを搭載している。OSにはLinuxを採用している。

 また、太陽光発電以外の、燃料電池システムやガスコージェネレーションシステムといった外部発電設備の発電量の表示も可能となっている。

 一方、同社では、太陽光発電用カラー電力モニターの発売にあわせ、4月1日から、Webモニタリングサービスを開始する。ブロードバンド回線を介して、送信されたユーザーの太陽光発電システムの運転状況を、シャープのモニタリングセンターが見守り、発電診断を行なう。

 これまで同社では、電話回線を通じて発電量データなどを月1回取得し、希望者には3カ月に一度の診断レポートを提供していたが、Webを活用することで、一日4回、6時間ごとにデータを吸い上げ、精度と利便性を高める。同サービスで提供される発電診断レポートは、液晶テレビやパソコン、携帯電話で閲覧でき、運転開始時からの履歴データなどを参照できるほか、発電診断で異常が発生した場合にはそれを通知し、迅速なサービス活動につなげる。


リビングの液晶テレビ「AQUOS」に情報を表示
パソコンでも運転状況を確認できる 携帯電話での確認も可能

発電電力量計を別途購入することでグリーン電力証書取引にも対応できる
 また、グリーン電力証書取引への対応も可能としており、太陽光発電によるグリーン電力証書取引が本格化した際には、同サービスを利用して、手続きを簡略化でき、簡単に参加できるようになるという。

 さらに、経済産業省資源エネルギー庁は、今年2月から、平成20年度新エネルギー等導入促進基礎調査(グリーン電力証書を活用した住宅用太陽光発電の導入促進施策に関する調査)を開始しており、同サービスを先行利用した調査が実施されている。

 ユーザーごとに用意されるマイページでは、付与されるパスワードを入力すると、環境家計簿作成などに必要なデータをCSV形式などでダウンロードする「データダウンロード」、太陽光発電システムの運転状況や各電力量、環境貢献度を知らせる「発電診断レポート」、過去の発電状況や消費電力量についてグラフなどで詳細な分析ができる「履歴データ」、消費電力量の目標設定、進捗確認が可能な「省エネナビ」、電力会社の料金プランに応じた細かな設定を可能とする「電気料金換算ページ」、モニターを好きな背景に変更できる「待ち受け画面登録」、よくある質問に答える「サポート」といったサービスが提供される。


シャープソーラーシステム事業本部システム事業推進センター・吉岡秀起所長
 シャープ ソーラーシステム事業本部システム事業推進センターの吉岡秀起所長は、「太陽光発電の普及率はわずか1%。商品として魅力度を向上させる施策、補助金制度に頼らず普及できる仕組みの構築が必要だと考えている。新商品と新サービスによって、太陽光発電システムを買った時の喜びだけでなく、長く使う喜び、所有する喜びを提供できる。また、グリーン電力証書取引を活用し、環境貢献をお金に還元できることもできる。新たな太陽光発電ライフの提案に答えを出したのが今回の商品」とした。


ソーラーシステム事業本部システム企画室・山本一詞副参事
 同社の調査によると、太陽光発電システムを購入したユーザーは、約86%が毎日1回以上モニターを見ていたが、3カ月後には、ほとんど見ない人が21%、週に数回が21%に拡大しているという。

 「買ってしばらくすると、飽きてしまう、見ていても面白くないという理由から、忘れられてしまう存在になる。太陽光発電をもっと身近に感じてもらうことが必要であり、それが太陽光発電システムの普及につながる」(ソーラーシステム事業本部システム企画室・山本一詞副参事)として、「キッチンではモニターで、リビングでは液晶テレビで、書斎ではパソコンでといったように、家庭内のあらゆるシーンで、太陽光発電の状況をいつも確認できるようにした」という。


モニターを設置してもしばらくすると、モニターの存在自体を忘れてしまうユーザーが多かったという シャープでは、モニターだけではなくテレビやパソコン、携帯で運転状況を表示することで買った喜びや効果を実感できるようしたいという

 国内における太陽光発電システム市場は、補助金制度が打ち切られた2005年度には年間72,825件と過去最高の導入件数となったが、その後は補助金制度がなくなったことに加え、材料となるシリコン不足や金属材料の高騰などが影響し、2007年度実績では4万9,425件まで減少していた。だが、2008年度には、約90億円の補助金が予算化され、年間57,000件に拡大すると同社では予測。240億円の補助金が用意される2009年度には、92,000件の導入規模になると見ている。





URL
  シャープ
  http://www.sharp.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.sharp.co.jp/corporate/news/090210-a.html

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( 大河原 克行 )
2009/02/10 14:43

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