正直に打ち明けると、筆者は電動シェーバーをこれまでほとんど使ったことがない。決して興味がなかったわけではないし、最近のものは性能が高いと周囲から聞かされていて、むしろ物欲は募るばかり。家電量販店に行けば必ずと言っていいほど電動シェーバーコーナーに立ち寄って、何度も実機を目にしながらその良さを想像している。
それでも購入に踏み切れなかったのは、昔父親が使っているのを見たときの明らかに剃り残しが目立っていた記憶や、自分で使ってみた際の肌への大きな負担を感じた実体験が影響していることは否定できない。電動シェーバーに対するネガティブイメージが、まだ頭の片隅に多少なりとも染みついているのだ。
一方、高性能で高価格帯の著名メーカー製フラッグシップモデルであっても、長い目で見ればコストパフォーマンスは良いはずと頭ではわかっている。けれど、数万円の初期投資をかけるより、今使っているT字剃刀(の替え刃)を買い替えていけばいいじゃないか、という気持ちの方が勝ったりもする。身だしなみにお金をかけたくない、イケてないオトコの典型的な思考パターンだな、と思われるかもしれないが……。
そこへ登場した9月1日発売のパナソニック「5枚刃ラムダッシュ ES-LV9CX」(以下、LV9CX)は、控えめに言っても、そんな筆者のイケてない思考を170度転換させるのに十分な魅力と威力(主に深剃り的な意味で)を備えていた。え? あと10度足りない? そのとどめとなる10度は、主に出費に対する家族の理解を得ることで乗り越えられるのだが、それも使用後の反応を見る限り無事クリアできそうな気配である。
最新のフラッグシップモデルとなるLV9CXだが、新しくなったといっても、従来型で好評だったいくつかの基本性能はそのまま受け継いでいる。その1つが、「世界最速(※)リニアモーター駆動」。磁力の切り替えによって1分間に14,000ストロークという超高速で内刃を駆動させることができる。濃い(太い)ヒゲによってパワーダウンすることもなく、一気に剃り上げることが可能なパワフルな仕組みだ。
もう1つは「30°鋭角ナノエッジ内刃」というもの。内刃に用いられているステンレス刃物鋼の先端を、より鋭くするため日本刀と同じ製法により先端のRをわずか0.3mm、30°の鋭角に仕上げている。リニアモーター駆動と合わせ、硬いヒゲも難なく根元からカットできる性能だ。
そういった高性能・高精度なベースがあってこそ、以降で紹介するLV9CXで新たに取り入れられた機能「5Dアクティブサスペンション」や「パワークイックスリット刃」が活きるというものだろう。
※家庭用電気シェーバーにおいて(2017年7月現在)
最新のフラッグシップモデルとなるLV9CXを使用して衝撃を受けた一番のポイントは、何よりもその剃り上がりの良さ。肌への負担が少ないのに、完璧と言っていいほどつるっつるに深剃りできることだ。
いびつな形の固い骨と、少しの力で形を変える皮膚が複雑な曲面を作り出している人間の顔だが、そこにぴったり沿って肌を傷つけることなく、ヒゲだけを根元からカットしてくれる。指で触れたとき、ヒゲの引っかかりは一切なく、皮膚の柔らかい感触しかしない。
これまでT字剃刀を使って剃っていたのとは明らかに違う触り心地。言ってみれば、理容室で丹念にヒゲを剃ってもらった時の仕上がりにすごく近い。いや、理容室だとしばらくのあいだ全体がヒリヒリするときもあるが、LV9CXではそんなダメージはないのだ。気がつけば、鼻の下やアゴに触れてその感触を楽しんでいる自分がいる。
この深剃りを実現している最大の要因は、新5枚刃ラムダッシュシリーズ(ES-CV70を除く)独自の新技術「5Dアクティブサスペンション」に他ならない。5枚刃を支える大ぶりのヘッド部が、従来の前後・左右方向への首振りはもちろんのこと、回転方向への首振り(ツイスト)と、前後・上下方向へのスライドが加わり、どんな肌にも密着するシステムとなっている。旧機種までは「3D」だったアクティブサスペンションに、「ツイスト」と「前後スライド」が加わったものだ。
いずれも自由自在にぐにゃぐにゃ動く、というわけではなく、首振りは角度にして10~20度、スライド距離は1.0~2.5mmという可動域に設定されている。さらにヘッド部だけでなく、5枚刃自体も、個別に上下に数mm程度稼働する仕組み。
おかげで鼻下も立体的なアゴまわりも、まるで吸い付くかのように5枚刃が肌に密着し、どの角度からでも肌に押しつけながら剃ることができる。それでいて全体の接触面積が広いおかげもあり、ほどよく力を分散してくれるため肌を傷めることもない。使っている最中に意識することは少ないが、ヒゲの濃いところと薄いところを検知してモーターの出力を変える「ヒゲセンサー」が、肌への負担軽減に果たしている役割も大きいだろう。
こんなに優しい肌触りだと、さぞ剃り残しも多いのだろうな……と思って指で肌に触れると、どこにも固い感触はなく、つるっつるという意外さ。電動シェーバーもここまできたか、という気持ちである。
もう1つヘッド部で注目しておきたいのが、新構成となった5枚刃。それぞれ形状と役割の異なる刃は、最初と最後が「フィニッシュ刃」、その1つ内側の2枚が「くせヒゲリフト刃」、中央は新設計の「パワークイックスリット刃」と名付けられている。
2枚ある「フィニッシュ刃」は、刃の厚みが60μmと41μmの2段設計になっているもので、60μmの部分で肌をガードし、41μmの部分でヒゲをカットする。次の同じく2枚ある「くせヒゲリフト刃」は、フィニッシュ刃では捕らえにくい寝ているヒゲを起こしカットするもの。最後の「パワークイックスリット刃」は、ある程度伸びてしまった寝ているヒゲを、スリット構造になった刃に誘い入れ、逆テーパー状になった外刃で起こし、内刃でカットするものだ。
これまでの電動シェーバーは、1日1回使うような人にとって特に効率的にヒゲを剃ることのできるアイテム、という印象が強かったのではないかと思う。1日分のせいぜい1mmに満たないかもしれない長さのヒゲを剃るのにちょうどよく、しかし一方で2、3日のあいだ剃らずに伸ばしっぱなしだったヒゲは、長くなりすぎているせいできれいに剃るのが難しかったりした。
今回のLV9CXは、そういった電動シェーバーの使い勝手をさらに高めるべく、パワークイックスリット刃を採用した。剃ってから1日たった後の微妙に生えかかっているヒゲも、剃らずに2、3日たって中途半端に柔らかく伸びてきた寝ているヒゲも、LV9CXを使えばどちらもパリッと根元から剃り上げ、変わらないスッキリした感触に仕上げられるのだ。
以上のように、LV9CXはヘッド部の進化が大きいのだが、全体的な使い勝手や安全性の面でも進化が図られている。その1つが「スマートロック」機能だ。
スマートロックは、簡単に言えば「使うときだけ操作できるようにする」機能。グリップ部に静電センサーを内蔵しており、手でグリップを握るとそれを検知してロックが自動解除される。ヒゲを剃り終わってその場に置きっぱなしにしていても、60秒後に自動でロックされる。この状態では電源ボタンを押しても動作しないので、万一の誤動作による怪我や破損、電池の消耗などを防げるというわけだ。
そして今さらだが、艶ありとヘアライン加工のメタル素材が組み合わされたデザインは目を引く。さすがフラッグシップモデルにふさわしい高級感のある持ち感で、人差し指あたりにくる絶妙な重心バランスと、グリップ部の手になじむ形状のラバーのおかげか、数分間念入りにヒゲを剃り続けている間に手が疲れてしまうこともない。
また、グリップ部にステータスが表示される「マルチ機能表示ディスプレー」は、今回が初めての機能ではないものの、全体のシックなデザインにマッチし、最新デバイスを思わせる雰囲気もある。もちろん表示される電池残量や稼働時間、各種警告は機能的にも必要十分。自動洗浄・除菌・乾燥機能付きの充電クレードルで、日々のメンテナンスの手間が最小限で済むのもうれしいところだ。
LV9CXを使ってみて、予想もしなかった気持ちの良い完璧な深剃りに、筆者は素直に感動した。もう一度言うが、気付けば、なぜか知らず知らずのうちに剃った後の鼻の下やアゴを手で触れ、ヒゲのないすっきりした感触を自分で味わっていたりするのである。たぶんこれは、理容室でヒゲを剃ってもらった14年ほど前を最後に、ついぞ味わっていなかった感覚だ。LV9CXさえ持っていればこれを毎日楽しめるとは、なんてぜいたくだろうか。
が、それよりも驚いたのが、剃った後の家族からの評判の良さ。子供たちに頬ずりした時の反応を見てみると、3日間伸ばしたヒゲは言うに及ばず、T字剃刀で剃った後でも拒否する姿勢を示していた。ところが、LV9CXで剃った後の頬ずりは、いつになく優しく受け止めてくれたのである。妻も筆者のアゴを指先でつまみつつ、剃り残しのなさに感心していたくらいだ。
この深剃り具合は、皆さんも機会があればぜひ体験してほしいところ。その性能に加えて、日常の使い勝手を高めるスマートロックや自動洗浄・乾燥機能、さらに所有感を満たす本体の高い質感もあいまって、筆者の物欲は再び刺激されている。今の妻の雰囲気なら説得して購入するのも難しくなさそうだが、果たして……。
さらにラムダッシュ秋モデルでは、グリップ部に天然木をあしらった数量限定モデル「ES-LV9C」が9月1日より同時発売される。「チーク」「ローズウッド」「マホガニー」「バールウッド」「ウォールナット」の5種類の顔を持ち、ヘッド内のステンレスパネルにシリアルナンバーが刻印される最高級ラムダッシュ。さらなる価値を求める人へ、職人達が技術の粋を集めて作り上げた極上の一品はいかがだろうか。
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