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NTTスマイルエナジー、昼間は太陽光100%の電力プラン「太陽のでんき」を発表
(2016/4/14 11:44)
NTTスマイルエナジーは、電力小売りの自由化に伴い、昼間は固定価格買取制度(FIT)で調達した、太陽光発電による「FIT電気」100%で供給する電力プラン「太陽のでんき」を5月中旬より供給すると発表した。供給対象となるのは、自宅に太陽光発電を設置しており、かつ同社のモニタリングサービス「エコめがね」を導入している、沖縄と離島を除く日本全国のユーザー。
NTTスマイルエナジーはNTTとオムロンの合弁会社。2011年より太陽光発電の遠隔監視を行なうためのモニタリングサービス「エコめがね」のサービス提供を主力事業として展開している。
エコメガネでは現在、全国4万箇所、計87万kWの太陽光発電システムの監視を行なっているが、このうち8,000箇所、約27万kWからは、新電力会社であるエネットと共同で電気を買い取るサービス「エコめがねPlus」も展開。「太陽のでんき」は、その8,000箇所から調達した太陽光発電由来のFIT電気を販売するという電力プランだ。
NTTスマイルエナジーの調査によると、太陽光発電は一般に天候に左右される電力と見られがちだが、日本全国に分散されている太陽光発電による電気を足し合わせると、かなり安定的に電気を作り出すことができるという。ある地域で雨が降っていても別の地域では晴れているので、8時~16時においてはFIT電気100%で供給できるということだ。なお夜間の電力構成はエネット側からの供給になるため、天然ガスを中心とした電力となる。
この「太陽のでんき」の供給対象を太陽光発電システムの設置ユーザーに絞っているのには理由があるという。NTTスマイルエナジーの谷口裕昭社長は次のように語った。
「太陽光発電システムを自宅に設置されていれば、通常は日中の電気は自分で賄えるはずです。雨の日など発電量が少ない場合のみ別の地域で発電されたFIT電気を利用するという考え方となっているのです。FIT電気を調達できているのが8,000箇所とまだ少ないこともあり、その電力を有効に活用するということで、こうした電力プランを企画しました」。
つまり太陽光発電システム未設置の家庭にFIT電気100%で供給するのは、調達できている電力量的に厳しいが、太陽光発電システム設置ユーザーであれば、少なくとも3万軒程度の家庭への供給ができるという。
なお、「太陽のでんき」の料金は、各地の電力会社が提供する従量電灯と同等となるが、それとは別に太陽光発電の売電量に応じてポイントを付与して電気代の支払いに利用できる「エコめがねおすそわけポイント」を導入。太陽光発電システムの設置ユーザーは、屋根で発電した電気を家庭で使うが、その余った電力を電力会社に売電することが可能となっている。
具体的には、売電1kWhあたり0.5円~1円を目途にポイントを付与し、月々の電気代と相殺できる。標準的な4kWのシステムを導入しているユーザーの場合、売電量は300kWh前後となるので、1カ月あたり150~300円程度の還元ということになる。NTTスマイルエナジーとしては、この「おすそわけポイント」によって節電を促していきたい、としている。
そのほか「太陽のでんき」での売り上げである電気代の1%相当額を「再エネ応援ポイント」としてプールし、今後新たに太陽光発電を設置する家庭への導入支援金として販売パートナーを通じて活用していくとしている。