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ダイソンのDNAを受け継ぐ寿命37年の「CSYS LED Light」
(2013/12/4 13:19)
ジェイク・ダイソン・プロダクトの「CSYS LED Light(シーシス・LEDライト)」が11月28日より発売された。ラインアップは卓上ライトの「CSYS TASK」、フロアライトの「CSYS TALL」、そして取り付け式の「CSYS CLAMP」の3種類。
「CSYS TASK」のサイズは527×653mm(幅×高さ)で、カラー展開はブラック+ブラック、パティグレー+シルバー、ブラック+シルバー、レッド+シルバー、ホワイト+シルバーの5色。価格は94,500円。
「CSYS TALL」のサイズは727×1,409mm(幅×高さ)で、カラー展開はブラック+ブラック、ブラック+シルバーの2色。価格は136,500円。
「CSYS CLAMP」のサイズは870×864mm(幅×高さ)で、カラー展開はブラック+ブラック、ブラック+シルバーの2色。価格は取材時には未定で近日公開予定。
ジェームズ・ダイソンの遺伝子を継ぐジェイク・ダイソンのプロダクツ
長寿命37年のロングライフを掲げた画期的なLED。メーカーのジェイク・ダイソン・プロダクトと聞いて、サイクロン掃除機や羽根のない扇風機を作るDysonを想像する人も多いかもしれない。
そう。ジェイク・ダイソンはあのジェームズ・ダイソンの遺伝子を継ぐ正真正銘の息子だ。兄弟のなかで父親の影響を一番受け、ロンドンの名門カレッジであるセントラル・セント・マーティンズへ進学。デザインを学んだ後、2004年にデザイン・エンジニアとして自身のジェイク・ダイソン・プロダクトを立ち上げた。
CSYS LED Lightは今年開催された、ミラノ・サローネ 2013で初お披露目された。ジェイク・ダイソン氏曰く「世の中に気に入った照明がないにも関わらず、100年間ほとんど進化してないのはおかしい。もっと違うスタイルがあるはずだ」との純粋な想いから開発に着手したという。その後、欧州などで発売されると、デザイン性と機能性の高さで瞬く間に話題となった。
ちなみにCSYSとはX軸、Y軸、Z軸における物体の位置を決定する“座標系”という意味。数学や物理学などで使われる用語で、このLED照明の動作システムを表す。
建設用のクレーンやエレベーターにヒントを得た独自の操作性
CSYS LED Light最大の特徴が、製図用のドラフターを思わせる2本のバーを滑車で組み合わせたミニマル・デザインを採用した点だ。一見、縦横のバーが十字架状に組み合わさっただけのように見えるが、実はクロスする2本のバー中央に設置された複数の滑車により、高さや角度を自由に調整できる。
このスマートな動きは、建設用のクレーンやエレベーターにヒントを得たという。3つの滑車が支えるこの上下左右の動きはスムースそのもので、しかも背面につり下げられた重りとバランスを取ることで、ロックをかけなくてもぴたりと止まってくれる。
光源が高い位置にあれば、あるほど光が広範囲に照射され、逆に低い位置にすれば、手元などを明るく照らすことができる。360度全方位に自在に回転できるのも使い勝手もいい。
独自機構で37年の長寿命を実現
LED照明は8連。明るさは最大56lm/Wで、ランプの消費電力はわずか8.8W。同タイプのハロゲン電球と比較すると1/5の電力量とエネルギー効率の高さも魅力だ。ただ、CSYS LED Lightは、単純にエネルギー効率が高く明るいというだけでなく、37年という長寿命を実現している点だ。
どうしてそんな規格外なロングライフを実現できたのか? これは最先端の温度管理機能を搭載したのに加えて、元々NASAが人工衛星用に開発し、一般的にコンピューターのマイクロプロセッサーを冷却するために使用されるヒートパイプテクノロジーを採用したからだ。
一般的にLED照明は接合部温度が130℃まで上昇し、製品寿命は5万時間程度だが、CSYS LED Lightは独自の技術により、LEDの接合部温度を53.4℃と低く抑制。結果、連続使用時間16万時間を超えても、ライトの色や明るさを長期的に均一に保つことができる。これは1日12時間使用した場合でも、約37年以上に相当する。
LEDはこれまでも長寿命で注目されてきた製品だが、普及が進み、ブームが一旦収まってしまったのも事実。今回新たな製品が登場したことで、LED照明の新たなステージが始まるかもしれない。