シャープ、ドバイでイチゴを育てる植物工場の実験を開始

シャープ堺工場内に設置された実験コンテナで成長したイチゴ

　シャープは、アラブ首長国連邦ドバイにある関連会社SMEFの敷地内に、イチゴを栽培する植物工場の実験棟を7月に設置し、9月から本格的な実証実験を開始した。

　植物工場の実験棟は、密閉された完全人工光型の植物栽培施設。LED照明を用いた光制御や、同社の除菌・脱臭イオン技術プラズマクラスターを活用した施設内の空気管理により、イチゴの生育環境をきめ細かく制御する。イチゴの栽培に必要なノウハウをデジタル化することで、安定した生産と高い品質を実現できるとしている。

実験コンテナの内部

実験コンテナ内の作業風景

　日本産の糖度の高いイチゴは、中近東でも高い人気があるが、傷みやすく日持ちしないことから流通が困難とされている。栽培場所や天候を選ばず生産できる「植物工場」の実用化を行なうことで、年間を通してイチゴの「地産地消」が可能になるという。

　今回の実証実験によって得たノウハウをベースに、植物工場のエンジニアリング事業を、現地のパートナー企業と連携して推進するという。なお、今回の実証実験は大阪府立大とのイチゴ栽培技術の共同研究に基いて進められている。

　また、この事業は経済産業省が募集した「中小企業経営支援等対策費補助金(農業成長産業化実証事業)」において、「中近東に於ける植物工場の実用化及び流通やブランド構築等による事業化の推進」として採択されている。