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タニタなど、睡眠状態が測定できる「安眠ルーム」を東京のホテルにオープン

 タニタなど4社は、快適な睡眠環境と睡眠状態を「見える化」するデータを提供する「安眠ルーム」を、東京都港区にあるホテル「ホテルグレイスリー田町」と、中央区の「ホテルグレイスリー銀座」に設置、期間限定で提供を開始する。期間は12月15日から2013年1月15日まで。

 安眠ルームはシングルルームのみで、各ホテル2部屋用意される。宿泊料金は田町が1泊8,000円より、銀座が1泊10,000円より。現在予約を受け付けている。

安眠ルームの特徴。安眠を誘う音とアロマ、そして睡眠状態を測るスリープスキャンが用意される
安眠プランが用意されるのは、ホテルグレイスリー田町とホテルグレイスリー銀座の2ホテル。2013年1月15日までの期間限定だが、期間を延長したり、実施室数を増やす予定もあるという

 ホテルグレイスリーやワシントンホテルを全国に展開する藤田観光と、体重や睡眠など健康家電メーカーのタニタ、ヒーリング音楽を手がけるデラ、アロマなど香りを使ったソリューションを展開するエアアロマジャパンの4社がコラボレートしたホテル宿泊プラン。安眠ルーム内には、体動から睡眠状態を分析するタニタの睡眠計「スリープスキャン」がベッドマットの下に設置されており、ベッドに寝るだけで自動的に睡眠状態が計測できる。

 計測データは、ホテルの無線ルーターからスリープスキャン用のサーバーに送られる。インターネットの特設サイトにアクセスすることで、深い眠りが何時間あったかなど睡眠の状態を示すグラフや評価点、快眠のためのアドバイスが示される。サーバーへのアクセスには専用のID・パスワードが配布され、次回宿泊の際にも利用できる。なお、ルーム内で使用されるスリープスキャンは、ネットワークに対応した事業者向けの「SL-511」。

今回使用される睡眠計「スリープスキャン SL-511」
スリープスキャンはベッドマットの下に設置されている
体動から睡眠状態を分析する
測定結果はインターネットのクラウドサーバーに送られ、ネット経由で確認できる
宿泊時に配布されるIDとパスワード。次回宿泊時にも利用できる
スリープスキャンによる測定結果。深い睡眠時間が長い、浅い眠りが多いなどの睡眠状態が分かる
睡眠状態を点数で分かりやすく示す機能もある

 またルーム内には、デラのヒーリング音楽CD「メンタルフィジックシリーズ 究極の眠れるCD」と、ストレスを和らげる効果があるとされる、エアアロマジャパンのアロマ「アロバランス」も用意されるなど、安眠するための環境が整えられている。究極の眠れるCDとアロバランスは、宿泊後に持ち帰ることもできる。

ルーム内には、ヒーリング音楽CDとストレスを和らげるアロマが用意される
アロマは寝る前に枕元に吹き掛ける
究極の眠れるCDはホテルから貸し出されるCDプレーヤーで再生する
あとは寝るだけ。スリープスキャンは自動的に測定を行なう
翌朝は、インターネットに上がった睡眠データを確認する

 藤田観光のワシントンホテル事業グループ 企画チーム長の松田隆則氏は、安眠プランを採用した理由について、ホテルの付加価値を高めることを挙げた。

 「ビジネスホテルはもともとサラリーマンが出張旅費で泊まれるホテルだったが、近年は観光利用のユーザーも多く、中には6割が観光での宿泊というホテルもある。また、インターネット予約が主流となったことで、市場競争が日々激しさを増しており、ユーザーもただ泊まるだけ、寝るだけのホテルから、自宅では体感できない付加価値を求める傾向にある。

 これまで睡眠をテーマとしたプランは、内装を変えるなど大掛かりな改装が必要だったが、今回の安眠ルームは、改装なしで精神的にリラックスできる空間が演出できた。ほかのホテルへの展開も容易にできる。快眠グッズを試しながら、健康管理に役立てられる新しい宿泊スタイルが楽しめる」(松田氏)

 また、タニタのスリープ&ウェルネス事業部の佐藤富男部長は「これまで睡眠は主観でしか測れませんでしたが、睡眠計を使うことで、より具体的で計量的な形で睡眠状態が分かる。この安眠プランの効果も実感できるのでは」と語った。

藤田観光 ワシントンホテル事業グループ 松田隆則 企画チーム長
タニタ、スリープ&ウェルネス事業部 佐藤富男部長

正藤 慶一