東芝、連続沸騰でふくっらもちもちに炊きあげる炊飯器

~真空ポンプを利用した「密封米パック」機能も新搭載

 東芝ホームアプライアンスは、連続沸騰でふっくらもちもちに炊きあげる炊飯器「真空圧力IH RC-10VGE/18VGE」を8月上旬より発売する。価格はオープンプライス。炊飯容量1.0LのRC-10VGEの店頭予想価格は8万円前後、炊飯容量1.8LのRC-18VGEは83,000円前後。

製品本体本体側面本体上部
蓋を開けた状態操作パネル

 釜内を真空状態にすることで、米の芯までしっかり吸水させる真空圧力IHの新モデル。素早く真空状態を作りあげるために、本体には2つの真空ポンプを搭載する。

米の芯までしっかり吸水させるため、釜内を真空状態にする米の中の空気を追い出すことで中までしっかり吸水できるという

 RC-10VGE/18VGEでは、高火力を維持するために「うまみドーム蒸気口」を新たに搭載した点が特徴。同社によると、おいしいごはんを炊きあげるには、「はじめチョロチョロ、中パッパ」という言葉に表されるように、ゆっくりした加熱に続く大火力の沸騰立ち上げと連続沸騰、高温を維持したままでの蒸らしが大切だという。しかし、連続加熱を行なうことで、吹きこぼれが発生してしまい、うまみ成分が外に出てしまうという問題があった。

 新製品では、高い火力を維持するために、沸騰立ち上げ時の炊飯熱量を約2割高めたほか、連続沸騰により大量に吹き上がる旨み成分を含んだ「おねば」を蒸気と分離し、蒸気のみ外へ逃がす「うまみドーム蒸気口」を新たに搭載した。沸騰終了後、おねばは釜内に戻し、圧力をかけて高温を維持しながら蒸らすことで、ふっくらもちもちとしたご飯を炊きあげられるという。通常より時間をかけてじっくりご飯を炊きあげる「かまど名人」コースで炊きあげた場合、ごはんの甘み(還元糖量)は、2006年の同社従来機種に比べ約17%向上している。

東芝ではかまどでの炊飯を理想とし、最適な加熱を行なうために新たな機構を搭載した炊飯熱量を高めるため、消費電力を1,420Wとした蒸気は外に出して、うまみ成分は釜内に戻すうまみドーム蒸気口を搭載した

 内釜は、熱伝導率の良い銀とダイヤモンド、さらに遠赤素材をコーティングした「鍛造かまど銀釜」を採用する。蓄熱性を高めるために、釜底の厚さを7mmとしたほか、沸騰の勢いを強くするために底の中心部には凹凸のある「WAVE加工」を施す。これにより沸騰スピードが速くなったほか、効果的な熱対流を生み出すことができるため、炊きあがったごはんの表面には「カニ穴」(うまく炊きあがったごはんの象徴とも言われるもので、強い火力で沸騰させることが重要)ができるという。

熱伝導率の良い銀とダイヤモンド、さらに遠赤素材をコーティングした「鍛造かまど銀釜」釜の底には「WAVE加工」を施す凹凸のある釜底により、効果的な熱対流を促すという

 炊飯コースでは、約28分でごはんが炊ける「そくうま」コースを設ける。真空圧力IHでは、独自の真空技術により短時間でも米の芯まで吸水できるため、炊飯時間が短くてもおいしいごはんが炊けるという。そのほか、炊飯時間を通常より長めにとっておいしいごはんを炊き上げる「かまど名人」コース、蒸気の発生を抑える「蒸気セーブ」コース、釜内の酸素濃度を下げてごはんの黄ばみやニオイを抑える「ダブル真空美白保温」コース、お焦げを付けられる「炊きこみおこげ」コースなどを備える。

 新たな機能としては、米の保管に便利な「密封米(まい)パック」機能を搭載する。真空技術に用いる真空ポンプを利用して、米を真空状態で保管できる機能で、本体付属の密封パックとアタッチメントを使用する。

真空ポンプを米の保管にも活用した「密封米(まい)パック」機能付属の密封パックで米を密封したもの付属のアタッチッメントで本体と密封パックをつないで、真空パックする

 本体カラーはパールブラック。消費電力は1,420W。

 2011年度の新ラインナップとして、内釜の種類が異なり、密封米パック機能などを省略した「RC-10VXE/18VXE」、うまみドーム蒸気口などを省略した「RC-10VSE/18VSE」、圧力炊飯機能がない「RC-10VRE/18VRE」の全8台を6月中旬より順次発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はRC-10VXEが6万円前後、RC-18VXE63,000円前後、RC-10VSEが43,000円前後、RC-18VSEが46,000円前後、RC-10VREが33,000円前後、RC-18VREが36,000円前後。

「RC-10VXE」パールホワイト「RC-10VXE」グランレッド「RC-10VSE」レディッシュゴールド
「RC-10VRE」グランレッド「RC-10VRE」シルバー「RC-10VRE」ブラック
東芝ホームアプライアンス リビング機器事業部 リビング機器事業部長 小林伸行氏

 東芝ホームアプライアンス リビング機器事業部 リビング機器事業部長 小林伸行氏は、「エコや節電が話題になっているが、調理機器である以上おいしさを絶対条件として考えている。火力の強さなどを考えるとエコとおいしさは二律背反する部分もあるが、今回の製品は満足してもらえると思う」と語った。





(阿部 夏子)

2011年5月26日 15:11