象印、羽釜形状の内釜を採用した高級IH炊飯器

~食べ歩きで見つけた名店の味を再現

 象印マホービンは、羽釜形状の内釜を採用した圧力IH炊飯器「極め炊き NP-SA10」を9月21日より発売する。希望小売価格は115,500円。炊飯容量は0.09~1.0L。本体カラーはプライムホワイトとプライムブラウン。

「極め炊き NP-SA10」。左からプライムホワイト、内釜、プライムブラウン

 同社の炊飯器のラインナップで最上位機種に当たる圧力IH炊飯器。同社では、新モデルの開発に当たり、ごはんがおいしいと評判の飲食店を食べ歩くことから始めたという。その中で大阪・堺の定食屋「銀シャリ屋 げこ亭」が同社の理想とするごはんに近いとして、同店の炊飯方法を研究。その結果、かまどで炊くことによって強火が均一に釜内に回っていること、熱を逃しにくい羽釜の形状などに工夫が見られたという。

大阪・堺の定食屋「銀シャリ屋 げこ亭」同店は1963年創業で、1日21升もの米を炊くなど、数々の逸話を持つ店として知られているという

 象印ではこれらの研究の結果、内釜の側面部分に羽を設けた羽釜形状の「極め羽釜」と、羽部分に密着して加熱する「羽釜ヒーター」を新たに開発した。羽釜ヒーターは、極め羽釜の形状に合わせたヒーターで、羽釜に密着して加熱することで、羽の下から釜底までの間に蓄熱性・断熱性の高い「空気断熱層」が生まれ、熱が外に逃げるのを抑えるという。

 さらに、熱量を増やすため、側面と上部のヒーターを強化した。これにより火力は従来の約2.4倍となり、かまどに近い高火力を再現しているという。

外側に羽を付けた「極め羽釜」と羽釜の形状に合わせた「羽釜ヒーター」を新たに開発した

 極め羽釜は、内部で熱を対流させやすいように、形状を浅く、広くし、サイズを従来より大きめにした。本体は溶湯鍛造した内釜を、1品づつ削りだして作っているという。さらに内側には釜内の水質を弱アルカリ性に変化させる「プラチナナノ粒子」をコーティングした。弱アルカリ性の水は米の表面のタンパク質を分解し、中心まで水を浸透させやすくし、熱が米の中心部まで伝わるという。これによりでんぷんのα化が促進され、ごはんの甘みはコーティングなしの場合に比べ約45%増加するという。

「極め羽釜」は1品づつ削りだして作っているという

 炊飯工程においては、連続的な高火力を実現するため、ふきこぼれを抑えるトルネードファンを蒸気口に設けた。また、7つのセンサーで、炊飯時、保温時の温度をこまかく制御するという。

連続的な高火力を維持するために蒸気口には、蒸気を吹き消すファンを設置している

 炊飯メニューでは、おこげがるくれる「おこげメニュー」、気圧を抑えて電力量と蒸気の量を少なくする「蒸気セーブメニュー」などを備える。

 本体サイズは290×420×225mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は7kg。消費電力は1,330W。





(阿部 夏子)

2010年7月8日 15:44