パナソニック、エコアイディアハウスの開設セレモニー

~「コンセプトハウスではなく、実現性のある提案型施設」と大坪社長
パナソニック「エコアイディアハウス」

 パナソニックは、東京・有明のパナソニックセンター東京に、エコアイディアハウスを4月17日の一般公開に先立ち、4月15日、オープンニングセレモニーを開催した。

 パナソニックの中村邦夫会長、大坪文雄社長をはじめとする同社幹部のほか、経済産業省・高市早苗副大臣、環境省大臣官房長の南川秀樹氏、経済産業省商務情報政策局・近藤賢二局長、臨海副都心まちづくり協議会の日枝久理事長(=フジテレビ会長)などが駆けつけ、エコアイディアハウスの開設を祝った。

挨拶するパナソニックの大坪文雄社長

 パナソニックの大坪文雄社長は、「パナソニックは、2007年10月にエコアイディア戦略を発信し、省エネ商品の創造やモノづくりプロセスによるCO2排出量の削減など、様々なエコ活動を実践してきた。今回のエコアイディアハウスは、当社の環境への取り組みをよりトータルに、わかりやすく提案していこうというもの。最新の省エネ家電商品と、燃料電池、太陽光発電、蓄電池の組み合わせによる3~5年後に向けた、家まるごとCO2ゼロのくらしを提案し、そして古来から伝わる日本の良き文化やくらしの知恵を採り入れた心地よい生活様式を提案していく」とした。

 また、大坪社長は、「エコアイディアハウスで使用している商品や技術は、パナソニックグループとして、すでに商品化しているものか、あるいは近く事業化するものばかり。単なるコンセプトハウスではなく、実現性のある提案型施設である点が特徴だ」と強調した。

セレモニーに駆けつけた経済産業省・高市早苗副大臣

 来賓を代表して経済産業省の高市早苗副大臣は、「つい最近、改めて、松下幸之助氏の『日本 よい国』の言葉に接し、日本が持つ風土、技術力、人材、社会の良さを再度認識していたところだった。日本の良さを発揮して、力をあわせてがんばっていきたい。政府では、太陽電池、電気自動車、省エネ家電を新たな三種の神器として、研究開発促進、販路の開発、購入してもらうための仕掛けづくりを支援し、日本経済の回復につなげていく考えだ・冷蔵庫、テレビ、エアコンで家庭内の消費電力の半分を占める。この分野にも踏み込む必要がある。省エネは日本が誇る技術であり、この技術を搭載した商品を使いこなしてもらいたい」とした。

街を代表して挨拶する臨海副都心まちづくり協議会の日枝久理事長(=フジテレビ会長)

 さらに、日枝久理事長は、「パナソニックは、環境経営をグローバルに推進し、地球温暖化対策にも先進的に取り組んできた環境先進企業である。臨海副都心では進出企業が一緒になって、世界に誇れる環境による街づくりを推進しており、エコアイディアハウスが新たにオープンすることで、パナソニックセンター東京が、その先導的役割を果たすものと期待している」とした。


記念植樹の様子テープカットの様子
大坪社長(後列中央)や日枝理事長(前列手前)などが、エコアイディアハウスを内覧各ブースで担当者が説明を行なう
自然光を取り入れたリビングルーム
パナソニック環境本部・中村昭本部長

 一方、オープニングセレモニーにあわせて、報道関係者を対象に行なわれたセミナーでは、パナソニック環境本部・中村昭本部長が、同社の環境戦略について説明。「パナソニックは、商品のエコアイディア、モノづくりのエコアイディア、ひろげるエコアイディアの3つの取り組みを行なっているが、今回のエコアイディアハウスは、商品のエコアイディアからの環境への取り組み事例となる」と位置づけた。

 パナソニックでは、2001年に、10年後の家まるごとの環境状況を想定した「グリーンプラン2010」を策定し、これを公表してきた。

 グリーンプラン2010では、延床面積136.9平方mの一戸建てに、4人家族(祖母、両親、子供)が住み、普及率10%以上の製品を活用した場合の環境負荷を、生産、輸送、使用というライフサイクル全般から試算し、これを、改善することを目標に環境活動への取り組みを行なってきた。1990年には78製品が対象となり、これが2008年では96製品を使用していながらも、環境負荷が38%へと削減している。

 また、1990年のCO2排出量を100とした場合に、2009年度には47%の省エネ効果があり、また、3~5年後に期待される省エネ効果として35%にまで削減できるという。

パナソニックのエコアイディア戦略同社が提案する省エネ製品を使用した場合、CO2が大幅にカットされる1990年のCO2排出量を100%とした場合の排出量の変化

 今回のエコアイディアハウスは、3~5年後に期待されるCO2排出量に対して、燃料電池、太陽光発電、蓄電池といった省エネ、創エネ、蓄エネへの取り組みを活用することで、CO2排出量をプラスマイナスゼロにできることを、具体的な製品、技術で実現したものだとしている。





(本誌:大河原 克行)

2009年4月15日 18:11