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アシックス、健康寿命を伸ばすために「歩行姿勢」を数値化するシステム
2017年1月25日 11:06
アシックスとNECソリューションイノベータは、健康寿命の延伸に向けて、歩く姿勢を数値化する「NEC 歩行姿勢測定システム」を共同開発した。1月31日に提供を開始する。同システムは、一般販売されるほか、機能訓練特化型デイサービス施設「Tryus(トライアス)」でも採用される。一般販売時の価格は1ライセンスあたり、1年で15万円、無期限で40万円(税抜)。ハードウェア(Windows PC、Kinect v2センサーなど)は別途必要となる。
3Dセンサに向かって約6m歩くことで、全身の関節角度を計測し、歩行姿勢を数値化するシステム。「歩行速度」「歩幅」「胸腰部の上下動」「足の上がり角度」などの36項目を測定し、身体全体の歩行姿勢を年齢と性別に応じた基準で点数化する。
測定した項目は、「ふらつき」「左右差」「足の運び」などに分類され、歩行者の年齢と性別に応じて5段階で評価。それらの結果をもとに速度年齢やバランス年齢、総合的な「歩行年齢」などを、アシックスが特許出願している独自の歩行姿勢評価アルゴリズムで算出する。
大掛かりな機器を必要とせず、機材の設置から測定、評価までを1人の測定員で可能にし、歩行者に負担を掛けずに使用できるという。
開発の背景には、平均寿命と健康寿命には約10年の差があり、高齢になっても自立して移動できる身体づくりへの重要性が高まっていることが挙げられている。
そこで両社は、生活行動範囲に影響をおよぼす歩行能力に着目。アシックスはスポーツを通して培ってきた人間の動作に関する知見を、NECソリューションイノベータは、これまで研究を重ねてきた人の動作をセンシングする技術を活用。「歩行」を定量的に測定および評価し、歩行による健康維持活動を支援するシステムを構築した。
機能訓練特化型デイサービス施設「Tryus」では、同システムを活用することにより、歩行に関するトレーニング効果をより具体的に可視化でき、健康維持・増進につなげられるとしている。実際に利用者に体験してもらったところ、「自分の歩行姿勢を具体的に示してもらえると、課題のある部分を改善しようという気持ちになる」といった感想が挙がったという。