【IFA2009】デザインで欧州をリードするエレクトロラックス

 

エレクトロラックスのブース
 スウェーデンの大手家電メーカー、エレクトロラックスのブースでは、同社が年に1度、学生を対象に新しい発想のデザイン家電を募集するコンペ「エレクトロラックス デザイン・ラボ2008」の受賞作を展示した。

 このコンペは世界規模で募集していること、また優勝者にはエレクトロラックスでのインターンの権利が与えられること、そして受賞作を見本市で広く展示することなどから、プロダクトデザイナーへの登竜門としても知られている。

 ブースでは、優勝したルームシェア用の冷蔵庫「フラットシェア」はじめ、最終選考に残った9作品を展示。いずれも実機ではなく模型だが、実物大であるため、より製品のイメージがつかみやすくなっている。ここではノミネート作品のいくつかを写真で紹介しよう。

優勝作品の「フラットシェア」。ルームシェア用の冷蔵庫で、部屋が別れているのが特徴洗濯バスケットと洗濯機を合体させた「iBasket」。洗濯物の持ち運びの手間をなくすのが狙い食べ物を台座の部分に置くと味を分析して、ネット上に送信し、レシピを作成、共有できる「Sook」
パソコンでスキャンした絵をパンに焼き付けられる「ScanToaster」衣服を掛けておくだけで除菌、脱臭してくれる「ストラトスフィア」手に持っているときの動きで発電し、中身を冷やしてくれるショッピングバッグ「E-bag」
折りたたみ式で、ICカードリーダーが付いたIHクッキングヒーター「Vesta」。折りたたみ型で場所を取らず、レシピのタグを読み込ませれば、自動的に調理してくれる持ち運び可能なIHクッキングヒーター兼テーブル「Coox」

 こうした取り組みが示すように、エレクトロラックスは欧州の家電業界において、ミーレと並んで、白物家電のデザインを牽引する企業でもある。

 ひとことで言うとその特徴は「フラット」。会場では多数の冷蔵庫が展示されていたが、そのどれもが表面がフラットな形状だ。ビルトインタイプの製品では、壁にぴったりと溶け込むデザインのものもある。表面も素材感をそのまま活かしたものが多く、装飾やコーティングは最小限に抑えられている。こうしたフラットデザインは、まだ日本にはないものだ。

 機能面で言うと、大型冷蔵庫のリットル数は日本と同じく、500Lを超えるが、ハイエンドモデルでもドア数が少なく、その分、巨大なスペースを確保している。この形態はエレクトロラックスに限らず各メーカーに共通で、これも日欧の違いといったところだろう。

ハイエンドの冷蔵庫「SANTO」シリーズ。シンプルなデザインが目を惹くビルトインタイプの「SANTO」シリーズ。壁にぴったりと溶け込む形状は日本にはないタイプだ室内もシンプルで、変わった仕掛けはない




(本誌:)

2009年9月5日 08:53