やじうまミニレビュー
ガーデンタワー
ガーデンタワー |
■家庭菜園をやってみたいけどベランダが狭くて…
アパートやマンションなどの集合住宅、大都市圏の一戸建てなど、家庭菜園をやろうにも庭も土も場所もなく、バジルなどのハーブなどで満足してしまっている人も多いだろう。そんなときお勧めしたいのが、この3段重ねのプランタだ。3段積み重ねたときの高さは約67cm、直径57cm。本体の重量は約4kgでしっかりとした造りになっている。
直径57cmあれば20Lの土が2袋も入り、互い違いに3段重ねにできるので、植物たちに陽もよく当たる。一般的なベランダは、幅90cm以上が主流なのでプランタを置いてもまだ歩くスペースもあるというスグレものだ。
製品名 | ガーデンタワー |
購入場所 | 楽天市場 |
購入価格 | 14,800円 |
3段重ねのプランタを重ねると、ちょうど傘の長さ程度。1つのプランタは、3つのプランタが合体したような形になっていて、互い違いに重ねることで狭いスペースを有効活用できる。2段目の奥にはもう1つのプランタがあるが、ここには陽を当てると硬くなってしまうハーブ類などを育てるといいだろう。
筆者が設置したのは、自宅の駐車場だ。プランタの左右に2台が縦列駐車しているが、入出庫のじゃまになることはなかった。
筆者宅のベランダは、金属製の手すりタイプではなく、外壁材が胸あたりまで立ち上がっているので、日当たりが悪い | そこで駐車場に設置してみた |
駐車場というオープンなスペースで育てていると、野菜泥棒に取られちゃうのでは、と心配もしたが、幸いそのようなことはなかった。むしろご近所さんが「何を育てているのですか?」とたずねてきたり、「ピーマンが大きくなりましたねー」などとあいさつされるなどで、近所付き合いの潤滑油にすらなったほどだ。
■苗を植えてみよう!
筆者は食えないものは植物として認めない! ということで、ここでは花などは一切植えず、すべて食べられる野菜やハーブを栽培することにする。実際に苗を植えてみたポイントなどもあわせて紹介しよう。
1)プランタの組み立て
プランタは重なった状態で箱に入っているので、これを取り出し1段ごとに組み立てる | 一番下は水受け |
2)底板の上に鉢底用の軽石を敷き詰める
鉢底用の石は、5Lで500円程度。3段ぶんだと、10Lほど必要になる。
底板が見えなくなる程度に鉢底用の石を敷き詰める |
3)土を半分入れ水で濡らし、さらに土を追加する
プランタの半分ほど土を入れたら、たっぷりの水をかけ土に水分を含ませる。十分混ざったらさらに土を追加して、土をよく湿らせる。土は用途や分量に応じて多種多様だが、野菜に特化したものをチョイス。サイズは園芸品店で一番大きな20Lのものを2袋用意した。価格は1袋あたり1,500円程度だ。
土にはかなり水分が入るので、プランタ1つあたり2~3L程度の水が必要になる |
4)土に穴を掘り苗を植える
土壌ができたら穴を掘り、苗を植えて軽く土を押さえて安定させる。
苗の株が大きな場合は2つに分けて植える。また苗の土は落とさず、土ごと植えつけること |
【ワンポイントアドバイス】
このプランタを使う上でのポイントが2つある。1つは、陽のあたり具合。最初の写真でも紹介したとおり、2段目の奥は影になりがちで陽が当たりづらい。そこで2段目奥には、葉が硬くなるとおいしくないハーブ類を植えるといい。バジルやパセリ、ローズマリーやディルなどがいいだろう。
ポイントの2つめは、各段の水分だ。水は上の段から下の段に抜けていくので、最上段は比較的土が乾きやすい。反対に最下段はかなり水分を蓄えた土になる。
これらを考慮して、上段にはトマトなど水分をあまり与えないほうがいい植物を植えるといい。逆に下段は、キュウリといった多くの水分を必要とする植物を育てるといい。
苗を買う前に、あらかじめレイアウトを決めておき9種類(1プランタ3種×3段)の組み合わせを考えておくといいだろう。
5)1段目の苗え付け終わり!
最下段となるため、ハーブ系を中心に植えてみた。手前は陽がよくあたるのでズッキーニ(西洋かぼちゃ)をセレクト。
植えたあとは、タグを付けておくといい | これならご近所さんもひとめで分かるはず |
6)2段目のプランタを重ねる
互い違いになるようにして、2段目のプランタを重ねる。後は2~5の手順の繰り返しだ。
1段目と同様の手順で、鉢底用の軽石を敷き、その上に土を入れ水分を含ませる |
がっ! ここで問題発生! 一番下に置いてある水受けに大量の水がたまることが判明。
【ワンポイントアドバイス】
このプランタは、オーストラリアの製品(生産は中国)なので、おそらく降水量が少ないことが想定された製品だ。日本は湿度が高いため、水受けをつけた状態では、最下段のプランタの土が必要以上に水分を吸収して、根腐れを起こしてしまう可能性が高い。特に雨の多い時期は、水受けを外してやろう。
また水受けは、夏場の蚊の絶好の住処になるので、防虫の意味でも外したほうがいいだろう。
7)2段目の苗を植える
2段目にはナスとプチトマト、シシトウを植えた。日陰になりがちなシシトウだが、これはやわらかく、おいしいものができるかなという思惑だ。
栽培が簡単と言われている、プチトマトとナス、シシトウを2段目に | 水と日光にさほど影響されないだろうという予測だ。 |
8)最上階の3段目は?
急遽設置場所が変わっているが、先の場所だと西からの光が差さないことに気がついたため。土を入れてからの移動は、非常に重く1段ごとに分割してもまだ2人がかりで移動する必要がある。設置場所の確認には、十分注意してほしい。
最上階の3段目には、キュウリとトマト、ピーマンを植えてみた | 今考えると、キュウリはツルが伸びるし、水分が多く必要なので一番下にした方がよかったかも? |
9)ツルが伸びるものには、支柱をさせるようになっている
プランタの中央部には穴が開いているので、そこに支柱を差し込んで、キュウリとトマトに使ってもらうことにした。
支柱を立て、最後に水をたっぷりやって植え付けは終わり |
■収穫を楽しみにして栽培しよう!
苗を植えてから一週間ほど、どのようになっているだろうか?
トマトは黄色い花を咲かせていた | シシトウはすでに実がなっている |
ピーマンは白い花が咲く。後ろのピーマンは小さな実が付いた | キュウリは、超小さいキュウリがなっていた |
2週間後には、食べられる野菜も!
ピーマンとシシトウは成長が早いようだ。もう収穫して食べられそう |
キュウリもこんなに立派に成長して食べられそう | モロヘイヤは収穫し、刻んでしょうゆをたらしておつまみに! |
大きなトマトはまだまだ親指程度の大きさ | バジルはトマトの収穫にあわせて、マリネにして食べよう! |
ナスとズッキーニは、2週間後にようやく花が咲いた |
■第1回目の試食会!
さて取れたての野菜を使って、夕食を作ってみた!
ピーマン1個じゃ少ないかと思われたが、充分1食になるじゃないか! さらに取れたてのキュウリは、くらげの前菜に。中華スープには、竹の子の残りと浮き身にシシトウをアレンジ。トマトはまだ食べられなかったので、市販のものを使い豪華な夕食ができた!
竹の子の水煮半分と、ピーマン1個、ロース薄切り2枚に砂糖、塩、しょうゆ、スープ、オイスターソースと片栗粉を用意 | チンジャオロースー1人前のできあがり! | もうお腹一杯! キュウリは昔の青臭いキュウリだがシャキシャキの歯ごたえが最高。シシトウはピリッ! と辛く中華スープに最適だ。チンジャオロースーは、最高にうまい |
■4週間目もまだまだ楽しめる!
その後もピーマンとシシトウは続々収穫できたが、なかなか実らないのがトマトとナス、そしてズッキーニだ。
4週目の大きなトマトは市販品なみに育ったが、赤く色づかない | ズッキーニは、花の根元が膨らんできた! | ナスも収穫。焼きナスにしてポン酢と鰹節でおいしくいただきました。あまりのおいしさに写真撮るの忘れました…… |
■5週目ようやくトマトが色づき始める!
トマトは食べられるまでに時間がかかることが分かった。
とはいえ、ピーマンはガンガン収穫!
大きなトマトは少し黄色く、プチトマトは緑色のまま | 一番採算がいいのは、ピーマンだ。毎週のようにおいしいピーマンが実を付ける。 |
栽培が難しいのはキュウリ。極々小さいキュウリは実を付けるのだが、すぐに枯れてしまってなかなか大きくならない。また葉っぱがところどころ白くなり病気になってしまったみたいだ。
■7週目ついにトマトが食べられる!
緑のトマトができてから、赤くなるまでほぼ1カ月。こんなに時間がかかるものとは思わなかった。
こちらは大きなトマト。完熟しておいしそう。冷蔵庫で1日冷やして、マヨネーズをかけたら最高に甘くておいしかった | プチトマトも甘くてサラダにぴったり! |
【ワンポイントアドバイス】
キュウリからはじまった病気は、小さいプランタだけに各所に広がってしまった様子。トマトの枝を見てもらえば分かるとおり、早々と枯れてしまったのだ。より多く収穫するには、早期に病気を発見して、その対応をすることだ。
なおズッキーニは、かぼちゃと同じ仲間で地べたを横にはって成長するらしい。今回プランタで栽培したために、横にはうことができずに、収穫できないまま枯れてしまった。
■プランタの家庭菜園は長いこと楽しめるけど勉強も必要
野菜の栽培についてさほど勉強しなかったために、早々と枯らしてしまったものの、苗の植え付けから3週間は遊べる。プランタの土は、そのまま利用できるので今度は別の野菜作りにチャレンジしてみたい。
土代などを考えると、元が取れるまでには時間がかかりそうだが、単純に苗代と収穫できた野菜を考慮してみると、次のような採算性になるだろう。
ピーマン | 採算性は最高。スーパーで買うよりかなりお得 |
シシトウ | 採算性がいい。たくさん取れるので使い道を考える必要あり |
バジル | 採算性良好。病気になりやすいので注意 |
トマト | 分岐点あたり。栽培方法を工夫すれば、元が取れる可能性大 |
プチトマト | 分岐点あたり。食べたいときに青いのが難点 |
ナス | 採算割れ。栽培方法が悪かったのかも? |
モロヘイヤ | 大きくなる前に食べてしまったのが採算割れの原因(笑) |
キュウリ | 病気にかかり採算割れ。ウドンコ病だったのかも? |
ズッキーニ | 栽培方法の誤り。収穫できず |
これらを考えると、3段のプランタのうち1段をピーマン、残り2段をトマトにすると、継続的に収穫できて採算性も高そうだ。
2009年 8月 10日 00:00
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