【特集】LED電球、どれを買う?

ユニティ「XLEDIA(エクスレディア) X15シリーズ」

~“世界最高照度”全光束1,300lmのLED電球を試す
by 藤原 大蔵

驚異的な明るさのLED電球、家庭で使える?

 今回紹介するLED電球は、一般向けのLED電球として“世界最高照度”を謳うユニティ「エクスレディア・X15シリーズ」である。

 昼光色タイプ「X15-CJ」の全光束は1,300lmで、100W形白熱電球の1,520lmに迫る明るさ。電球色タイプ「X15-WJ」の場合、全光束は1,000lxとやや落ちるが、それでも十分に明るい。もともとはオフィスや店舗を対象とした業務用途向けのLED電球なのだが、ソケットのサイズは家庭で一般的な照明器具のE26口金、しかもウェブサイトでは一般向けへの通販も行なっている。そこで今回は、家庭で使ってみて、その明るさを実感してみたい。

ユニティ「XLEDIA (エクスレディア) X15-CJ」は1,300lmという“世界最高”の全光束を持つLED電球だ。なお、リリース時は昼白色と発表されたが、昼光色に変更されているこちらは電球色のX15-WJ。こちらも1,000lxと相当明るい

 ところで本連載では、LED電球を白熱電球と交換したことによる比較がテーマなので、通常は昼光色など白色系の電球を扱っていない。しかし今回は、昼光色タイプの“トンデモナイ明るさ”が大いに気になるところなので、例外的に紹介したい。

 業界団体の「日本電球工業会」のガイドラインに準じると、全光束はいずれも810lm以上1,520lm以下に入るため、どちらも60W形相当となる。しかし、実際の器具に取り付けた場合、60W形白熱電球が足元にも及ばないほど明るかった。

 今回はこれら1,000lx越えのLED電球を、これまでのレビューと同じように使い、明るさや光の質を探っていきたい。60W形白熱電球と電球型蛍光灯、100W形との取替えも考慮に入れて、明かりの質を比較していこう。


シリーズ名エクスレディア
タイプ名X15シリーズ
品番X15-CJX15-WJ
定格消費電力15W17W
口金E26
光色昼光色相当電球色相当
色温度6,000K2,700K
全光束1,300lm1,000lm
定格寿命40,000時間
調光器対応-
密閉器具対応-
サイズ70×132mm(直径×高さ)
重量154g
直販価格6,980円

 ちなみにエクスレディアのメーカーのユニティは、日本の業界団体「日本電球工業会(JELMA)」に属していないが、本製品は欧州(CE)や米国(FCC)の安全認定を取得している。

※60W形白熱電球は三菱電機オスラムの 「LW100V57W2PZ」(2個パック143円で購入)を使用
100W形白熱電球は日立の15%省電力タイプのソフトシリカ「LW100V85W」(1個パック105円で購入)を使用
※※
電球形蛍光灯は、2008 年の特集で 総合的に性能の高かった
パナソニックの 「パルックボール プレミアQ(クイック)」(1,390円で購入)を使用

【基本スペック編】

サイズ比較

 サイズはどちらも実測で132×70mm(高さx直径)と、60W形白熱電球(94×55mm)はもちろん、100W形白熱電球(109×60mm)よりもかなり大きく存在感がある。重量はどちらも154gと、LED電球の中では重い部類。さらにいえば、裸電球の状態だと、やはりアルミ製の放熱部はかなりゴツゴツした印象を受ける。特に電球色タイプでは、昼光色と違いを表すためか、放熱部内の黄色い部分が目立つ。

【エクスレディア・昼光色
高さは132mm(中央)と、100W形白熱電球(後方)より23mmも背が高い。しかし口金付近のヒートシンクは36mmで白熱電球よりも4mm太い程度
【エクスレディア昼光色】
直径は70mm(右から2番目)で、100W形白熱電球(左端)より10mm大きい。光源部は半透明な樹脂製だが、LEDチップはほとんど透けて見えない
【エクスレディア・電球色】
こちらは電球色。大きさは昼光色と同じだが、ヒートシンクの内部が黄色で違いがわかりやすい。しかし、ヒートシンクが見える器具には違和感があるだろう
【エクスレディア電球色】
電球色を上から見たところ。印象は昼光色と全く同じだ

 とはいえ、実際に取り付けるうえでは、あまり問題ではないかもしれない。口金に向かって細くなる”くびれ”もあるし、ヒートシンク(放熱部)の一番細い部分の直径が36mmと、60W形白熱電球(32mm)よりも4mm太い程度。電球の高さ直径に問題がなければ、十分取り替えられそうである。また、これまで160gを越えるLED電球を取り付けても、器具が傾くというような問題は起こらなかった。家庭用の器具に取り付けられる範囲内の重量と言えるだろう。

 LEDチップを覆う樹脂製カバーは大きく半球型だが、放熱部が見えにくい器具ならば、それほどの違和感はないだろう。

器具に取り付けたようす

 器具に取り付けてしまえば、大きなLED電球でもさほど気にならない。もちろん白熱電球とは見え方が異なるのだが、電球が器具からはみ出すこともなく、比較しなければ器具とのバランスも決して悪くはない。器具の高さが130mm以上あるなら、ゴツゴツとした放熱部のほとんどは目立たなくなるだろう。購入の前には、取り付ける器具の高さや深さを確認しておきたい。

【白熱電球:60W形】
電球の端が少し覗いている程度の角度から撮影した
【白熱電球:100W形】
高さは60W形より15mm高いが、それほど変わらない印象だ
【電球形蛍光灯】
100W形白熱電球よりも背が高く、内側のらせん状の蛍光管が透けて見える
【エクスレディア:昼光色/電球色】
かなり大きめだが、器具とのバランスは保たれていると言える。樹脂カバーと放熱部のつなぎ目は若干の違和感はあるが、器具をかなり覗き込まないかぎり放熱部見えてこなかった

光の広がりかたと配光性

 LED電球を選ぶ際に知っておきたいのは、光の拡散性が白熱電球や電球型蛍光灯とは異なるということだ。口金を下にした場合、光は樹脂カバー近辺から上方へ直線的な強い光が放たれ、ソケット付近にはあまり光が届きにくいというLED電球特有のクセがある。

 そこで、壁面のそばで電球を上向きにセットし、壁面にどのように光が広がるかを見てみよう。

【白熱電球:60W形・100W形】
ソケットぎりぎりまで明るい。電球を中心に床面に近いところから光が広がっている
【電球形蛍光灯】
白熱電球と同じようにソケット付近も光が届く。しかし遠くまでは光が届かない印象だ
【エクスレディア・昼光色】
樹脂カバーを中心にほぼ球形に光が拡散している。ソケット付近と側面への光の回り込みは他のLED電球同様に弱いが、光が遠く広範囲に届く印象だ
【エクスレディア・電球色】
電球色も昼光色と同じような光の広がり方だった

 エクスレディアも光の拡散性はLED特有の傾向が現われる。光は光源部を中心にほぼ球形に拡散しているが、放熱部だけでも75mmの高さがあるため、ソケット付近や側面にはあまり届いていない。ただ、白熱電球や蛍光灯よりも遠くまで光が届いている印象。昼光色も電球色も同じような結果になった。

 次に、電気スタンド型の器具に取り付け、配光性と器具の見え方も比較した。しかし、どちらも器具のシェードの上下から漏れる明暗の差が激しい。非常に明るいLED電球なのだが、器具の下に光は届きにくいのである。また、シェードは半分ぐらいしか輝かないため、器具の雰囲気もあまり活かせない。このようなスタイルの器具には適していないと言えるだろう。

【白熱電球:60W形・100W形】
シェードは中心からまんべんなく光り、シェードの上下からほぼ同じ明るさの光が漏れる
【電球形蛍光灯】
白熱電球と遜色なく、シェードのほぼ中心からまんべんなく光る。シェードの上下からもほぼ同じ明るさの光が漏れる
【エクスレディア・昼色】
シェードの下半分はあまり明るくならず、光にムラができてしまう。シェードの上はとても明るいが、下方向へはあまり光が回らない。雰囲気を重視する器具にはお勧めできない
【エクスレディア・電球色】
電球色も昼光色と同じく印象になってしまった

明るさ(55cm直下の照度)

 いよいよ肝心の明るさについて話を進めよう。

 光源から55cm直下の照度を測ったのだが、昼光色の直下照度は1,600lxと、“異次元レベル”の明るさが得られた。なんと、100W形白熱電球の1,250lxよりも断然明るいのだ。全光束の値から言えば、100W形白熱電球には及ばないのだが、測定に使ったようなアームライトでは、それを大幅に超える明るさが得られたのである。

 電球色でも1,160lxと、100W形白熱電球の明るさ感にかなり肉薄している。

【白熱電球:40W形 467lx】
光源を55mm上方にセットし、直下照度を計測した
【白熱電球:60W形 800lx】
【白熱電球:100W形 1,250lx】【電球形蛍光灯 475Lx】
【エクスレディア・昼色:X15-CJ 1,600lx】
100W形白熱電球よりも直下照度は明るい。全体を見てもそれを超えた明るさ感になる
【エクスレディア・電球色:X15-WJ 1,160lx】
直下照度は100W形白熱電球よりも若干劣るが、遜色ない印象だ

 ところで、エクスレディアのラインアップには、X15シリーズ以外にも、やや明るさを抑えたX13シリーズ(昼光色「X13-CJ」1,100lm、電球色「X13-WJ」820lm)と、電球型蛍光灯ぐらいの大きさのX10シリーズ(昼光色「X10-CJ」820lm、電球色「X10-WJ」620lm)がある。これらを点灯したところ、LED電球の中でも上位、またはそれ以上の明るさになったので、ついでに紹介しておこう。

【エクスレディア・昼光色:X13-CJ 1,325lx】
X13の昼光色は、X15よりも明るさが若干落ちる程度。100W形白熱電球よりもまだまだ明るい
【エクスレディア・電球色:X13-WJ 1,022lx】
電球色もかなり明るい。確実に60W形白熱電球より上の明るさが得られる
【エクスレディア・昼色:X10-CJ 848lx】
X10の昼光色は、60W形白熱電球以上の明るさが得られる
【エクスレディア・電球色:X10-WJ 587lx】
電球色は40W形~60W形白熱電球の間ぐらいになる。LED電球の中では明るいほうだ

 X13シリーズはどちらもX15シリーズよりもほんの少し暗くなった程度。まだまだ“驚異的”というべき明るさが得られる。X10シリーズ・昼光色の直下照度は848lxと60W形白熱電球を越えた。X10シリーズの電球色は、エクスレディアシリーズでも一番暗い587lxだったが、これでもLED電球の中ではかなり明るいほうである。


 エクスレディアのX15シリーズは、「LED電球は暗い」というイメージを根こそぎ払拭するぐらい明るい。なぜなら一般家庭で使われる、一番明るい100W形白熱電球と取り替えても遜色ない明るさ感が得られるからである。今まで数多くのLED電球を取り上げてきたが、この力強い明るさは間違いなくダントツだ。


【実使用編】

 ここからは実際の生活シーンに取り付けて、よりリアルな使用での実力を探って行く。なお、密閉型器具に対応していないので、浴室や密閉型のインテリアライトでは使用しなかった。

玄関

 X15シリーズの昼光色は100W形白熱電球を凌ぐほど。これはさすがに明るすぎる。一方電球色は、100W形白熱電球とほぼ同等の明るさ感が得られるので、とても明るい玄関をお望みならバッチリだろう。広い玄関ならなおさらである。昼光色が好みであれば、X10シリーズの明るさでも十分に明るいと感じるだろう。

 光色は、どちらも見えるものがくすまず、かなり良い印象である。昼光色は清潔感のあるスッキリとした印象になり、電球色は自然で暖かみのある雰囲気が楽しめる。どちらの光色を選んでも、人を快適に迎え入れる灯りとして向いている。

【白熱電球:60W形】
床面まで光が届き、十分な明るさがある
【白熱電球:100W形】
60W形よりずっと明るい玄関になる
【電球形蛍光灯】
比較すると色が不自然に感じる。また、点灯して明るさが安定するまで時間がかかる
【エクスレディア・昼光色】
昼光色はあまりにも明る過ぎて直接照らすには不向きである
【エクスレディア・電球色】
電球色の印象は良い。明るい玄関をお望みならこれはアリである
【参考:エクスレディア・X10-CJ 昼光色】
こちらはX10シリーズの昼光色。60W形白熱電球よりも少し明るく、さわやかな印象の玄関が演出できる

トイレ

 トイレのように狭い空間には、どちらもオーバースペックと言わざるを得ない。40~60W形白熱電球の明るさがあれば十分な場所で、わざわざ高価なエクスレディアのX15シリーズを選ぶ必要性は感じられなかった。

 なお、トイレは点滅頻度が高いため、点滅回数が寿命に影響する電球形蛍光灯の写真は割愛する。

【白熱電球:60W形】
明るく気持ちよく過ごせる
【白熱電球:40W形】
少し暗いが、狭い空間なのでまだまだ十分に明るく感じる
【エクスレディア・昼光色】
狭い空間にはいくらなんでも明るすぎる。トイレには向かない
【エクスレディア・電球色】
電球色もさすがに明るすぎる

リビングルーム

 透過タイプの器具に昼光色2灯は、さすがに明るすぎる。光色も落ち着いたくつろぎの空間を演出したいリビングルームには不向きだろう。

【白熱電球:60W形×2 透過タイプのシェード】
光が部屋全体に行き渡り、十分な明るさがある
【電球形蛍光灯×2 透過タイプのシェード】
白熱電球のように上部、側面へも光が広がる。しかし、テーブルはLED電球よりも暗い印象で、色被り(余計な色が加わること)によりくすんで見える
【エクスレディア・昼光色×2 透過タイプのシェード】
くつろぎのリビングルームには2灯使うとかなり明るすぎる。一灯で十分だろう。落ち着いた空間を演出するには、昼光色はあまり向かないだろう
【エクスレディア・電球色×2 透過タイプのシェード】
暖かみのある自然な光色がリビングルームに向いている。もし100W形白熱灯を使っているなら、これはアリだろう

 電球色もかなり明るいが、光色はリビングルームに最適と言える良い印象だ。もし100W形白熱電球を2灯使う器具をお使いならば、同じような明るさ感が得られる。強い光がシェードを通して壁面まで届いており、部屋全体が明るい印象になった。また、1灯タイプの器具にも、十分な明るさ感が得られそうだ。

 非透過タイプの器具との相性は、難があると言わざるをえない。昼光色は明るすぎてちぐはぐな印象になってしまう。電球色は光色は良いが、テーブル面だけがやたらと明るすぎて、リビングルームとしては落ち着かない印象になってしまった。

【白熱電球:60W形×2 非透過タイプのシェード】
十分な明るさが得られ、コントラストのある空間になっている
【電球形蛍光灯×2 非透過タイプのシェード】
白熱電球のように上部へも光が広がるが、透過タイプと同様、色がいまひとつ
【エクスレディア・昼光色×2 非透過タイプのシェード】
強烈に明るすぎて、リビングルームには不向き。テーブル面もかなり眩しい
【エクスレディア・電球色×2 非透過タイプのシェード】
光色は良いが、やはり明るすぎて全体的なバランスが良くない

 もしエクスレディアをリビングで使用するなら、器具の高さや位置を配慮する必要がある。LED電球は直視するとかなり眩しいが、X15シリーズはその中でも特に眩しさを感じるからだ。

 リビングでのお勧めの使い方は、アッパーライトなどの間接光の光源だ。天井面と壁面だけを照らし、その反射光で室内全体を柔らかく照らすのである。エクスレディア1灯だけで、光がリビング全体に柔らかく届き、光色に関係なく、とてもくつろいだ雰囲気が演出できるのである。眩しくないインテリアライト、テーブルライトなどの部分・局所照明を多用すれば、より印象的なリビングルームが演出できるだろう。

【エクスレディア・昼光色1灯 間接光】
一灯でも壁面や天井からの反射光が部屋全体を柔らかく照らす。昼光色でもこのような使い方はお勧め。日中の補助光としても向いている
【エクスレディア・電球色1灯 間接光】
温かみのある光が、部屋全体に柔らかく行き渡る。スタンドやインテリアライトと組み合わせるのもいいだろう

※なお、間接光は透過タイプの器具と同じ設定で撮影している。

食事の風景

 色合いが重要な食事のシーンでは、電球色の印象がとても良かった。色温度は2,700Kと、白熱電球よりも低いので、全体的に少し赤っぽい色合いになるのだが、色被りによるくすみ感が全く感じなかった。食べ物全てが自然でおいしそうに見え、食欲をそそる。

【白熱電球:60W形】
食事は全体的においしそうに見える。ただし赤みが強い光色のため、モスグリーンのランチョンマットが茶色に見える
【電球形蛍光灯】
色味のバランスが崩れ、食卓全体がくすんだ印象になってしまうハムの色味が特に気になる
【エクスレディア・昼光色】
食事のシーンには少し青っぽいかもしれないが、色被り感はほとんど無く、食べ物全体がおいしそうに見える。敢えて言えばオレンジジュースが黄色っぽくなるぐらい
【エクスレディア・電球色】
赤みが若干強い自然な電球色。演色性が高く、食べ物が全て新鮮でおいしそうに見え、食欲をそそる。明るくて、色味が大事なシーンにお勧めできる

 色温度が6,000Kの昼光色は、全体的に少し青みがかった色合いになる。しかし、食べ物はおいしそうに見えていた。敢えて言うならオレンジジュースが黄色っぽい印象になるのが気になった程度。共通して言える事は、食器の白さ、モスグリーンのランチョンマットの微妙な色合いもちゃんと識別できた。

 大変失礼な話しだが、演色性は正直に言って全く期待していなかった。この結果に驚いてしまった。というのも、これまでの経験から、明るいと言われるLED電球の多くは色被りを起こしやすく、色彩がくすむ傾向が強かったからである。しかし、エクスレディアのX15シリーズは、LED電球の中でもトップクラスの演色性と言って良いほど。一灯でも華やかな明るさで食事のシーンが演出できるので、ダイニングキッチンの全体照明や卓上の真上の灯りにも向いている。

 なお、X15シリーズ以外にも試したが、演色性は総じて良かった事を付け加えておく。


100W形白熱電球との交換で、元が取れるのは【1年半前後】

 消費電力は、昼光色が15W、電球色は17Wだった(実測値)。省電力型の100W形白熱電球は85Wなので、取替えれば前者は1/6弱、後者は1/5弱の節電ができる。

 一般的なLED電球は1/6~1/8なので、節電効果は少し見劣りするが、一般的な照明器具に取り付けられ、100W形白熱電球の明るさと質を落とさずに節電できるLED電球は他に見当たらない。こまめに消灯を心がけることは節電になるが、特に消費電力が高い100W形白熱電球の消費電力を下げることは大きな節電につながるだろう。

【白熱電球:60W形】
消費電力は56W。消費電力1Wあたりの発光効率は、14.46lm/Wになる
【白熱電球:100W形】
消費電力83W。消費電力1Wあたりの発光効率は、18.31lm/Wになる
【電球形蛍光灯】
消費電力10W。発光効率は75lm/W
【エクスレディア・昼光色 X15-CJ】
消費電力15W。消費電力1Wあたりの発光効率は、86.67lm/Wと高い効率だ
【エクスレディア・電球色 X15-WJ】
消費電力17W。消費電力1Wあたりの発光効率は、58.82m/W
【エクスレディア・昼光色 X13-CJ】
消費電力12W。消費電力1Wあたりの発光効率は、91.66lm/Wとエクスレディアの中で最も効率が良い
【エクスレディア・電球色 X13-WJ】
消費電力13W。消費電力1Wあたりの発光効率は、63.07lm/W
【エクスレディア・昼光色 X10-CJ】
消費電力9W。消費電力1Wあたりの発光効率は、91.11lm/W
【エクスレディア・電球色 X10-WJ】
消費電力8W。消費電力1Wあたりの発光効率は、77.5lm/W

 初期購入費は6,980円と、LED電球の中でもかなり高額だが、100W形白熱電球と比べた場合、昼光色は1年半、電球色なら1年7カ月で元が取れる(いずれも、1日8時間使用した場合で試算)。なんといっても、100W形白熱電球並みの明るさ、光色の良さを享受しながら、1年半前後で元が取れ、その後12年以上も使い続けられるのはメリットだ。損な買い物にはならないだろう。ちなみに、明るさでは比較にならないほど暗い60W形白熱電球から取り替えた場合でも、2年半~2年7カ月で元が取れる結果となった。

 一方、60W形電球型蛍光灯とでは、LED電球の寿命が来ても元は取れない。その原因は電球代が高価で、消費電力はどちらも電球形蛍光灯の10Wを上回るからである。100W形電球形蛍光灯と交換した場合だと、消費電力は20Wなので、昼光色は6年10カ月、電球色は8年6カ月で元が取れる試算になる。

 とは言っても、昼光色は100W形白熱電球以上、電球色は遜色ないと言ってよい明るさ感が得られ、光色も良く、約40,000時間という長寿命、点滅による寿命の影響が無い点などは、電球形蛍光灯には無い大きな利点となる。

【エクスレディアX15シリーズ】
従来の光源と比較した“いつになったら元が取れるか”試算
使用光源消費電力
(実測)
1カ月3カ月半年
(6カ月)
1年1年半1年
7カ月
2年
6カ月
2年
7カ月
6年
11カ月
8年半10年
X15 昼光色16W7,060円7,221円7,462円7,944円8,425円8,506円9,389円9,469円13,644円15,171円16,616円
X15 電球色17W7,071円7,253円7,526円8,071円8,617円8,708円9,708円9,799円14,529円16,257円17,894円
白熱電球60W56W370円966円1,932円3,792円5,723円7,583円9,515円9,813円26,242円32,264円37,915円
白熱電球100W83W549円1,438円2,876円5,648円8,524円8,968円14,172円14,616円39,089円48,058円56,477円
電球形蛍光灯60W10W1,449円1,554円1,719円2,047円2,376円2,430円3,033円3,087円7,324円8,365円10,740円
電球形蛍光灯100W20W1,887円2,101円2,422円3,065円3,707円3,814円4,992円5,099円14,227円16,261円18,188円
※表中の金額は、電球代と電気代をプラスした「維持費」  ※1日の使用時間は8時間と仮定
※白熱電球には、4カ月ごとに電球代を加算する (切れた電球代の購入費として) ※電気代は1kWh=22円で計算


一般家庭でも100Wクラスの明るさが欲しい場面にお勧め

 エクスレディア・X15シリーズの特徴は、100W形白熱電球と取替えても遜色ないトップクラスの明るさと演色性の良さである。価格、大きさと見た目のゴツさ、高めの消費電力、密閉器具や調光器に非対応と、たしかに欠点は羅列できてしまうのだが、それを払拭するほどの明るさと高い演色性は魅力的だ。しかも、とても明るいのに40,000時間という長寿命を実現している点、さらにいえば、正常使用で3年間の保証がついている点は見逃せない。店舗や施設などで置き換えても、暗くなったと感じることはないだろう。

 家庭での使い道としては、明るさを優先させたいシーンにお勧めしたい。昼光色は100W形白熱電球の超える明るさ、電球色もそれに肉薄するほど明るいので、高所にあるダウンライトや一灯型のペンダントなどの取替えにはとても向いている。「白熱電球から取り替えて暗くなった」という不満はまず感じないだろう。

昼光色のX15-CJを天井に向けるだけで、その反射光で6畳間一室が丸ごと柔らかな光に満たされた。手元用の別のLEDスタンドライトあわせ、たった19Wの消費電力で仕事部屋に快適な光環境が演出できた

 個人的に気に入った使い方が、エクスレディアの昼光色を天井に向けた、間接光の全体照明だ。別の消費電力4WのLEDデスクライトと組み合わせたのだが、部屋全体が適度に明るく、合計たった19Wの照明だけで、仕事に快適な光環境が実現したのである。もちろん、電球からのノイズもまったく聞こえなかった。やや異端的な使い方ではあるが、事実、仕事にとても集中できたのだ。

 消費電力1Wあたりの発光効率は、白熱電球とは比べものにならないほど効率が良いLED電球。明るさと演色性を全く我慢せずに、大きな節電効果が期待できるエクスレディアを業務用にとどめておくのにはもったいない。100W形白熱電球の本格的な取替えとして、一般家庭でも、その特性を活かした使い方がありそうだ。



ユニティ「XLEDIA(エクスレディア) X15シリーズ」はこんなLED電球

-共通する特徴-

・演色性が高く、色味が重要な食卓にもOK

・LED電球には珍しく3年保証がついている


-昼光色 X15-CJ-

・100W形白熱電球を超える明るさが得られる。明るさと活気が求められるシーンにお勧め

・100W形白熱電球と交換した場合、1年半で元が取れる(1日8時間使用)

-電球色 X15-WJ-

・昼光色タイプほどではないが、白熱電球に肉薄する明るさが得られる

 ・光色が電球色らしく自然。くつろぎのシーンでもお勧め

・100W形白熱電球と交換した場合、1年7カ月で元が取れる(1日8時間使用)


丸善電機「AGLED(アグレッド)」 →
東芝「E-CORE E17口金 ミニクリプトン形 5.4W」

― これまでレビューしたLED電球リスト ―





2011年3月31日 00:00