家電製品ミニレビュー

ブラック&デッカー「ダストバスター フレキシー Z-PD1200」

~高いところも楽々掃除できるコードレスハンディクリーナー
by 清水 理史

世界最大の電動工具メーカーが手がける家電製品

ブラック・アンド・デッカーのコードレスハンディクリーナー「ダストバスター フレキシー Z-PD1200」

 ホームセンターなどでよく見かけるオレンジと黒のデザインの電動工具。世界最大の電動工具メーカーとして知られる「ブラック&デッカー」のネジ締めやグラインダーを見かけたことある人も少なくないことだろう。

 ブラック&デッカーは最近、家電製品でも知名度が上がってきている。そんな製品の1つが、今回、紹介する「ダストバスター フレキシー」というハンディクリーナーだ。

 製品としては、ダストバスターという名前の通り、クリーナー(掃除機)となるが、充電式のバッテリーで動作するコードレスタイプとなっており、小型で持ち運びが便利なわりに、非常にパワフルで、しかも伸縮ホースを採用するという個性的な製品になっている。

 電動工具メーカーならでは数々の工夫がなされた「ダストバスター フレキシー Z-PD1200」を実際に使ってみた。


メーカーブラック&デッカー
製品名ダストバスター フレキシー Z-PD1200
希望小売価格

17,850円

購入場所Amazon.co.jp
購入価格12,034


同じオレンジだけどちょっとスタイリッシュ

 まずは、外観から見ていこう。コードレスタイプのクリーナーというと、ノズル、本体、取っ手と全体が一体化したスティックタイプが一般的だが、この製品はカタツムリと言おうか、ぞうさんと言おうか、個性的なイメージのデザインとなっており、輪切りにした円筒形の本体の周りにホースがクルリと回っている面白いデザインとなっている。どちらかというと、延長ホースや延長コードのような外観だ。

側面正面背面

 色はオレンジとブルーの2色があるが、今回使ったのはオレンジのバージョン。オレンジと言っても、電動工具よりも若干薄めで、しかもメタリックが入ったカラーで、ホースのシルバーと取っ手部分のホワイトの組み合わせになっており、電動工具のような無骨さはあまり感じられない。家庭向けの製品であることもあり、かなり洗練され、清潔感のあるデザインだ。

 クリーナーの方式はサイクロンで、本体中心部に内蔵されたモーターの回転によって吸い込んだゴミを空気と分離して、周囲のダストケースに溜めるという方式になっている。

本体中心部のモーターを回転させ、ゴミと空気を分離するサイクロン方式台座部分が充電池となっており、付属のACアダプタで充電することで連続12分の稼働が可能

 電源は冒頭でも紹介したとおり、内蔵バッテリーによって動作するコードレスタイプ。本体下部の台座部分にニカド充電池が内蔵されており、ここにACアダプタを接続して充電する。約4時間でフル充電可能で、動作時間は約12分となっている。

 充電式のハンディクリーナーのほとんどが5~8時間の充電で、連続10分程度の稼働となっているので一般的な製品とほぼ同等の動作時間と考えて良いだろう。


小さいわりにパワフル

 実際に使ってみると、小さい割にパワフルなことに驚かされる。本体に巻き付けてあるホースを取り外し、取っ手部分の内側にあるスイッチをスライドさせると、内部のモーターが勢いよく回転し、側面から排気が吹き出してくる。

使うときは本体を取り巻いていたホースを取り外す取っ手の部分のスイッチをスライドさせると電源オン

 電動工具メーカーの製品だからそう感じるのかもしれないが、イメージとしてはまるで電動ノコギリのよう。モーターの回転する様子と慣性による動きが、手のひらに直に伝わってくる。

 もちろん、洗練されたデザインと小型で持ち運びやすい本体は、女性にも扱いやすいのだが、実際に使ってみると、工具っぽい雰囲気が実に男心をくすぐる製品となっている。

 吸引力もなかなか強力だ。本体中心分は、ダストケース内にフィルターがあり、さらにその内側にモーターがあるという構造になっており、モーターの回転から発生するサイクロン効果の効率を高められる構造になっている。

 このような構造上の特徴もあってか、小さなボディのわりに、ゴミやホコリもかなりの勢いで吸い込んでいく。もちろん、コードを接続して利用する一般的なクリーナーに比べるとパワーは落ちるが、ハンディタイプのクリーナーとしてはかなりパワフルな部類の製品になるだろう。

 ただ、その分、音はかなりのものだ。構造上の問題か、モーターの回転音と排気音がダイレクトに響く印象で、深夜などの利用には適していない印象だ。


イスのホコリを取っているようす

いろいろな場所を掃除しやすい

 単にパワフルなだけでなく、使い勝手もかなり優秀だ。収納時に本体に巻き付いているホースは、蛇腹形状で伸び縮みが可能なタイプになっており、通常はノズル部分も含めて80cm前後程度となっているのだが、少し力を入れて引き延ばすと最大1.5mまで伸びるようになっている。

通常の状態ホースを延ばした状態

 ホースが長いというのは、掃除をするときにどれだけ便利なのかというのを実感させられる。

 たとえば、ノズルと本体が一体型になっているハンディクリーナーの場合、高いところを掃除するために、重たい本体ごと上に持ち上げなければならない。しかし、本製品なら、本体を床に置く、もしくは手でぶら下げた状態にしておいて、ホースだけを延ばして高いところを掃除できる。要するに疲れないのだ。エアコンのフィルター清掃などにはもってこいのクリーナーと言えるだろう。

高いところの掃除が楽。本体はぶら下げたままノズルだけを高い位置に持ち上げれば済む

 また、棚の上、家具の隙間なども、ノズル一体型のクリーナーでは掃除がしにくいが、これもノズルが自在に伸び、しかも隙間ノズルなどへの交換も簡単な本製品なら手軽に掃除できる。これは、目から鱗が落ちる印象だ。

 本体が小さいこともあって、階段を上り下りしながら掃除したり、普段はあまり掃除機をかけないトイレや物置を掃除するのも便利だ。もちろん、クルマなど屋外でも利用できる。かなり使い勝手が良いクリーナーと言えるだろう。


お手入れはちょっと手間がかかる

 普段の掃除が簡単な反面、お手入れは少々手間がかかる。本体の構造上、ダストケースが固定になっており、ゴミを捨てる場合は、側面のダストケースのフタを開け、本体ごと斜めにするような感じでゴミを捨てなければならない。

 部屋の中でやろうものなら、周辺をもう一度掃除しなければならないことにもなりかねないので、このあたりは若干面倒だ。

中心部がそのままダストケースになっている。カバーとフィルタは取り外し可能ゴミは本体をそのまま傾けるようにして捨てる。外でやるのが無難中心のダイヤルを回転させるとフィルタを叩いてホコリを落とせる

 ただし、フィルターは手軽に取り出せる上、ケース外側からダイヤルを回転させることで、フィルターに付着したホコリを叩いて落とせるようになっているため、吸引力としては長持ちさせることができる。ハンディクリーナーの場合、吸引力がすぐに弱くなってしまうこともあるが、このあたりの心配はなさそうだ。

 全体的には、非常に完成度の高いハンディクリーナーで、一台あると、いろいろな場所の掃除に便利と言える。コードレスタイプのハンディクリーナーを探している人は購入を検討してみると良いだろう。





2009年12月4日 00:00