家電製品ミニレビュー

ペットの匂いに効果バツグンの富士通ゼネラルの脱臭機

匂いの問題には専用の脱臭機

富士通ゼネラル PLAZION HDS-302C

 今回は、富士通ゼネラルの脱臭機「PLAZION(プラズイオン) HDS-302C」を紹介しよう。脱臭機という名前は聞き慣れないかもしれないが、部屋の空気に含まれている匂いを分解する製品だ。

 匂いというのは不思議なもので、最初は強烈に感じても慣れてしまうこともあるし、いつまでも慣れない場合もある。ただ、強い匂いは苦痛に感じる場合が多いし、室内でペットを飼っていると解決するのはなかなか難しい。匂いに悩んでいる人にとって、このような脱臭機は貴重な製品なのだ。

メーカー名富士通ゼネラル
製品名PLAZION HDS-302C
希望小売価格オープンプライス
購入先Amazon.co.jp
購入価格19,500円

3つの脱臭機能で匂いを分解

 富士通ゼネラルの脱臭機は、匂い対策としては定番的な商品だ。今回は、家電量販店ではなくペット用具店で販売されている、タワー型の製品を紹介しよう。

 現在のPLAZIONのラインナップは、台などに置くコンパクト型と、床に置くタワー型の2つがある。HDS-302Cは、タワー型の普及機種にあたる製品だ。コンパクト型は大手量販店、タワー型はペット用具店と流通経路が分かれている。Amazonでは両方買えるのだが、店頭で購入するときは注意してほしい。

本体は縦型というかタワー型をしている
本体側面。やや上寄りのへこんだ部分が取っ手
本体裏面

 本体サイズは、274×262×643mm(幅×奥行き×高さ)で、高さは大人の腰の下ぐらいだ。底面積が30cm四方ぐらいあるので、意外と奥行きがあると感じる。重さは約7kgで、見かけよりは軽い。

30cm定規との比較。意外と奥行きがある
幅も30cmぐらいだ

 脱臭機の基本的な構造は、空気清浄機とほぼ同じだ。本体の前面から吸気し、上に排気する。空気清浄機の場合、この空気をHEPAフィルターなどで浄化するが、この製品では金属製の脱臭フィルターとUV(紫外線)によって匂いを分解して脱臭する。

本体の上部から排気する
ルーバーによって吹き出す方向を調整できる
本体の奥に脱臭ユニットが見える

 一応、脱臭フィルターの前に集塵フィルターも付いているが、これはごく簡単なものだ。以前のモデルはホコリ除けのプレフィルターが独立していたが、この製品では集塵フィルターだけになっている。

 脱臭機能としては、もう一つ「消臭成分シャワー」と呼ばれている機能もある。これは低濃度のオゾンを消臭成分として放出するもので、部屋に染み付いた匂いの脱臭に効果があるという。

 まとめると、脱臭フィルター、UV、消臭成分シャワーの3つの機能で脱臭するわけだ。

3つの脱臭機能の概要。2つは脱臭機の内部で、もう1つは外で効果を発揮する

24時間運転が標準、強力な匂いには急速運転で対応

 操作は簡単で、電源コードをつなぎ、脱臭機本体の「運転」スイッチをONにすれば良い。

本体上部に操作パネルがある

 脱臭を急ぎたい時は、「急速」ボタンを押す。すると、1時間の間、最大風量で動作して通常の状態に戻る。今回は閉めきった6畳間に、強い動物臭がする猫用のドライフードを置いて急速運転を試したが、ものの数分で効果が実感できた。

 急速運転中のファンの音はかなり大きいが、これだけの効果があればしょうがないと思う。急速運転時以外は、ファンの音はあまり気にならない。匂いが少ない状態では、ファンの動作音も低いので、リビングルームでも問題はないぐらいだ。

 この製品は、基本的には24時間動作させておくのが正しい使い方だ。通常運転を続けていることで、その部屋の匂いがかなり軽減できる。我が家では、人間用トイレの隅に猫用のトイレを設置しているが、ここに脱臭機を設置していると、猫トイレの強い匂いが気にならなくなる。

 脱臭フィルターは金属製で、1日1回、定期的にヒーターで暖めることで機能を回復させている。取扱説明書によれば、このオートクリーン運転は、約22.5時間ごとに約1.5時間行なわれる。オートクリーン運転中は脱臭が止まるので、たまたまその時間に居合わせると、もともとあった匂いに遭遇し、逆に脱臭機の効果を感じることになる。そういうときは、あれ、こんなに匂いがあったんだと思う。

 メンテナンスは、集塵フィルターの掃除が主だ。1カ月に1回掃除機で吸い、1年に1回水洗いをする。ちょっと手間だが、フィルターを買い替える必要がないのは良いところだ。

前面パネルを開くとフィルターが見える
集塵フィルターは柔らかい素材だ

チャイルドロックはほしい

 HDS-302Cは、匂いに対して、かなり効果的な製品だが、不満を感じる点もある。

 まず、「消臭成分シャワー」によるオゾン臭がする。これは、強弱の切替ができるのだが、弱にしても、以前の製品に比べてオゾン臭が強い。ペット用ということで、強めの設定になっているのかもしれない。設定ボタンは、分かりやすい位置にあるので、オゾン臭が気になる人は、「弱」に設定してあることを確認しよう。個人的には「切」にする設定があっても良いと思う。

 また、空気清浄機に比べると、使い勝手の点で配慮が足りない部分がある。例えば、チャイルドロックはないし、LEDの照度を落とす設定がない。本機の操作ボタンは、ストロークの浅い押しボタンだ。例えば猫が本体に乗っただけで、設定が変わってしまうから、チャイルドロックは必須だと思う。また、寝室などに置くことを考えると、LEDの照度を落とす設定がほしい。

操作ボタンにチャイルドロックがほしい
寝室に設置した例。脱臭は効果的なので、LEDが消灯できるとよかった

 もう一つ、オートクリーン運転の時間を指定できるようにしてほしい。約1.5時間、脱臭が止まるのは諦めるとしても、せめて、人がいないとわかっている時間帯や、就寝している深夜に運転時間を指定できるようにしてほしい。

匂い対策として検討すべき製品

ペット用を意識して、本体に貼る足跡のシールが付属する

 我が家では、2007年から富士通ゼネラルの脱臭機を使っていて、現在も2台が常時稼働している。すでに必需品化していると言って良いだろう。

 今回試したHDS-302Cは、2万円前後の低価格機種ということで、簡素になっている部分もあったが、メインの脱臭機能は健在だった。ペットが居る家庭に限らず、匂いが気になる場所や部屋には効果的な製品として推薦する。とくに、ペットはかわいいけれど、匂いで悩んでいる人にとっては、匂い対策の1つとして検討してほしい製品だ。

伊達 浩二

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