家電製品ミニレビュー
KOIZUMI「オーブントースター KOS-0700」
KOIZUMI「オーブントースターKOS-0700 |
わずか食パン1枚ほどが入る小さな庫内、天面にはふた付きのプレートがあり、キュートなデザインに思わず見惚れて買ってしまったのがKOIZUMIのオーブントースター「KOS-0700だ。
これまで使用していたオーブントースターはピザストーン付きで最大1,300Wのハイパワー。けれども、トースト1枚焼くにはムダなエネルギーを使い過ぎるし、焼き時間が長いのが気になっていた。そのため、トースト専用の小さなトースターを探していたのだが、いわゆるポップアップタイプでは大好きなチーズトーストは焼けない。オーブントースタータイプでできる限りコンパクトなものを物色中に、お眼鏡にかなったのがこのKOS-0700だ。
メーカー | KOIZUMI |
製品名 | オーブントースター KOS-0700 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入価格 | 2,480円 |
目玉焼きも同時に焼けるというところはご愛敬だが、普通のオーブントースターでも上面のヒーターの熱で上部はかなり熱くなるもの。その熱を利用して料理もしようという発想が楽しい。さて、その実力やいかに? わくわくの調理模様をご紹介しよう。
■トースト&目玉焼きの作り方にはコツがある!?
KOS-0700には上面に220Wのヒーターが2本、下面に260Wのヒーターが1本ついている。ヒーターは、上面、両面、下面の3段階に調節可能で、両面ヒーターを使用した際の最大出力は700Wだ。出力だけを聞くと、一般的なトースターに比べると抑えめに感じるが、庫内サイズが150×150×100mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトなので、あっという間に高温になり、熱効率が高い。
取扱説明書を見ると「庫内と天面トレーの調理仕上がり時間は異なります」とあり、天面トレーでの調理に時間がかかることが予測される。そこで、天面プレートで目玉焼きを作る場合は、ヒーター機能を「両面」にセットしてタイマーを回し、30秒ほどして天面のプレートが温まったところで、卵を投入した。天面プレートに、オリーブオイルを薄くのばしてハムと卵を投入したら、熱が逃げないようにすぐにふたをした。
ヒーターは上面、両面、下面の3段階に調節が可能 | 天面プレートでの調理には少し時間がかかるので、トーストの前にハムや卵をセットするのがベター | 熱が逃げないように天面プレートにふたをしたら、食パンを投入 |
ここまで完了したところで食パンを庫内に入れ、焼き上がりの様子を見守ったのだが、「天面トレーを温める=庫内も予熱」ということになっていたからか、パンの方は2分半ほどでちょうどよい焦げ目に焼き上がってしまった。
ここで食パンを取り出し、天面トレーのハムエッグの具合を確認してみると、まだ黄身には火が通っていない様子。そこで、水を大さじ1杯程度入れてふたをし、ヒーターを上面に切り替えて蒸し焼きにすることにした。
食パンが焼けたら取り出し、上面ヒーターのみに切り替える | 下面ヒーターがオフになって、上面ヒーターだけになったところ | 途中で少し水を入れてフタをし、蒸し焼きにすると早く焼ける |
食パンにバターをのせて再び庫内に戻し、バター溶けるのを待つ |
一方、焼けた食パンにはバターをのせて、庫内に再投入。上面ヒーターの熱でほどよくバターが溶けたころに天面のふたを開けると、目玉焼きはちょうど食べごろの状態。予熱も含めて5分強でトーストとハムエッグが出来上がった。このあたり、両面→上面のヒーターの切り替えや、天面トレーと庫内での調理の順番には慣れが必要かもしれない。
■ベーグル上下2枚とベーコンエッグが同時に焼けた!
続いて試したのは、ベーグルとベーコンエッグの組み合わせ。庫内には、食パン1枚しか入らないので、上下に切り分けたベーグルを同時に焼くことは不可能だが、庫内の方が焼き上がりが早いので、ベーグルを2枚続けて焼いても天面トレーで焼いたベーコンエッグとほぼ同時の焼き上がりになる。この場合は、2枚目のベーグルを投入する際にヒーターを切り替えずに、そのまま両面ヒーターで焼き上げるのがポイントだ。
薄切りトーストを2枚食べる人なら、2枚目のトーストが焼けるころに目玉焼きができるだろうし、「まだ焼けない」とカリカリしないで楽しんで使うことが肝要だろう。
ベーグル上下2枚も、ベーコンエッグと同時に次々と焼き上がる | 水を入れないで焼いた目玉焼き | ベーグルのベーコンエッグサンドの出来上がり |
続いて試してみたのが、冷凍の丸餅。年末に毎年実家から大量に届くのだが、食べきれずに冷凍することが多い。今年も例年同様、冷凍室には丸餅が眠っており、なかなか減らない。一度冷凍した餅は、小鍋でゆでて解凍し、鍋やお雑煮に入れて食べることが多いのだが、焼いて磯辺巻きにできたらうれしい。
庫内用のアルミトレーにクッキングシートを敷き、冷凍室から出したばかりの丸餅を2個並べて両面ヒーターで焼いてみた。思ったよりも上火が強く、みるみるうちにクッキングシートが黒こげに近い状態になり、慌ててアルミホイルに取り換えて、そのまま様子を見ることに。5分程度で焦げ目がついてきたので取り出してみると、底面はまだ冷たさが残り、水っぽい。
そこで、ヒーターを下面のみに切り替え、さらに5分ほど焼くとぷっくりと餅がふくれ、焦げ目の間からやわらかそうな中身が顔を出した。取り出してみると、上下ともにこんがりと焦げ目がつき、左右に引っ張るとぐーんとのびて、見事な焼き上がりだ。醤油をつけ海苔を巻き、念願の磯辺巻きを味わうことができた。これは焼き具合によってヒーターを切り替えられるからこその勝利だろう。
付属のトレーは、黒いものが天面用、アルミ製が庫内調理用 | 冷凍の丸餅も焼いてみる | クッキングシートがすぐに黒焦げになってしまったので途中でアルミホイルに変更した |
■おすすめはヘルシーで簡単な「鮭のホイル焼き」
一人暮らしにもぴったりの大きさのミニオーブントースター、せっかくなので仕事から帰って疲れていても簡単にできるメニュー「鮭のホイル焼き」をご紹介しよう。
これまでわが家でも大きなオーブントースターで1度に3~4人分作ったことがあるが、このKOS-0700なら、ちょうど1人前の分量がトレーにのる。作り方は20cm四方のアルミホイルの真ん中に、生鮭の切り身、エノキなど好みのキノコ類、ネギなど冷蔵庫の残り野菜を置き、料理酒(または白ワイン)を少々ふり、塩コショウしてバターを一かけのせたら、具材をふんわりと包むだけ。
鮭とキノコのホイル焼きに挑戦 | 庫内プレートはちょうど1人分のホイル焼きがのる大きさ | だいたい12~13分でOK |
庫内トレーにのせてタイマーを10分強にセットして蒸し焼きにすれば出来上がりだ。レモンをしぼったり、好みでポン酢しょうゆをかけたりするとおいしい。
取り出すとちょうどよく蒸し焼きになっていた | 遮熱版を兼ねたくず受け皿。パンくずで汚れたら、手前に引き出してお手入れを |
ルクエなどを使い、電子レンジでも同じような調理ができるが、レンジ用の調理容器を使わなくとも、気軽に調理できるのは便利だ。
なお、今回は「KOS-0700」を購入したが、2011年11月にはこの後継機種となるKOS-0701が発売されている。下面ヒーターのW数が大きくなり、両面ヒーター使用時の消費電力が800Wとアップしたこと、庫内の奥行が4.5cm広くなり、山型トーストも焼けるようになったことなどが変更点となるが、基本的な使い勝手は変わらないだろう。このレビューを購入の参考にしていただければ幸いだ。
2012年3月21日 00:00