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日立、高級IH炊飯器「打込み鉄釜」の真髄を語る


RZ-HV100K
 日立アプライアンス株式会社は、同社が7月12日より発売するIH式炊飯器の最上位機種「打込み鉄釜 はやくてうまい極上炊き RZ-HV」の製品説明会を、3日、報道関係者向けに行なった。価格はオープンプライスで、5.5合炊きの「RZ-HV100K」が8万円前後、1升炊きの「RZ-HV180K」が83,000円前後。

 RZ-HVは、米が本来持つおいしさを十分に引き出すための炊飯コース「極上炊き」について、炊飯時間を半分以下に短縮した点が一番の特徴。従来製品は約90分かかっていたが、これを約44分に縮め、かつ従来製品と同じおいしさに炊きあげられるという。

 日立アプライアンス株式会社 家電事業部 家電事業企画本部 事業企画部 部長代理の永田利博氏は、炊飯時間の短縮を狙ったことについて、「従来製品の『極上炊き』は、ユーザーより“大変おいしい”“毎日助かっている”という声がある一方で、“もう少し早く”という意見があった」ことを一番の理由としている。


米のおいしさを引き出す「極上炊き」コースにかかる時間を、おいしさはそのままに短縮。従来の約90分から約44分になった ユーザーからも「おいしいが90分の炊飯時間は長い」という声が聞かれていたという 日立アプライアンス株式会社 家電事業部 家電事業企画本部 事業企画部 部長代理 永田利博氏

 炊飯時間の短縮は釜がポイントとなっている。釜には発熱/蓄熱/断熱性能に優れ「IH式の加熱にもっとも適した素材」(永田氏)という鉄を採用。さらに、釜内部の基材には、従来のステンレスから約3倍の熱伝導率を持つ鉄(炭素鋼)を使用する。これにより、熱を効率よく釜内部に伝えることで、米の浸し時間を短縮。従来製品では浸し時間が50分のところを、本製品では16分に大幅に縮めた。従来では、米を低温の水で浸して内部まで水を吸水させていたが、本製品では米が湖化(α化)しないよう水温を60℃弱に保つことで、素早い吸水が可能になった。

 ただし「浸し時間が16分というのは、絶対的に時間が足りない」(永田氏)ことから、本製品では沸騰前から圧力を掛けることで、吸水速度を高めている。


内釜は鉄製の「打込み鉄釜」
約2,000℃に溶かした鉄を吹き付けて作られる 釜内部の基材に、熱伝導率の高い鉄(炭素鋼)を採用する

米が炊きあがったところ
会場では試食も行なわれた。右は他社の炊飯器で炊いたごはん

 本製品のもう一つの特徴が、蒸らし行程で使用する高温スチーム用の水を別途用意せずに使える「給水レス オートスチーマー」。これはふたを「ふた加熱板」「プレート」の2重にすることで、プレートに開いた穴から水蒸気を取り込み、ふた加熱板で結露させ、水滴を溜め込むというもの。蒸らし行程では、ふた加熱板を熱することで、釜内部にスチームを放出する。このスチームにより、ごはんの余計な水分を取ってふっくら・しっとりと仕上げることができる。また、蒸らし行程の最初からスチームを使えるようになったため、「極上炊き」コースの蒸らし時間を20分から16分に短縮する。


フタはスチームを溜め込む二重構造。本体からは簡単に取り外せる 炊飯時の水蒸気を使うことで、給水なしでスチームが噴出できる ふた加熱板には写真のように水滴が溜まっている。ふた加熱板を加熱することで水滴をスチームに変える

 省エネに貢献する機能としては、スチームで保湿・雑菌の繁殖を抑えながら、通常の75℃程度から60℃程度で保温する「エコ保温」モードを搭載する。このエコ保温機能や、釜の発熱効率の向上などによって省エネ性能が向上。2008年度の省エネ目標に対する達成率は103%となった。永田氏は「どのメーカーでも、炊飯器で省エネ達成率100%を超えている商品はない。これを我々は業界で初めて達成した」(永田氏)と強調した。

 永田氏はまた、日立の炊飯器の購入者に対するアンケートにて、購入理由の上位に「圧力」「内釜」「スチーム機能」を挙げる声が上位を占めたことを指摘し、「これらの3つの要素をすべて備えた製品は日立だけ」とアピールした。


通常よりも低温で保温する「エコ保温」 省エネ達成率は103%。業界で100%を超えているのは日立だけだという 従来機種の購入者アンケートでは、「圧力」「内釜」「スチーム機能」を挙げる声が多かった

「圧力」「内釜」「スチーム機能」の3つの機能を備えているのは日立だけだという
五殻米やパエリアも作れる

 会場では、5月20日に発売したスチームオーブンレンジ「デリシャス調理 ヘルシーシェフ MRO-DV200」も展示され、器を除いた食品を量り、最適な温度で温める「わがや流あたため」、高い熱伝導率を持ち、両面が同時に焼ける「はかって両面グリル皿」、冷蔵・冷凍食品を同時に加熱できる「2品同時あたため」などの機能の実演が行なわれた。

 日立アプライアンス株式会社 家電事業部長付 深水祥光氏は、「打込み鉄釜」と「デリシャス調理 ヘルシーシェフ」について「性能と品質感にこだわった新提案」と自信を見せた。また、調理家電を開発するうえでのポイントについては「対象物である食材をしっかりと見たうえで、最適なシークエンス(順序)で加熱や炊飯を行なうこと」を挙げた。


スチームオーブンレンジ「デリシャス調理 ヘルシーシェフ MRO-DV200」 食器に盛られた食材だけを量れる「わがや流あたため」機能を搭載。食材を適度に温められる 両面が焼ける「はかって両面グリル皿」。余分な油が落とせる点も特徴

冷凍・冷蔵食品を同時に加熱できる。なお、冷凍食品は必ず左側にセットする 日立アプライアンス株式会社 家電事業部長付 深水祥光氏




URL
  日立アプライアンス株式会社
  http://www.hitachi-ap.co.jp/
  打込み鉄釜 ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/06/0628b.html
  デリシャス調理 ヘルシーシェフ ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2008/04/0416a.html
  炊飯器関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/rice.htm

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第8回:省エネ達成率とは(2008/07/02)


( 本誌:正藤 慶一 )
2008/07/03 16:15

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