日立アプライアンス株式会社は、食器を除いた食品の正味重量を測って、好みの温度に仕上げるスチームオーブンレンジ「デリシャス調理 ヘルシーシェフ MRO-DV200」を、5月20日より発売する。店頭予想価格は11万円前後。
電子レンジ/オーブン/グリル/スチーム/過熱水蒸気という5種類の加熱方式を搭載し、これらを組み合わせて調理するオーブンレンジ「ヘルシーシェフ」シリーズの最新モデル。同社によると、従来モデル「MRO-CV200」のユーザーからは、庫内の大きさなど全体的に高い満足度が得られたものの、レンジやオーブンでの加熱ムラに対する問題が未解決だったため、本製品ではオート加熱の性能アップにこだわったという。
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今回発売される「デリシャス調理 ヘルシーシェフ」シリーズ。右2つが上位機種の「MRO-DV200」、左が下位機種の「MRO-DV100」
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MRO-DV200 パール
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MRO-DV200 ワイン
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従来製品「MRO-CV200」では、ユーザーからの満足度が高かったという
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本製品ではこれまで未解決だった加熱ムラにスポットを当てた
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まず、新たに「わがや流あたため」機能を搭載した。これは、茶碗や皿、カップなどの重量と位置を、本体底部に備えられた「トリプル重量センサー」で検出し、器を除いた食品そのものの重量を算出し、食品が多いときは強め/少ないときは弱め、といったように火加減と加熱時間を自動的に調整するというもの。これによって、食器の大小、食品の量に関係なく、最適な温度に温められるという。また、できあがり時の温度の高低を5段階に設定することもできる。
使用法は、前もって本体に重量を登録しておいた器に食品を入れ、本体の「わがや流」ボタンで呼び出し、「あたため」ボタンを押す。登録容器数は最大20個まで。ごはん/汁物/牛乳/おかず/お酒/冷凍ご飯の6つのカテゴリーに分かれている。
この「わがや流あたため」は、メニューに応じてレンジ/オーブンなど5種類の加熱方式と連携した調理が可能。同社ではこれを「デリシャス調理」加熱システムと呼んでおり、業界で初の調理機能としている。
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これまでは食器や食品の量によって、温まり具合に差があった
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重量センサーが、食器を除いた食品の重量を計測。火加減、加熱時間をコントロールし、最適な温度で仕上げる
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まずは、本体の「容器計量」ボタンで食器を登録、わがや流ボタンで呼び出して加熱する
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ごはんに温度センサーとつけて、「わがや流あたため」中の温度を計測
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適温の70℃あたりでちょうど運転がストップした
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食品それぞれに適した加熱温度がある
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仕上がりは5段階に設定可能
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メニューに応じて、5種類の加熱方式と連携した調理が可能。同社では「デリシャス調理」と呼んでいる
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まあ、本体内に置くトレーを、従来の鉄素材のものから、約3倍の熱伝導率を持つアルミニウム製の「はかって両面グリル皿」に変更した。これにより、庫内上面のヒーターからの輻射熱と背面の熱風ヒーターの熱により、グリル皿は素早く高温になる。マイクロ波も通す仕様になっているため、レンジでの使用も可能。これにより、従来は難しかった食品裏側の加熱もでき、両面を同時にこんがり焼ける効果がある。
さらに、重量センサーにも対応しているため、付属のレシピと異なる分量で調理した場合でも、常に最適な状態に焼き上げられるという。このほか、グリル皿の表面には波形の溝が入っており、ここで加熱中に余分な油が切れるため、仕上がりをヘルシーにできる。皿の表面はフッ素加工で汚れが落ちやすく、また脚を折りたたんで収納性を高くすることもできる。
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アルミニウム製の「はかって両面グリル皿」を新たに搭載
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熱伝導率は、従来の鉄製のものよりも約3倍
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重量センサーにも、5種類の加熱にも対応する
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「はかって両面グリル皿」で調理したハンバーグ。裏面もしっかり焼けている
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従来製品のグリル皿では、裏面に焦げ目がつかなかった
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脚は折りたためる
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このほか、異なる食品を同時に温める「2品同時あたため」機能を強化し、冷凍食品と冷蔵食品を一緒に温め、同時に仕上げられるようになった。本製品では、庫内に置かれた冷凍・冷蔵食品の重量と位置をトリプル重量センサーが測定し、温度の低い方にマイクロ波を強く送るよう、マイクロ波の拡散アンテナを最適に制御。これにより、冷凍・冷蔵食品を同時に適温に仕上げるという。
省エネ性能にもこだわった。マイクロ波のアンテナ制御を最適化したほか、本体上部と背部には放熱を抑える4層の断熱構造を採用。さらに予熱時の電力量も抑えてオーブンの加熱効率を向上した。これらにより、1年間の消費電力量は66.8kWhとなり、同社では省エネ性能業界No.1としている。8年前の機種「MRO-A1」と比べると、消費電力量を約25%削減、CO2排出量を約10kg削減した。
従来製品からの変更点としては、ほかにも、オーブンが200℃に達するまでの予熱時間が約10%短縮し、オーブン/グリルの最大火力も320℃まで向上するなどがある。なお、フライパンやガスグリル調理に比べてカロリーや塩分を抑える「ヘルシーアップコース」、酸素に弱い栄養素を守る「低酸素調理」といった機能は、従来製品から継承する。また、「業界No.1」「業界トップクラスの薄型設計」を謳う庫内容量33L、500×444×400mm(幅×奥行き×高さ)の本体サイズも従来製品と同一となっている。
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冷凍食品と冷蔵食品は、温めに必要なエネルギーが異なるが、本製品では冷凍・冷蔵ともに最適なマイクロ波が送られるように制御された
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本製品(左)と、重量センサーがなく赤外線センサーだけが備わった従来製品で、冷凍されたご飯・冷蔵された惣菜を加熱するデモ
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この結果、冷凍ご飯と惣菜の温度差は、従来製品よりも本製品の方が差が少なく、しっかりと温まっていることがわかる
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1年間の消費電力量は66.8kWhとなり、「業界No.1」の省エネ性能を謳う
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「業界トップクラス」の奥行きと省スペースだという
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庫内容量の33Lは、従来製品と同じく、「業界No.1の大容量」
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本体重量は20kg。レンジの出力は1,000/800/600/500/200/100Wに設定可能。消費電力はレンジ時で1,450W、オーブン/グリル時で1,390W。320種類のレシピが掲載されたクッキングガイドブックも付属する。本体カラーはパールとホワイトの2色。
下位機種として、本製品から「はかって両面グリル皿」を省いた「MRO-DV100」も同時に発売する。店頭予想価格は7万円前後。
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日立アプライアンス株式会社 家電事業部長 石井吉太郎常務取締役
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日立アプライアンス株式会社 家電事業部長の石井吉太郎常務取締役は発表会にて、日立のオーブンレンジ全体の業界内のシェアを公開。2006年度は13%だったのが、2007年度は15%へとアップし、さらに直近1カ月に限ると約20%に達する好調さを見せていることから「2008年度は通年で20%を目指す」と語った。また、スチームオーブンレンジに限れば業界2位となる35%、高級価格帯では14%のシェアであることを明らかにし、2008年度は前者は40%、後者は20%を目標として掲げた。
また、同社の高級価格帯の家電製品のコンセプトとして、2007年度は「こだわり消費にこたえるプレミアム商品」を掲げていたが、今年はこれに「省エネ(エコ)+使い勝手への気配り」を加えること発表。「8月にはエコを推進する洞爺湖サミットも予定されており、消費者も製品の省エネ製に関心を持っている。MRO-DV200ももちろんこのコンセプトに沿って開発された」と、地球環境問題への配慮を見せた。
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下位機種の「MRO-DV100」も同時に発売する
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「ヘルシーアップコース」なら、余分な脂や塩分を落とすことができる
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ピザやクッキーなども焼ける
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会場ではMRO-DV200で調理したハンバーグが振る舞われた
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日立の高級価格帯家電のコンセプトは、これまでの「こだわり消費にこたえるプレミアム商品」に「省エネ(エコ)+使い勝手への気配り」を追加した
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■URL
日立アプライアンス株式会社
http://www.hitachi-ap.co.jp/
■ 関連記事
・ 日立、健康調理機能を強化した業界最大容量のオーブンレンジ(2007/06/28)
・ 家電製品レビュー 日立「ヘルシーシェフ MRO-BV100」(2007/06/06)
( 本誌:正藤 慶一 )
2008/04/17 00:07
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