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テスコム「バターメーカー LB-12」
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小学生の頃、遠足で訪れた牧場で作ったバターの味が忘れられない。10年以上経った今でも、とにかく「おいしい!」と思ったのを覚えている。最近になって急にそのことを思い出し、どうしても手作りバターが食べたくなったので、ネットでバターの作り方を調べてみた。
バターというのは、瓶に生クリームと食塩を入れて振ればできるらしい。試しに書いてあるレシピどおりに作ってみたのだが、“ひたすら瓶を振り続ける”という工程で音をあげてしまった。瓶をひとりで20分以上振り続けるというのはどう考えても苦行だ。結局、バターはうまく固まらず、筆者の元に残されたのは“バターもどき”と右腕の筋肉痛だけ。「こんなにしんどい思いをするのならスーパーへ買いに走ったほうがマシ……」と考えたのは言うまでもない。
しかし筆者の手作りバターへの熱は冷めず、「電動ならうまくいくはず!」と思いながらネットを徘徊していると、良さそうなバターメーカーを見つけた。
メーカー | テスコム |
製品名 | バターメーカー LB-12 |
希望小売価格 | 6,090円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,350円 |
● 生クリームと水を入れてスイッチを押せばOK
最初に容器を本体にセットし、バターをかき混ぜるかくはん羽をセットする。次に、生クリーム、水もしくは食塩水の順で、それぞれの水位線まで入れる。水位線は生クリーム100ml、水60mlの分量になっており、できあがるバターは40g。計量カップいらずなのがうれしい。これより少ない量で作る場合も、生クリームと水の割合を5:3にすればいい。
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本体と容器がカチッとはまっているか確認する
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この部分がクルクル回転してかくはんする
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かくはん羽をかぶせるところ。とくに引っかけるところはない
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使用する生クリームと水は室温18~20℃の場所に20分ほど置いておく。冷たいままだとバターができにくく、時間がかかってしまう。もう1つ注意したいのが、使用する生クリームの種類。乳脂肪分が45%以上の「クリーム」を選ぼう。クリームの種類については、パックの側面に記載があるが、食品の種類が「乳等を主要原料とする食品」となっている生クリームの使用は避けよう。
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生クリームと水は室温に戻す。塩を入れる場合は、必ず水に溶かすようにする
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容器にラインがついているので、計量する手間が省ける
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食塩水を加えても、見た目に大きな変化はない
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フタを容器に載せ、時計回りに回してセットする。フタの突起をスイッチの突起の奥に入れれば準備完了だ。
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フタはしっかり閉める。写真の状態は外したところ
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フタの突起とスイッチの突起を合わせることで、安全装置の役割も果たす
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● 動作音はミキサーと同じようなもの
スイッチを押すと、いよいよかくはん開始。スイッチを離すと止まるので、手は離さないようにしよう。途中で止めるとバターができあがらない場合もある。
説明書には約1~2分で分離が始まり、さらにかくはんを続けるとバターができると書いてある。最初は生クリームと水が混ざりあって液体の状態だが、1分半後には分離が始まった。分離するまでは「大丈夫かな」とヒヤヒヤしながら見ていたのだが、急にバターの塊が出現したときはほっとした。
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「押す」の書かれた部分を押すとスイッチが入る
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スイッチを入れてすぐの様子。容器の中身はまだクリーム状のまま
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1分半後、急にバターの塊ができ始めた。思った以上に水分が出ている
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3分以上は連続して運転しないようにと説明書に書かれているが、約2分で完成した。動作音は決して静かとは言えないが、びっくりするほどうるさいわけでもない。ミキサーを使用する際と同じ程度だ。もちろん、このバターメーカーはバター作り専用なので、フードプロセッサーの役割は果たさない。
● 水分をしっかり取り除くのがポイント
バターができたら、フタと容器ごと反時計回りに回して本体から取り外す。そのまま逆さにして、分離して出てきた水をフタの穴から捨てよう。水を捨てたらフタを外し、へらでバターを器に取りだす。このとき、かくはん羽を引き出すと、バターをキレイに取ることができる。
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この水は「バターミルク」と呼ばれ、栄養価が非常に高いのだが、今回は利用法がないので捨てた
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水は捨てたのだが、まだ水分がたくさん残っている
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バターをおいしく仕上げるコツは、水分をしっかり取り除くこと。ガーゼに包んで水分を絞ってもいいし、へらなどでかき混ぜて出てくる水分を抜いてもいい。
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へらで水分を押しだしたバター。これで完成
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出来たてのバターをさっそく試食してみると、しっかりバターの味がする。生クリームと水を混ぜただけなのに、コクがあってなめらかなな仕上がりだ。味は市販のものとそれほど大差はないが、手作りしただけあって普段よりもおいしく感じられる。
できあがったバターは30分後から劣化が始まるので、できるだけ早めに食べてしまおう。残った場合は冷蔵庫に保管して、2~3日以内に食べきらなければいけない。保存料や添加物を使用しない手作りだからこそ、この点には気をつけよう。
クリームには2種類あると先に述べたが、今回は「乳等を主要原料とする食品」でも作ってみた。仕上がりの見た目や味はそれほど変わりないのだが、かくはん時間が長かった。
「クリーム」が2分で出来上がるのに対して、「乳等を主要原料とする食品」は5分かかり、3分以上回してはいけないとあるのだが、思い切って使い続けた。おそらくモーターに負担がかかるので、3分以上の駆動を止めさせているのだろう。バターメーカーを長く使用するためにも、生クリームの種類は指定されたものを使ったほうがいい。
● 生クリームだけで作ると濃厚な味わいに
次は水を入れずに生クリームだけでバターを作ることにした。
作る手順は先ほどとまったく同じ。せっかくなので無塩バターを作ろうと思い、食塩は使わずに作ってみた。
出来上がる時間は水を入れた場合よりも1分ほど延び、約3分かかった。見た目は、水を混ぜたバターとほぼ変わらないが、食べてみると少しもったりした濃厚な味わいだった。さすがにこのまま食べると胃もたれしそうな気がしたので、中にいろいろと混ぜ合わせてみた。
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生クリームを160ml入れてみた
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かくはん中だが止めてみると、中にドロドロのバターが現れた
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● 手作りだからこそいろんな種類のバターが作れる
そのままパンに塗って食べられる有塩バターは、くるみやアーモンドなどを混ぜて木の実入りバターとしてもいただいた。また、塩気のない無塩バターは、甘栗を混ぜてマロンバターにしたり、レーズンを混ぜてレーズンバターにするなど色々なバリエーションを作ってみた。
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普通のフランスパンも、これだけバターの種類があればパーティー気分
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そのままパンに塗って食べられる有塩バターは、くるみやアーモンドなどを混ぜて木の実入りバターとしてもいただいた。また、塩気のない無塩バターは、甘栗を混ぜてマロンバターにしたり、レーズンを混ぜてレーズンバターにするなど色々なバリエーションを作ってみた。
変わり種バターは最後に材料と混ぜ合わせるのが基本で、混ぜ合わせたものを棒状に伸ばして、冷蔵庫で10分以上固めてから輪切りにするとおつまみにもなる。パッケージと説明書には、ハーブバター、ガーリックバター、ブルーベリーバター、明太子バターなど、全部で9種類のバターが紹介されている。
どのバターも普段食べているバターとは違い、見た目にも楽しい。味見と言いながら、パンに塗ってついたくさん食べてしまった。
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木の実入りバターは木の実の食感が面白い
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レーズンバターはクラッカーなどに載せてもおいしい
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マロンバターはメープルシロップなどを混ぜて甘くしてもよさそう
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● コストはかかるがオリジナリティを求める人にオススメ
はっきり言って、市販のバターを買うよりはかなり割高になる。スーパーでは200g350円ほどでバターが売られているが、このバターメーカーで200g作るとなると、生クリーム代だけでも1,600円前後。プラス混ぜ込む材料のコストとなると、日常的に使うのは厳しいだろう。
しかし、家に人を招いて食事をするような“特別な日”にだけ使うのなら、役立つこと間違いなしだ。オリジナルレシピのバターとクラッカーだけでも立派なおもてなしになる。また、手作りバターを使った料理を振る舞えば、ダブルの手作り効果で客人のハートをガッチリ掴めるだろう。
また、手作りならではの利点として、塩分などを微調整できるという点もある。家族のなかに塩分を気にしなければいけない人がいる場合にはお勧めだ。
“健康”“おいしい”という2つのキーワードが魅力の手作りバターに、ぜひ一度チャレンジしてほしい。
■URL
株式会社テスコム
http://www.tescom-japan.co.jp/
2009/01/16 00:00
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