今年も残すところあと1カ月となったが、読者諸兄の皆様は来年のカレンダーはもう用意されただろうか。1年に1回しか使わないものだからこそこだわりたいという人もいれば、銀行やお店でもらうもので充分なんて人もいるだろうが、山のように種類があるものだけに、何を選んだらいいのか分からないなんてこともあるだろう。
今回は「年末特別企画」と称して、そんなカレンダーの中から、編集部員がセレクトした個性的な3製品を、以下に紹介する。この中から、2009年における“1年限定のパートナー”が見つかれば幸いである。
■ トライエックス「puti puti 365 days calendar」 by 伊藤 大地
■ アルタ「6万円貯まるカレンダー プラス型」 by 正藤 慶一
■ Lbtd「文化と遺跡カレンダー 2009」 by 阿部 夏子
● ストレス解消専用の“プチプチ”を使ったカレンダー

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puti puti 365 days calendar
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なんとはなしに指でつぶして、プチプチプチ……。
皆さんも一度は経験があるだろう。そう、梱包用のエアキャップ、通称“プチプチ”は、最高の暇つぶしである。今年は、何度つぶしてもプチプチを楽しめるアクセサリ「∞(無限)プチプチ」なんてグッズが流行ったりもした。しかし、「無限」はやっぱり邪道だと思う。限りあるプチプチを惜しみつつ、順につぶしていく、その寂寥感と快感の絶妙なコントラストとハーモニーが楽しいのであって、同じ部分を無限につぶし続けるのはただの作業だ。
あの限りある快感をカレンダーで味わえるのが、2009年のカレンダーに選んだトライエックスの「puti puti 365 days calendar」だ。
メーカー | トライエックス |
購入店 | 東急ハンズ新宿店 |
購入価格 | 1,785円 |
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カレンダーは短冊形。台紙から1カ月分を切り離して使う
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プチプチをめくれば予定を書き込むこともできるが……
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もう一度プチプチをかぶせると、なにがかいてあるのかよくわからなくなる。実用性は低い
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ストレス解消専用のプチプチを、1日に6つもつぶせる喜び。これこそがこの製品のキモだ
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1日経つごとにプチプチをつぶしていく、そんなカレンダーはこの製品だけでなく、輸入物も含めて複数ある。しかし、この製品を選んだのは、なんといってもプチプチそのものの質が保証されているからだ。
このカレンダーに採用されたプチプチは、“プチプチ”の商標も持っている川北産業によるもの。なんでも、ストレス解消専用につぶし心地やつぶしたときの音をチューニングした、「プッチンスカット」を採用しているという。プッチンスカットは梱包材としてではなく、ストレス解消グッズとしてコンビニで単体販売されているブランド品である。
「インテリアに」などとは書いてあるものの、カレンダーのデザインは正直言って、パッとしない。
だが、それを補ってあまりあるのが、ストレス解消専用のプッチンスカットが短冊形のカレンダーになって、1日に6個もつぶせるという、この太っ腹な仕様だ。
今回、はじめてプッチンスカットをつぶしたが、専用品はやはり違う。まず、つぶしたときの音が、高くて澄んでいる。また、つぶれるまでに指に感じる抵抗も絶妙。梱包用のプチプチだと、クッション性を重視し、空気圧が低めで指で押し込んでもなかなかつぶれない玉があったりするが、プッチンスカットにそうした中途半端な玉はない。ほどよく指を押し戻し、こちらも「ここでもう一押ししたら来るな」と思った通りのところで、「パチーーン」とつぶれてくれる。快感である。
ちなみにこのカレンダー、プチプチ部分はめくれるようになっているので、日付の横に予定を書くこともできる。ただ、またプチプチをかぶせると見づらくなるので、実用性は期待しない方がいい。とにかく、つぶし心地一発、それがカレンダーになって毎日楽しめる――ただそれだけに価値がある。
とか言っているうちに、年も明けてないのに、1月分の半分近くをつぶしてしまった……。
■URL
株式会社トライエックス
http://try-x.jp/
製品情報
http://try-x.jp/shopping/item_detail.php?tmp_item_id=14692
● 1年後には6万円溜まっている!? 貯金箱スタイルのカレンダー

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「6万円貯まるカレンダー」。写真右が、投入金が1日1円ずつ加算していく「プラス型」。写真左が、投入金額が毎日変わる「シャッフル型」
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昨年のカレンダー特集では、「卓上 ザ・10万円カレンダー」を紹介した。そこで、今年も貯金式のカレンダーを紹介したいと思う。ん? 結局去年のカレンダーで金は貯まったかって? いやいや、貯まらなかったから今年も貯金式を取り上げるわけでございまして……トホホ……。
気を取り直して、今年の新作カレンダーを紹介しよう。名前は「6万円貯まるカレンダー プラス型」。家庭用雑貨を取り扱う株式会社アルタの製品だ。
メーカー | アルタ |
製品名 | 6万円貯まるカレンダー タワー型 | プラス型 |
購入店 | ロフト |
購入価格 | 1,029円 |
製品名には“6万円貯まる”と謳われているが、パッケージを良く見ると「66,795円」貯まると書かれている。このハンパな数字の理由は、その独特の貯金方法にある。貯金額が1円からスタートするが、それを1日1円ずつ増やしていくというもの。つまり、1月1日は1円貯め、1月2日には2円貯め……を繰り返し、12月31日には365円を貯めるというもの。この結果、1年後には66,795円が貯蓄されているというわけだ。
さらに特徴的なのが、本体に付属する折りたたみ式の貯金箱を組み立て、そこにコインを投入するという、いかにも“貯金箱”といった形をしているところだ。思えば、昨年の「ザ・10万円~」は、卓上のカレンダーにコインを埋め込むといったスタイルで、あまり貯金をするものというイメージがなかった(完全に責任転嫁ではあるが……)。ちなみにカレンダー自体は箱とは別で、付属のテープで貼り付ける。完全に貯金メインのスタイルなのである。
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「プラス型」はこんなパッケージで売られている
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写真のように自ら組み立てる。糊は使用しない
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組み上がったら、写真のような「封印」シールを貼って、途中でお金を取り出さないようにしている。剥がしたら呪われてしまいそうなおどろおどろしい字体を使っているのがポイント
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本製品とは別に、「6万円貯まるカレンダー シャッフル型」というのもある。これは、1月1日に1円、1月2日に2円……といった順番通りに投入するのではなく、1月1日は222円、1月2日は99円、といった感じで、投入する金額が日々ランダムに変わるのだ。こちらの方が変化があって逆に続けられることもできそう。こちらも貯金箱風のスタイルだが、付属のボンドで組み立てるスタイルになっているのも面白い。
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「シャッフル型」のパッケージ内容。何と付属のボンドを使って組み立てる
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同梱される輪ゴムは何に使うかと思いきや、ボンドの接着性を高めるため、貯金箱をグルグル巻きにするものだった
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貯金したお金を何に使うか、を記す「私の夢」の欄もある。組み立て後では書きづらいので、できればボンド付けする前に記入しておこう
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……お金を貯めるばかりの話になってしまったが、両製品とも両面テープ付きのカレンダーが封入されており、これを箱に貼り付けるスタイルになっている。日々の投入金額はカレンダーに記されており、投入したらチェックマークを付ける使用になっている。ちなみに両製品の箱に入る最大の金額は642,500円(500円玉 1,285枚で)。カレンダーに記された投入金額に必ずしも従う必要はなく、通常の貯金箱としても利用可能だ。
カレンダーのように身近なものを貯金箱にしてしまえば、なかなかお金がたまらないとお嘆きの方でも、小銭が余ったついでにヒョイと入れてしまえば、1年後にジャラジャラと小銭が一杯になった重たいカレンダーがそこにあるハズだ。私は昨年の“前科”があるので威勢の良いことは言えないが、普通に使える貯金箱兼カレンダーとして推薦したい。
■URL
株式会社 アルタ
http://www.aruaru.co.jp/index.php
● インテリアとして飾れる「文化と遺跡カレンダー 2009」

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野方電機工業「文化と遺跡カレンダー 2009」
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基本的に壁に張りっぱなしで使うものだから、デザインにはこだわりたい。というわけで私は“インテリアとして成立する”というのを基準にカレンダーを選んだ。カレンダー売り場にはポップなものから、写真を多用したものまで様々なデザインのものが並ぶが、今回こだわったのはポスタータイプのもので、日付プラスアルファの情報が得られること。
そういうタイプの製品でまず思いついたのは地図付きのカレンダー。学習塾の壁、実家のトイレなどでよくお目にかかるポスタータイプのカレンダーの王道デザインでもある。確かに情報を得られるし、地理の勉強にもなる……が、26歳女子の部屋に地図カレンダーというのはどうもいただけないな――と思っていたら、部屋に貼ってあっても“サマになる”地図付きのカレンダーを見つけた。
野方電機工業の「文化と遺跡カレンダー 2009」は世界地図が正面にどーんと記載されたいわゆる地図付きカレンダーでありながら“飾れる”カレンダーとして成立するデザインを併せ持つ。840×594mm(横×縦)という大きめなサイズも手伝って、部屋に貼ると一気に雰囲気が出る。
メーカー | 野方電機工業 |
製品名 | 文化と遺跡カレンダー 2009 |
購入店 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 3,675円 |
デザインを詳しく見ていくと、まずは、その渋い色遣いがポイント。濃いめの茶色と、薄い茶色で構成されたデザインは、かなり渋めで、イメージ的にはインディージョーンズに出てくる宝探しの地図のようだ。素材はクラフト紙だが、表面にシワ加工が施されているため一層渋さが増して、遠目には麻袋などの布地のように見える。カラフルに色分けされた実用一点張りの世界地図とはイメージが大きく異なる。
とはいえ、地図にはそれぞれ、国の名前は記してあるし、それぞれの国名の脇にはその国の遺跡や文化にまつわる著名な場所も記されている。デザイン一点張りのものよりも、知識として正確なものが記されていて、かつインテリアとしても成立するカレンダー。ここら辺のバランスも私的にはツボだった。
地図を詳しく見てみると、日本の場合だとJapanの脇に「Shirakamisannchi」「Yakushima」「Ise Jinnguu」の3カ所が記されている。一瞬世界遺産なのかなと思いきや、ユネスコに登録されている日本の世界遺産は14カ所あるので、世界遺産ではないようだ。記載に関しての記述は一切ないので、判断基準に関してはあいまいだ。まぁあくまでもインテリア雑貨なので、“知識を得る”というよりも“興味を促す”程度のものだとして考えたほうがいいだろう。
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Amazon.co.jpで購入した製品は紙管ケースの丁寧な梱包で届いた
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世界地図の表記は全て英語。JAPANの周りに記されている遺跡は「Shirakami Sanchi」「Ise Jingu」「Yakushima」の3カ所
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遺跡がたくさんあるエジプトは、場所が細かく記されている
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このカレンダーには、世界地図、遺跡の場所のほかにもう1つ、月の満ち欠けに関しての知識も記載されている。こちらはかなり細かくて、月々の日にちの脇に月の満ち欠けがそれぞれ絵柄で示されているのでかなりわかりやすい。日常で月の満ち欠けを気にすることはあまりないが、このカレンダーをみれば一発で今月の満月がいつなのか分かるので、ちょっと月を見てみようか……なんていう気になる。
予定をかき込む欄もなく、知識も日常には特に必要のないものだが、それだけに夢が広がる。生活に翻弄されてなかなか旅行にも行けないという疲れ切った人にお勧めだ。
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日付の欄には月の満ち欠けが毎日記載されている
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地図上部には日付変更線も記載されている
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サイズも大きいので部屋に貼るとかなり存在感がある
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■URL
野方電機工業株式会社
http://www.nogatadenki.jp/
製品情報
http://www.lbtd.jp/lbpc/0902.html
2008/12/01 00:01
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