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サーモス「真空断熱ケータイマグ JMK-500」

~冬のスタジアムで熱いコーヒーが楽しめる断熱マグ
Reported by 藤原 大蔵

サーモス「真空断熱ケータイマグ JMK-500」ブラック
 筆者はコーヒー好きでかつ大のラグビーファンである。ラグビーのシーズンは秋から春にかけてと寒い季節が中心。熱い試合を観戦しながら熱いコーヒーを飲むことは、寒い季節の大きな楽しみの1つだ。

 コーヒーは会場でももちろん手に入る。入場前なら会場近くの流行りのコーヒーショップに立ち寄って、好みのコーヒーを購入し持込むことも可能だ。しかし、寒空の下での4時間に渡る観戦の間、熱々のコーヒーをたっぷり楽しみたい自分にとって、紙コップに入ったコーヒーはまったくの力不足である。寒空の下での紙コップ入りのコーヒーは、10分もしないうちに冷めてしまい、悲しい飲み物に変わってしまう。

 しかも、座席は狭く、防寒の為に着膨れし身動きが取りづらい。座席の周りには荷物の他、応援の為の旗や鳴り物のグッズまで転がっている始末だ。手袋さえもはめたその手に、薄く心もとない紙コップに入ったコーヒーを飲むこと自体、かなり神経を使ってしまうのである。

 そこで今回は、大容量ながら携帯性に優れ、デザイン性も優れた、サーモスの真空断熱マグを購入したので紹介したい。

メーカーサーモス
製品名真空断熱ケータイマグ
品番JMK-500
希望小売価格3,675 円
購入店Amazon.co.jp
購入価格2,676 円


スッキリとした大容量のマグ。構造はいたってシンプル

 携帯できる量は480ml(16オンス)。有名コーヒーショップの量で言いかえるなら“グランデ”サイズだ。マグカップなら2杯弱の量が入る。外見の印象は、500mlのペットボトルを2回り大きくしたぐらいのスッキリとした円筒形といったところ。目立った装飾もなく、飽きのこないデザインである。今回はブラック色を購入したが、グレイッシュピンクを基調としたカカオ色もある。


左から本体、せん本体、フタ
 マグは大きく分けて、本体、フタと栓が一緒になった「せんユニット」で構成されている。飲み物を入れるには、せんユニットを開け、飲む時には、フタのみを開けて、専用の飲み口から直接飲む。栓もフタも同じ方向に回して、開けたり閉めたりするので若干の注意が必要。当然ながら、飲み物をバッグなどに入れる際には、せんユニットをしっかりと閉める。

 せんユニットは反時計回りに回して開ける。本体はヘアライン仕上げが施されており、ポリプロピレン製のせんは細かな梨地仕上げとなっている。力が入れやすくとても開けやすい。

 飲み物を注ぐ際は、本体内部のフチから約1.7cmのところにある出っ張りの約1cm下までが水位の限度。これを守らないと飲み物が溢れ出る原因となってしまう。

 開口部の口径は55mmと大きい。コーヒーサーバーやケトルから注ぎ入れる場合でも、飲み物をこぼすことなく確実に入れられる十分な大きさだ。また、大きめの氷もラクラク入れることができる。大きさにもよるが、コーヒードリッパーを直接マグ本体に乗せてコーヒーを直接淹れることも可能だ。


フチから約1.7cmの位置に出っ張りが施されている。飲み物を注ぐ際は、多くてもこの1cm下まで せんが開いた状態。ステンレスのネジ部分が見える 購入時は本体に3種類のシールが付いているが、いずれも簡単に剥がせる

ドリッパーを載せて、コーヒーを直接ドリップすることも可能 口径は直径55mmで、50x28x28(mm)の大きな氷もラクラク入る

飲むときはフタだけを開ける

本体とせんを同時に持ち、フタだけをまわして開ける。フタ部分は扇形に広がっているので手に馴染みやすい
 以上が飲み物を注ぎ入れる際の手順だが、実際に飲む場面では、せんユニットは開けずに、フタのみを開けて、その中にある飲み口から直接飲む。

 フタは本体をまっすぐに立てた状態で、本体と栓を同時に押さえ、フタのみを反時計回りに外す。この時、せんユニットを一緒に回してしまわないように注意しよう。

 フタを開けると、中にはポリプロピレン製の飲み口が付いている。飲み口に口をつけ、ゆっくりと傾けながら飲み物を飲む。

 フタはせんユニットとの接合部分から、外側へせり出ており、マグを側面から見ると、上部が扇形に広がったデザインとなっている。そのため指先で触れるだけで、どこからフタなのか認識しやすい。

 このデザインは、手袋をした状態で非常に役に立つ。実際にフリース製の手袋をつけた状態で扱ってみたのだが、せんユニットとフタ部分は滑ることなく、確実に扱えた。手袋をしたままでも、栓をしっかりと持ち、フタの開閉が問題なくできたのである。寒い屋外での利用も見据えたデザインだ。


手袋をした状態で開けてみる。せんユニットを開けようとすると滑ってしまうが、フタ部分は開栓できる。なお、回しているところが確認しやすいよう、本体に印をつけている

快適な飲み口のデザイン

飲み口には穴が4カ所開いており、360度、どこからでも飲めるデザイン
 さて、使用して特に良いと思ったのが飲み口の部分。形状がすこぶる優れているのだ。その特徴について、以下に箇条書きで述べる

1. どの向きからもでも飲める

 飲み口の内側には大きめの4つの穴が開いている。そのため、飲み口の位置を選ばず、どの角度からでも飲むことができる。飲み口の穴の位置を確認する必要がない。

2. 氷が入った飲み物でも、氷が飛び出さず、埃も入りにくい形状

 氷などの大きなものが飲み口から出てこないようストッパーがある。屋外での使用でも、埃なども入りにくい構造となっている。

3. 熱いものを飲む際に、上唇の先が飲み口に当たらない構造

 飲み口の先端と穴との距離は3.3cm。飲み口に唇を当てても、上唇の先は穴に触れないため、飲み物が出てくる際に、その温度を感じながら飲むことができる。

 熱い飲み物を飲む際には、唇に触れる直前のほんの少しの液体の温度を、鼻や唇の先端で感じ取り、人は注意しながら熱いものを飲む。しかし、一般的なマグでは、穴と飲み口の位置が近く、どうしても唇が穴に直接触れたり、唇で穴を塞いでしまいやすい。このようなタイプは、飲み物が口に入ってくる直前に、その温度が感じとるのが難しい。そのため、いきなり熱い飲み物が口腔内に注がれ、びっくりしてしまう場合がある。

 しかし、本製品ならそういったことが防げる構造になっている。傾けただけ中身が出てくるので、傾きを微妙にコントロールしながら対応できる。量が一定で出てくるものは、一見便利で安全にも感じるが、ちびりちびりと温度を確かめながら飲んだり、逆にゴクゴクと飲み干す快感も、実は制限されてしまうのである。


他社製の断熱マグ。飲み口は1つ 持ち運びに適したトラベルマグも飲み口はひとつ

飲み口が1つだと、中身が出てくる穴が小さく、出てくる量がボトルの傾きとあまり比例していない。しかし、本製品では比例して出てくるため、量のコントロールしやすい

温度変化も少ない

 さて、魔法瓶など保温を目的とする製品には、一般的に「保温効力」が記されている。このサーモスのマグも例外ではなく、パッケージには「保温効力とは、室温20℃において、製品に熱湯をせんユニット下端より約1cm下の位置まで満たし、その温度が95℃になった時からせんユニットを取り付けた状態で6時間放置した場合の温度です」と記されている。

 本製品の保温効力は「63℃以上(6時間)」。この効力は480mlのものではとても高い。63℃なら飲み物の温かさを十分感じられるだろう。

 しかしこのレビューの冒頭に書いたように、筆者の目的は寒空の下で、ある一定以上の時間の間、熱いコーヒーを楽しみたいのである。そこでかなり乱暴ではあるが、今回サーモスマグの保温効力を見るために、以下のような条件を設定し、保温能力をテストした。

 条件1: 測定する外気温は、屋外の真冬のラグビー場を想定し、気温は摂氏5℃以下とする。
 条件2: 測定時間は4時間。これはラグビーの試合は一日に最大2試合が行なわれ、移動時間も含めれば約4時間は屋外で過ごすため。

 ……とはいっても、季節はまだ11月。実際に真冬の5℃以下の環境は簡単に得られないので、代わりに我が家の冷蔵庫を使った。平均庫内温度は約4℃である。


 測定方法は、本体内に一旦沸騰したお湯を入れ、容器を十分に暖めてからそのお湯を捨て、さらに沸騰したお湯を注ぐ。フタを閉めて冷蔵庫に入れ、15分毎にその温度の変化を測定した。

 はじめに、中身のお湯を増減させることなく温度変化を測定した。以下の画像がその測定結果である。なお、比較のために、ファミレスの景品としていただいた、容量200mlのステンレス製の真空断熱水筒の温度変化も同時に測っている。温度は15分毎に冷蔵庫から取り出し、フタを開けてかきまわして測定した。

 4時間後、サーモスでは70℃近い値を示している。一方、景品でもらった水筒では、60℃未満。この時点で10℃ほどの差がついている。これはサーモスの方が容量が多いため保温に有利ということもあるが、基本的な保温能力はしっかりと確保していると言っても良いだろう。


他社製のボトルと保温効力を比較するため、熱湯を注ぎ入れたボトルを冷蔵庫で冷やし、15分毎に温度を測定する。 測定結果。4時間で約10℃ほど差が出ている

 次に、本製品に再び熱湯を注ぎなおしたうえで冷蔵庫に入れ、30分毎に50mlずつ減らし、温度の変化を見てみよう。

 結果は以下の通り。気温4℃の場所で、4時間後、残り130mlと少なくなっているのにも関わらず、60℃近く温度を保っていた。できたての熱々ではないものの、寒空のなかで飲めば十分に温かさが感じられるだろう。

 この2つの結果を見れば、実試用に十分応えられる能力があるといっても良いだろう。


続いては30分毎に50mlずつ量を減らして温度測定。30分毎の理由はチビチビと徐々に飲むため 4時間後も60℃近い温度を保つことができた。これなら実試用でも問題ない

コーヒーサーバーではなく、マグに直接ドリップした方が、温度を高くキープできる
 とはいえ、上記の測定は不純物の少ない浄水を沸騰させたもので、コーヒーや紅茶などでは、温度は下がりやすくなる。したがって、飲み物をできるだけ長時間温かく保つためにはいくつかのフォローが必要だ。

 まず、入れる前には十分にマグを暖めておくと良い。マグに熱湯を注いで1分間はしっかり暖めよう。また、コーヒーメーカーで淹れたコーヒーは意外と温度が低く、我が家で試したケースでは、淹れ立てでも68℃だった。マグに移す前に温め直しをするなど、一手間かけて、十分熱いコーヒーを入れたい。

 ちなみに、コーヒーの最適抽出温度は92℃のお湯といわれている。味が落ちぬよう、くれぐれもコーヒーを沸騰させないように。なお、ドリッパーを利用し、直接マグにコーヒーを詰めた場合の温度は86℃だった。


高い密閉性と携帯に便利なコンパクトサイズ

 最後になるが、本製品は携帯に便利。筆者が日々愛用しているトート型のカバンには、500mlサイズのペットボトルを、立てた状態で収納できるポケットがしつらえてあるが、そのポケットにもすっぽり入ってしまうぐらいコンパクトだ。

 試しに熱湯を480ml(満杯)入れ、わざと倒したり転がしてみたが、もちろん漏れることはなかった。もちろん、栓やフタをしっかり閉めておくのは忘れずに。


愛用のカバンには500mlのペットボトルポケットがあるが、ここにすっぽりと収まった フタが手に馴染みやすいデザインなので、指2本で取り出せる

屋内でも屋外でも活躍

 たっぷり480mlの量をコンパクトに携帯でき、飲み口、本体デザインの使用感も高い。さらに、保温性も上々だ。使う人を考えた、とても優れた製品と言えよう。

 ここでは主に屋外での利用を想定したが、室内の使用にもお勧めしたい。コーヒーならば、コーヒーメーカーの保温プレート上で保温はせず、出来上がったらこのマグにすぐに移し変えて保温してはどうだろう。電気をまったく使わずに長時間保温できるのはとても経済的だ。また、しっかり密閉して保温するので、飲み物が空気に触れにくく、味も落ちにくいと一石二鳥である。

 屋外でも室内でも、活躍の場が多い断熱マグだ。





URL
  サーモス株式会社
  http://www.thermos.jp/
  製品情報
  http://www.thermos.jp/Products/motion/JMK.html

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2008/11/18 00:02

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