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家電製品ミニレビュー |
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～肌にやさしい“プル剃り”シェーバー
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Reported by
本誌：伊藤 大地
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しかし、T字カミソリをまったく必要としないかというと、そうではない。電気シェーバーだとどうしても剃り残しが出るアゴ下を中心に、月に一度、T字カミソリで処理をして、スッキリするというのが習慣になっている。 そんな折に、登場したのが三洋電機の新型シェーバー、「PULL-SOLID」シリーズだ。この「PULL-SOLID(プルソリッド)」シリーズ、鉛筆を持つように握るため、グリップ部分が大きくくびれているのが特徴。一般的なシェーバーは、5本の指でしっかり握りしめ、肌に押しつけるスタイルだが、PULL-SOLIDでは、鉛筆のように持って、肌に軽く当て、“PULL”する、つまり引いて剃るスタイルが独特だ。競合製品にはないアプローチだが、この「PULL剃り」によってアゴ下をより剃りやすくなるほか、ムリに押しつけなくなり、肌への負担が減るという。
まず、本体から見ていこう。 根本的にシェーバーの持ち方自体を変える、というのは新しい発想だが、使う前まで不安もあった。ヒゲ剃りという、習慣となるまで繰り返した動作を、そんなに簡単に変えることができるのか。だが、ペンと同じ持ち方で実機を手に取ると、思った以上にしっくりと手に収まる。くびれた形状と、くびれた部分にある滑り止めがあるおかげで、「これはペンと同じように持つんだよ」というメッセージが、使い手に伝わってくる。 刃の構成は、外刃が長いヒゲをキャッチするためのトリム刃も含めて3枚、内刃は左右往復の刃が2枚ある。ヘッドの手前には、トリム用の刃を出し入れするためのスイッチが付いている。3枚の外刃にはそれぞれサスペンションが付いていて、力の入れ具合によって独立して浮き沈みする。刃の構成やサスペンション機構に関しては、この価格帯の製品としてごく一般的なレベルで、特筆すべき点はない。
さっそく、懸案のアゴ下から剃ってみよう。 なるほど、たしかに軽い感触でバリバリとヒゲが剃れる。ヘッドの角度は、グリップに対して、直角に近い80度、少し傾いた50度、普通のシェーバーに近い20度の3段階で調節できるが、アゴ下に関しては80度にすると非常に剃りやすい。持ち方が変わったせいで、今までのヒゲ剃りとは確かに感触が違う。剃った後のヒリヒリする感覚も、確かに“押しつけ”剃りより少ない気がする。 他のシェーバーと同様に、2～3回、アゴ下を往復させただけでは、やはり剃り残しがある。一発でツルツルになるT字にはやはりかなわない。だが、肌にやさしい分、念入りに往復する回数を増やせる。トータルで見れば、十分な性能を持っていると言える。鼻や口の下のヒゲについては、ペングリップでは剃りづらいのでヘッドを起こして剃った方がよい。
高級機らしく、今、流行の自動洗浄ユニットも付属する。ユニットに本体を差し込むだけで充電と洗浄を行なってくれるのは他の製品と同じ。だがこの機種には目玉がある。洗浄液を使わず、水だけで洗うモードが付いているのだ。三洋と言えば、かつて「洗剤のいらない洗濯機」を出して話題になったことがあるが、その時と同じ、電解水を使って洗浄する技術である。電解水は除菌効果があり、シェーバーを清潔に保つことができるという。 競合となるブラウンやパナソニック、フィリップスも自動洗浄システムがあるが、いずれも洗浄液カートリッジなどを別途購入しなければならない。実際にやってみると、まず、タンクに入れた水を電解水へと変える作業が始まる。作業と言っても、見た目にはわからない。充電台の青いLEDが点滅しているのが、その作業をしているという目安らしい。 およそ12分たったころ、洗浄が始まった。断続的にジーッと音がした後、何分も経たないうちに乾燥工程へ入った。意外とあっさりした洗浄だ。洗浄が終わったところで取り出し、カバーを外して汚れの落ちをチェックすると、カバーの端の方にちょっとヒゲのカスが残っているが、刃自体はキレイになっていた。消耗品なしでこれだけ洗えれば、十分ではないだろうか。 もちろん、みっちり洗いたい人のために、洗浄液も使用できる。パッケージには小さなミニボトル1本が付属している。これを1回の洗浄に丸ごと使う。取扱説明書によると、「汚れがひどいとき」は洗浄液を使うよう指示がある。逆に言えば、日常の手入れは水のみの洗浄でOKだろう。いずれにしても、ランニングコストがかからないのはいいことだ。
全体としては、「アゴ下剃りに適した、肌にやさしいシェーバー」というところになるだろう。消耗品を使わない洗浄ユニットも、毎日使うグッズとしてうれしいポイントだ。PULL剃り機構は確かに斬新だが、価格を考えると、もう少し刃と駆動部に凝って欲しいなと思うところも確か。もう1万円高くてもいいから、“剃り”そのものにこだわったモデルが出れば、もっとファンも増えるのではないだろうか。 ■URL 三洋電機株式会社 http://www.sanyo.co.jp/ 製品情報 http://www.e-life-sanyo.com/products/sv/SV-WX1_S/index.html メンズシェーバー関連記事リンク集 http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/m_shaver.htm ■ 関連記事 ・ 三洋、自動洗浄ユニットがついた“引いて剃る”電動シェーバー（2008/09/10） ・ 家電製品ミニレビュー 三洋「T-SOLID GEAR SV-GS1」（2008/03/21） ― レビュー記事 バックナンバー ―
2008/11/12 00:01 - ページの先頭へ-
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