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やじうまミニレビュー
マーナ「ブッククリップ」

~冷蔵庫に本が挟める、磁石付きのブッククリップ
Reported by 但見 裕子

マーナ「ブッククリップ」イエロー(左)、ブルー(右)
 あなたは料理をするとき、作り方の本を読んでその通りに作る方だろうか。私は、どちらかというと、ざっと作り方を読んで頭に入れて、あとは自分なりの手順と目分量で作ってしまう方だ。

 こんなことを書くと、料理に慣れていると自慢しているようだが、実は逆の話なのだ。だから、最近思うところあって、ちゃんと本を見て、レシピに忠実に作ってみることを始めた。

 思うところというのは、ある板前さんの発言をテレビで聞いたのがきっかけだった。

 「主婦の人というのは、毎日料理をしていくことでその家の味を作っていくが、それは一面、自分勝手な味ということでもある。手馴れた動作、いつもの調味料が、知らず知らずに手を縛り、ワンパターンになる人も多い。とにもかくにも家族が喜んで食べてくれることで自分の料理に絶対の自信を持ち、私どもが何を言っても耳を傾けないベテラン主婦の方によく会う」

 実際にはもっとていねいな言い方だったが、趣旨としてはこんな感じだった。これには内心、思い当たるものがあった。

 確かに、毎日の料理というのは頭や理屈ではなく、反射神経で手を動かしているところがある。フライパンを温めたら油、油が入ったら材料をジャー、という一連の動作などは、なにも考えずに体が動かないと手早くできないし。

 しかし、それが時とともに自分勝手な味、ワンパターンな味を生んでいくのかも知れない。あぶない。油断していると私も、知らない間に自分勝手な料理をしているのかも知れない。

 そう考えて、ある時、きちんと本を見て、1から10までレシピ通りにハンバーグを作ってみた。普段なら材料はすべて目分量なのだが、きちんと計って、手順も本の通りにした。そういうことをするのは実は調理実習以来だった。

 出来上がったものを食べるとなるほど、普段と違うおいしさがあった。ところが、台所に本を置いて見るということは、実際問題、いろいろな困難を伴うのだ。まな板や食材等で作業台はいっぱいで置き場がないし、火の近くに置くのは危ないし、うっかりすると水がかかって濡れてしまう。それに、ちょっと束の厚い本だと、開いた状態で置くこと自体がまず難しい。

 困ったものだと思っていたら、この「ブッククリップ」を見つけた。

 透明プラスチックのホルダーをマグネットで冷蔵庫に貼りつけ、本を開いた状態で支えるようになっている商品だ。2個セットで、色はブルーとイエローの2色がある。オープン価格で、楽天市場で750円で購入した。


製品本体。左が側面、右が底面 パッケージを2つ並べても30cm以内のコンパクトな製品 使用可能な本のサイズは見開き厚さ15mmの本まで

本体を冷蔵庫に貼り付けたところ。マグネットの力はかなり強力だ
 さっそく冷蔵庫の扉に貼って試してみる。マグネットの力はとても強く、くっつく時に「バン」と音がする。はがすときも、扉が引っぱられて開いてしまうことがあるほどだ。

 貼りつけたマグネットを動かすときは、スライドさせて動かすと、長い間には冷蔵庫に傷ができるかもしれないので、いったん離してから動かすことをおすすめしたい。

 ハードカバーの厚い本(量ってみたら680gあった)をはさんでみたがまったく大丈夫だった。メーカーによると、一セットで1kgまでの加重に耐えるそうだ。本の厚みに関しても、ホールドする部分の幅が2cmあるから、極端に厚い本でなければ問題ないはずだ。「きょうの料理」のような薄手のA4変形や、小さなところで文庫版の料理本もはさんでみたが、やはり問題はない。


最初2枚の扉にまたがって本を設置してしまった。が、途中で無意識で冷蔵庫を開けて本を落としてしまったのでこの設置方法はオススメできない ハードカバーの重く分厚い本でも問題なく使用できた クリップの幅は2cmあるのでよっぽど分厚い本でない限りは大丈夫そうだ

 ただ、薄手で大きい本のときは、2つのクリップの間を広く取ると、ページがしなってしまい見えづらいようだ。真ん中よりにして、中心を支えたほうがいい。キッチンのレイアウトによって、ドアにつけて使ったり、側面につけて使ったりするのがいいと思う。


薄手の本だとページがめくれて来てしまうのでクリップを本の中央部に設置した 本を置き換えたり。濡れた手で触ることがないのでとても使い勝手が良い

 うちでは最初、煮たり炒めたりするガス台から見えやすい位置につけるのがいいと思ってそうしたが、実際に食材を量ったり切ったりするのは、まな板を置く作業台方面なので、そちらから見やすいようにしたほうがいいような気がする。

 これで、濡れた手を気にしたり、食材や鍋を出すたびに本を置きかえたりというストレスがなく本を見ながら料理ができる。とてもいい感じである。

 さて、本をセットして見ながら「たこの青じそマリネ」を作ってみよう。

 ゆでたタコをそぎ切りにして、ガーリックパウダーと塩でもみこんで30分置き、青じそ、クレソン、ピーマンのせん切りを混ぜて、オリーブオイルとレモン汁であえた料理である。

 普段だと「ガーリックパウダーがないから生のを少なめに入れて」、「30分きっちり置かなくてもなんとかなるから適当に」、「レモンを切らしたからお酢で勘弁してもらおう」などと、だんだん違う料理になっていきがちなのだが、今回は厳密にやる。タコは4mmの厚さに切るように書かれているので、できるだけ丁寧に、4mmになるように切っていく。「自分が切りたい厚さ」でなく「お手本どおりの厚さ」を意識することが大切なのだと思う。


いつもなら自宅にないものは代用品ですましてしまうところだがこの日は全ての材料をキッチリ揃えて調理に向かう 材料に切り方や下ごしらえもテキスト通りにする。この意識が料理には大切なのかもしれない 完成した「たこの青じそマリネ」。テキストに忠実に作ったのでバランスが良く味もおいしい

 青じそを1束全部入れるのは多すぎないかと思っていたが、レモンとオイルによくなじんでちょうどいい。ほかの野菜も、ガーリック、クレソン、ピーマンという匂いの強いもの同士なのに、うまく一体化してタコをおいしくしている。

 もしガーリックパウダーの代わりに生のニンニクを使っていたら、いくら少量でもニンニクだけが突出していたと思う。

 さすがプロの先生のレシピ、ほどがいいのである。

 これからも、時間に余裕のあるときは、こうして「レシピにに忠実な料理」をしていこうと思った。いつでも料理本をはさめるよう、「ブッククリップ」は冷蔵庫につけたままにしておくのである。


クリップの下の文字が読みづらいのが難点
 1つだけ不満がある。「ブッククリップ」は、その名の通り、前面がゼムクリップ状のデザインになっている。これのために、下になった文字が読みにくくなる。

 ことに「きょうの料理」などの料理雑誌は、上部に大きく料理の写真をあしらい、材料表や作り方はページの下のほうにまとめてあることが多いので、肝心な部分が見えづらいのは困る。シンプルな板状などのデザインの方がよかったと思う。

 私のような、目分量とカンで料理をしてしまう人間もたしかに多いが、世間には「初めて作る料理は、かならず本やメモを見て作る」という人も多い。そういう人たちには、とてもお勧めできる製品だと思う。

 また、結婚や進学などで料理を始める人には、料理本とセットで「ブッククリップ」をプレゼントするのもおすすめできそうだ。







URL
  株式会社マーナ
  http://www.marna-inc.co.jp/ja/



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2008/08/18 00:03

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