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家電製品ロングレビュー
iRobot「ルンバ570」

~自動的に掃除・充電をするお掃除ロボット
Reported by スタパ齋藤

iRobotの「自動掃除機 ルンバ 570」本体。サイズは340×92mm(直径×高さ)で、重量は約3.7kg(バッテリー含む)。内蔵のニッケル水素二次電池で自律動作しつつお掃除しちゃう自動掃除機なのだ
 家電Watch編集部から「貴様はロボット萌えであり掃除機野郎なのでコレを試しなはれ」というメールとともにiRobot社「自動掃除機 ルンバ 570」が送られてきたので、早速使ってみた。

 自動掃除機ルンバの最も新しいラインナップは、標準モデルのルンバ530と、ハイエンドモデルのルンバ570となる。で、拙者が使ったのはハイエンドのルンバ。標準モデルの基本性能に加え、スケジュール設定機能が使えたり、付属リモコンによる遠隔操作にも対応している。メーカー希望小売価格は94,500円。Amazon.co.jpでも同額で販売されている。


ルンバ570の操作ボタン部。掃除をさせたくなったら、中央のCLEANボタンを押せば良い。後はルンバ任せで掃除が進み、完了する。また、スケジュール設定機能を持ち、曜日毎に1回(1つの時刻)・最大7回の時刻予約動作(自動掃除)を設定できる───例えば、月~金までは午前9時に自動的に掃除開始で、土曜日は午前11時に自動的に掃除開始で、日曜日は13時に自動的に掃除開始、とかいう設定ができる
付属のワイヤレスリモコン。ルンバの操作は本体の操作ボタン部でも、このリモコンからでも行なえる。リモコンの直径は150mm程度・高さは40mm程度。単三形乾電池×4本で使用する
ルンバ570専用の「お部屋ナビ」が2個付属する。これを床に置くことで、ルンバの稼働区域を制限したり(バーチャルウォール機能)、複数の部屋を連続して掃除させる際の誘導デバイスとして使える(ライトハウス機能)。単二形乾電池×2本で使用する

 さて、ルンバ570だが、コレ、名前のとおり“自動で掃除してくれる掃除機”である。基本的には、床にセットしてボタンを押すだけで掃除を開始。自律的に床を走り回り(というか這い回り)、本体内のブラシおよび吸引機構で床のゴミやホコリを除去する。また、本体に内蔵された各種センサにより、障害物を避けつつ床全体を余すところなくクリーンアップする。


ルンバ570の底面。3つのタイヤがあり、そのうち2つが電池で駆動する。これにより床を自由自在に走り回る。また、多数のセンサーを内蔵し、どこまでが床で、どこが障害物かを感知する。階段等の下り段差では前進せず、落下することはない
床を走りつつ、本体中央の回転ブラシで床の汚れを除去する。左上に見えるのは部屋の隅にあるゴミまで掻き出すブラシ。3つのブラシで掻き出して集めた汚れは、手前のフィルター部に吸引される
ダストボックス部。容量は大きくないが、ダストボックス部自体はわりあい手軽に掃除できる

 ルンバ570の電源は内蔵のニッケル水素二次電池。本体を専用のACアダプタやドックに接続することで充電できる。満充電からの連続稼働時間は、動作モードや使用環境により大きく異なるが、最大で60~120分となっている。が、実際にルンバ570を使い始めると、バッテリー動作時間については気にならない。掃除後やバッテリー不足状態になるとルンバ570が勝手に充電を行なうからだ。


付属のACアダプタと充電のためのドック。ルンバ570本体に直接ACアダプタを挿しても、ACアダプタを接続したドックにルンバ570を置いても充電できる。通常は後者の方法で(自動的に)充電させる
ルンバ570は、掃除が終わったりバッテリーが残り少なくなってくると、自動的にドックの位置を目指して帰還し、充電を行なう
ドックと合体した状態のルンバ570。本体上部、U字形に見えるのは持ち運び用のハンドルだ

 って、細々した説明はこのくらいにして、実際にルンバ570がどんなふうに動作するのかを、動画でご覧いただきたい。各動画に関して、見るべきポイントも添えておいたので、それも読んでチョ!!


【動画】付属リモコンのCLEANボタンを押して、掃除を開始したところ。動作音はそれなりにする。障害物に当たる力も弱くはなく、軽いものやキャスター付きの植木鉢台座をやや弾いてしまう。手前左側の床面には付属の「お部屋ナビ」をバーチャルウォールとしてセットしているので、それより手前奥側にはルンバ570が入ってこない(WMV形式,9.34MB) 【動画】リモコン操作(DOCKボタン押下)でルンバ570をドックに(強制的に)帰還させたところ。自動掃除中でも、同様にルンバ570をドックに戻すことができる(WMV形式,921KB)

【動画】リモコン操作でルンバ570を任意に操作しているところ。この操作を繰り返せば、目的の位置のみを掃除することができる。ルンバ570が自律動作中、リモコンの方向ボタンを押すと、以降、ルンバ570の自律動作は止まり、ユーザーに操作が委ねられる。が、その途中でCLEANボタンを押せば、再びルンバ570が自律的に動作し始める(WMV形式,1.28MB)
【動画】リモコンのSPOTボタンを押すと、現在位置から半径約60センチの範囲を主に掃除し、約1分後に停止する(WMV形式,1.19MB)
【動画】本体のDOCKボタンを長押しすると、音声と動作によりルンバ570の機能デモンストレーションが行なわれる(WMV形式,3.18MB)

 これら動画は、6畳弱程度のフローリングで撮影した。手前側には付属の「お部屋ナビ」をバーチャルウォールとしてセットし、撮影者の拙者の足下より手前奥にルンバ570が入り込まないようにしている。

 で、ルンバ570ちゃんのお掃除効率だが、結果から言えば、砂埃や猫の毛がたまりやすい床が、ヒッジョーにキレイになった。掃除後、指で床をぬぐってもホコリや砂が付くことはない、てな感じ。ただ、この広さの部屋を掃除し終えるのに、だいたい15~20分程度かかった。人間が掃除機で掃除するよりずいぶん長い時間がかかるわけだが、その分、舐めるように掃除してくれると考えるべきかも!?


掃除完了直後のルンバ570さん。疲弊した様子もない、っていうか壁や家具にけっこーガシガシ当たったが、傷はついていない。家具や壁も同様、無傷な感じ
よく見ると、本体にはホコリが多々付いている
裏返してみると、さらにホコリの不着が目立つ。ホコリの吸引に関しては、一般的な吸い取り式の掃除機ほどではない!?

しかし、毛クズやゴミはしっかり掻き取っているようだ。拙宅は猫2頭飼い。ルンバ570撮影前にスティック型掃除機で一応掃除したのだが、このとおり、さらに汚れを除去してくれた
ダストボックス内には毛クズやゴミが多々入っている。余談だが、寝室のベッド下をルンバ570で掃除したら、一発でダストボックス内が猫ちゃんの毛だらけに!! 一応、日常しっかり掃除してるつもりなんですけどネ……
フィルター部。ここにも細かなホコリが吸着されている。これらの汚れは一般の掃除機で吸い取っちゃうのが手軽。ルンバ570は、ダストボックス容量が小さいこともあり、2~3回掃除したら一度程度、ダストボックスやフィルターを掃除する必要がある

 ルンバ570は、あまり大きなゴミ(例えば枯れ葉等)は吸い込んでくれない感じだが、それ以外は十分満足できる掃除能力を発揮してくれる。床をランダムな感じで動き回る掃除機なので、部分的に掃除し損ねるのでは? と当初思っていたが、そういうコトもないですな。普段掃除し忘れるような、テーブルやソファ、あるいはベッドの下まで念入りに掃除してくれるって点もグレイト。

 意外だったのは、部屋の隅。壁と床が直交するところが、予想以上っていうかいつも以上にキレイになること。一般の掃除機だと、そういう隅っこの掃除は吸引力任せになるが、ルンバ570の場合は回転する6本足ブラシにより、キッチリとゴミを掻き出してくれるからだと思う。

 それと、いつもちゃんとドックへと帰っていること。多くのケースで、アタリマエのよーにスムーズにドックへと自動帰還するのだ。時々、帰還途中でマゴついて、ウロウロした結果ドック入りってケースもあるが、ドックを見失ったという状況は見ていない。

 一方、予想ほどイイ感じでなかったのは、まず、動作音。基本的には掻き出し式の掃除機であるルンバ570なので、けっこー静かに動くであろーと思っていた。まあ、普通の吸引式の掃除機よりは低騒音で動くのだが、静かとは言えない。また、時折、壁や家具にガスガスと当たるので、その時の音も気になったりする。

 多くの人が気にしちゃうであろー点は、やはり、壁や家具にドスガズと当たっちゃうところだろう。障害物の手前、寸止めで方向を変えたりするケースも多いルンバ570さんだが、一方で、壁や家具の脚に激突することも多い。ぶつかる時、対象が軽かったりすると、その対象はコツンと小突かれた状態で衝撃を受けたりするし、動いちゃったりも。

 まあ、ルンバが衝突しても対象に目立つ傷が付くわけでもないので「この掃除機はこーゆーモノ」だと慣れることは可能だろう。しかし、対象が高級な家具・美品である場合、心穏やかでない。その場合、付属の「お部屋ナビ」をバーチャルウォールとしてセットし、ルンバが越えられない一線を設定すれば良いだろう。


付属の「お部屋ナビ」は、ルンバ570にとっての仮想障壁を作ることができるバーチャルウォール機能と、ルンバ570にとっての灯台となるライトハウス機能を使い分けられる
お部屋ナビをバーチャルウォール機能で使用しているところルンバ570は、写真に示した線より向こうには行けないのだ
実際は、お部屋ナビ周囲30cm、お部屋ナビ前方の一定の幅のエリアが仮想的な壁となるが、ともあれ、お部屋ナビにより、ルンバの行動範囲に制限を設けられる

 上記のようなフローリングの床で使うには、ルンバは大きな問題もなく、非常にナイスな掃除職人となってくれる。15畳くらいの部屋でも試したが、それだと当然より時間がかかるものの、自動的に掃除を完了してくれる。ので、ヒジョーにラク!! 仕上がりもだいたいOK!!

 あ。この“だいたい”というのは、家具等が邪魔してルンバ570が入り込めないスペースは、フツーの掃除機で掃除する必要があるからだ。ま、でも、全部自分で掃除するよりずっとラクだし、ルンバ570は粘り強く何度も同じトコロをシッカリ掃除してくれる。ルンバ570の行動範囲内なら、人間が掃除するよりキレイになるような気もしている。

 というわけで、おおむねイイ感じなのだが、状況が変わるとルンバ570への印象も大きく変わる。てのは、拙者の仕事場~寝室。モノがゴチャゴチャ置いてあって、結論から言えばルンバ570があんまり活躍してくれない状況なのであった。元凶は、ルンバ570にとっての障害物であるが、以下に、ルンバにとってOK・NGの障害物写真および説明を挙げてみる。


まずは問題ない障害物。配線カバーですな。滑らかな隆起という感じの障害物なら、ルンバ570はものともせずに乗り越える
フローリングに敷かれたカーペット。その境となる1~2cm程度の段差は、ルンバ570にとって障害とはならない
軽量の足下ストーブは、モノによっては面倒な障害物となる。縦型で軽量な製品で、ユーザーの足が当たっても向きが変わるようなストーブだと、ルンバ570の突進力に負けてズルズルと押されてしまう

重なったり折り畳んだりしてあるカーペットもマズい。ルンバ570が障害物と認識すれば大きな問題はないが、ルンバ570が障害物だと認識せずに乗り上げたりすると、結局ルンバ570が斜めになって停止しちゃったりする
けっこーマズめの障害物こと“床を這うコード類”。写真のコードの場合、高さ的にはルンバ570が楽勝で乗り上げられるが、場合によってはルンバ570がコードを引っ張っちゃうことがある。現状、大きなトラブルにはなっていないが、「ルンバが電源コードを中途半端に抜いちゃったら!?」という不安が残る
高さ約1.5cmの水平アーム的な脚を持つテーブル。垂直の脚は障害物だと認めるルンバ570だが、水平の脚はガシガシと乗り越えてしまい、結果、脚と脚の間にハマって動けなくなったりする。テーブルが軽いと、テーブルをグイグイ押したりもする

倒れない程度に立てかけてある物体は、ルンバにとっては単なる壁と同じ障害物。だが、ルンバがこの立てかけてあるモノに衝突した時、モノがルンバ側に倒れるケースが少なくない。そしてこの白い包みの中身は超レアなリズムマシン!! だったりすると「るるるルンバ570さん、お願いだからソレ倒さないでッ(汗)!!」とマジ焦ったりする
軽量のゴミ箱は、ルンバ570にとって障害物でも何でもない。なぜなら、この程度の軽さであれば、ルンバ570に押しやられてゴミ箱が移動しちまうからだ。が、掃除後、ヘンなところに移動しているゴミ箱を見るユーザーとしては微妙な気分
ルンバ570を使用する部屋にては、このように電源コード類を床から持ち上げた状態で配線するのが良い。が、電源コードの一部が床に近いところにあったりすると、ルンバ570がコードの上に乗り上げ、結果、電源プラグをグイグイと引っ張りつつ動きが取れなくなったりする。けっこー危険である

 というわけけで、ルンバ570を使う部屋においては、床面をなるべく片付けて、コードも這わせずに、低めの障害物は除去して、軽くて動かされちゃいそうな障害物も除去して、もちろん倒されちゃカナワン的な障害物もどかして、から、ルンバ570を稼働させる必要がある。

 掃除の前に部屋片付けかよ!? みたいな本末転倒気味の気分になるものの、そうしないと、掃除中に「ルンバ570が余計なコトをしでかさないか!?」とルンバ570を監視しつづけるハメになり、自動掃除機の意味がなくなってしまうであろー。

 ちなみに、ペット類ですけど、勇猛果敢なワンちゃんとかがルンバ570に対してどう挑むかは知らないが、拙宅猫様におかれましては、ルンバ570が近づいた瞬間逃走するので、怪我の危険はなさそうだ。が、ペット様の好奇心・行動パターンによってはこの限りでないので、ルンバ570を稼働させる前に、ペットちゃんも避難させるのが無難だと思う。

 さて、ルンバ570をザザザッと試してきたわけだが、拙者的に正直なところを言えば、コレは使い続けたいニャと感じた。使う環境さえルンバ570にマッチしていれば、ホントにラクだし、掃除の仕上がりも満足できるからだ。掃除時間が長めであることや、無視できない騒音、それからかなり頻繁に行なわねばならないルンバ570自体のメンテナンス(ダストボックスのゴミ捨てとフィルター掃除)はやや残念だが、自動的に床を全部掃除してくれるのはマジで安楽だし、生活に小さな余裕が出たという印象もある。

 一方、環境がマッチしていない、マッチさせられない、という方にはお勧めできない。「床に置いてある小間物、どこに片付ければいいんだよぉ~」と思っちゃう人の場合、ルンバ570は全然役立たない掃除機となる以上に、床の小間物デストロイヤーとなってしまう可能性さえある。

 また、ルンバ570は、総じて“サブ掃除機”という性格が強いですな。例えば観葉植物からパラリと落ちた小さくない葉っぱを片付けてくれたりはしない。床や畳やカーペット専用、つまり下の面しか掃除してくれない。見るからにホコリだらけでゴミだらけ的な汚れまくり環境にも合わない───日常うっすらと積もるような埃をこまめに自動掃除するのがルンバ570の使命であり、そういう多量のゴミ除去はルンバ570にとって荷が重すぎる。

 というコトで、すでに主力掃除機があり、でも掃除にかける時間をもっと減らしたい、という人に、まず向くと思う。で、さらに、ルンバ570がスイスイと走り回れるように、床に置いてあるモノを除去した状態で生活できる、という人・環境なら、ルンバ570の利便を十分感じられるだろう。

 でも、こういう自動掃除機にはさらに期待したいですな。現状でも十分、インテリジェントな感じで自動的に掃除してくれるので便利だが、例えばさらに小型化して小回りがよくなるとか、もっとインテリジェントになって部屋の間取り~多少の障害物の位置を逐一記憶するようになってくれれば、主力掃除機の座に着く日も遠くないと思う。





URL
  iRobot
  http://www.irobot-jp.com/index.php
  製品情報
  http://www.irobot-jp.com/product/index.php

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2008/05/13 00:07

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