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家電製品ミニレビュー
±0 「Humidifier Ver.3」

~シンプルデザインの“飾れる”加湿器
Reported by 西村 敦子

どの部屋にも不思議と馴染む「美術品」

±0 「Humidifier Ver.3」
 今年は、なんだか急に冬がやってきたように感じます。気がつくと湿度も急激に下がって、先日ふと部屋の湿度計を見たら「18%」を指していてびっくり。風邪をひいていないのに咳が出たり、鼻や耳が痛かった理由にやっと気づきました。

 適度な湿度は40~60%程度だと言われているそうで、18%はあきらかに乾燥しすぎ。一般的には、40%以下なら加湿したほうがいいそうです。

 我が家では、昨シーズンまで使ってきた加湿器を水アカでダメにしてしまい、今年は、ずっと気になっていた±0 (プラマイゼロ株式会社)の「Humidifier(加湿器) Ver.3」を購入しました。メーカー希望小売価格は17,850円でAmazon.co.jpでも同額でした。

 この加湿器が気になっていた最大の理由は、やはりそのフォルム。加湿器や空気清浄機は常に部屋の見えるところに置いておくことになるため、やっぱり見た目も大切です。2005年、2006年のグッドデザイン賞を受賞し、今年2月からは「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」のパーマネントコレクションに選出され、同美術館に永久保存されることになったこの加湿器なら、文句ありません。

 「加湿器 Ver.3」のカラーは、オレンジ、ホワイト、ライトブルー、ブルー、ディープグリーンの5色と、新作のピンク、ベージュ、ブラウンの合計8色の展開。「艶やかな水滴を連想する」と形容されている通り、実物も表面は陶器のようなつややかさ。ドーナツ型の独特のフォルムは加湿器を連想させない、美術品のオブジェのような雰囲気があります。

 ただし、「美術品」といっても、存在感はあるもののおしつけがましくはなく、なんだか昔からそこにあったかのような馴染み方をする不思議なオブジェのようです。本体は、auの携帯電話「INFOBAR」や、無印良品の「壁掛式CDプレーヤー」などをデザインした有名なプロダクトデザイナー「深澤直人氏」によるデザインです。

 いくら気に入ったデザインでも、あまり個性的すぎるとそこだけ浮いてしまうことがありますが、「加湿器 Ver.3」の場合、形がごくシンプルなだけに、色さえ選べばリビングなどの洋室はもちろん、畳の和室にも違和感なく馴染みます。


ソファの近くや机の上など、デザイン家電ならオブジェクトとして飾れて一石二鳥
普通は加湿器を食卓の上に置いておきっぱなしにすると違和感もありますが、「加湿器 Ver.3」ならむしろアクセントに
シンプルなデザインで、部屋のどこに置いても周りと馴染みやすいのが魅力です

この鮮やかなオレンジ以外にも、シックなディープグリーンやブルーなどインテリアにマッチするカラーが選べます
寝ている間の乾燥が気になるベッドルームでも活躍。サイドデスクや椅子の上などもしっくりきます

「加湿器 Ver.3」の家電としても使い勝手とは?

 デザインとしては申し分ない「加湿器 Ver.3」ですが、では実際の使い勝手はどうでしょうか。

 まず、加湿の方法は「スチームファン式」で、タンクに入れた水を沸騰させて蒸気にし、ファンで送り出すというもの。加湿量は「標準モード」で約300mL/h、「長時間モード」で約130mL/h。木造の和室で5畳、プレハブの洋室で8畳程度の広さが適用畳数の目安です。標準モードの場合5分ほど、長時間モードの場合7分ほどで加湿が始まります。


上面の中央がへこんだ、ドーナツや白玉団子のような形。くぼみには付属のアロマポットをセットできます
本体に付属するのは、給水の際に使う「ロート」、加湿器で精油を楽しめる「アロマポット」、加熱皿用の「クリーニングフィルター(2枚)」。「クリーニングフィルター」は消耗品で、オプション品として「XQF-P010」(税込1,050円)が10枚1セットで販売されています

 タンク容量は2.4L。標準モードで8時間、長時間モードで18時間連続駆動が可能です。標準モードでも寝る前にセットすれば一晩持ちますし、長時間モードなら朝セットすると夜中までそのまま持つ計算になります。ちなみに、寝ている間に水がなくなると、水位センサーが感知して自動的に停止します。

 消費電力は230Wの標準モード時で1時間あたり約7円、115Wの長時間モード時で1時間あたり約3.5円。標準モードで毎日8時間使うと、1カ月で約1,736円の電気代になります。ヒートレス式やハイブリット式に比べると電気代は高めですが、加熱する分部屋自体も暖まりやすいですし、立ち上がりが早いので、適度な湿度になるまでが早いのが利点です。

 中央の蒸気吹出口から出る蒸気は、明るい昼間は見えません。夜になって部屋が暗いと少し見える程度ですが、見えなくても90度以上の高温の蒸気が出ています。幼児のいる家庭では、幼児の手の届かない位置に置いておく必要はあるでしょう。ちなみに蒸気吹出口以外は、触ってもまったく熱くありません。

 また、専用の「アロマポット」が付属しており、中央のくぼみに、アロマの精油を直接入れて使います。精油なら通常は使う量も数滴でしょうが、一応、量はくぼみ(ポット)の半分以下まで。「アロマポット」は、本体の蒸気吹出口に乗せるだけの簡単なしくみなのですが、蒸気とアロマが混じり合って、いいアロマ効果が得られます。香りを変えたくなったら、運転を切って手軽に入れ替えも可能です。


「アロマポット」のポットに、アロマの精油を直接入れて使用します
「アロマポット」は本体の中央部分に上から乗せて使うだけの簡単なしくみ
外側に見えているのは、実はすべて水を入れるタンクの部分。両手で両脇を持って上に引き上げると、本体が出てきます

外側のタンクからこの本体へ水が送られ、中央で加熱されます
中央の「フード」を回転させて開くと、「加熱皿」と「送風口」が見えます。中央の「加熱皿」にセットされているのは水アカを吸収するための「クリーニングフィルター」
本体から取り外したタンクは、裏返すと持ち運びに便利なハンドルがセットされており、給水の際にタンクを運ぶとき便利です

給水は「水道水」で。アルカリイオン水は厳禁

 「加湿器 Ver.3」の使い方は、まず外側のタンクを両手で持ち上げて本体から外し、タンク部分に給水することからはじまります。給水する水の量は、給水口近くの「FULL」の水位線を参考にします。

 このとき、給水する水は「水道水」が基本です。アルカリイオン水や、ミネラルを追加するタイプの浄水器を通した水は、むしろ加熱皿に水アカが多く付く原因になるのでご注意を。

 給水後、タンクのキャップをしっかり閉めたら、本体の「タンクセット印」をめやすにしてタンクをひっくり返して本体にかぶせます。2.4Lの水が入ったタンクはかなり重いので、注意しながら両手でしっかり持ってかぶせます。


タンクの給水口のキャップを外し、付属のロートをセットして水を入れます
本体にセットするときにタンクを逆にするので、給水口のキャップはしっかり閉めておきます
給水口横にある「FULL」の水位線を参考に給水します

加熱皿の横にある突起が送風口。ここからスチームが出ます
ここで水を加熱してスチーム化。カルキをとるための「クリーニングフィルター」2枚をセットして使います
いったん本体に入った水を排水するための「排水口」。奥に見えるのはフロート式の水位センサー

操作の「切換ボタン」などは本体の底面に集約

「切換ボタン」は本体の底面にあるので、机と本体の底面との間に指をすべらせて、ボタンを押し込んで操作するイメージ
 タンクが本体にきちんとセットできたら、マグネット受けにコードを接続し、電源プラグをコンセントに差し込みます。「ピッ」と短い音がして、電源が入ったことがわかります。

 次に、本体の底面手前にある「切換ボタン」を押して駆動させます。このボタンがどこにあるのかわかりにくいのですが(購入時は「POWER」のシールが貼ってありますが、せっかくのインテリア家電なのではがして使う方は多いでしょう)、「電源コードの逆側にある」と覚えておくと迷わず操作できます。

 この「切換ボタン」は、一度押すと緑のランプが2つ点く「標準モード」で駆動し、もう一度押すと緑のランプが1つ点く「長時間モード」で駆動します。さらにもう一度押すと終了。

 底面に「切換ボタン」があるものの、ランプは机に反射してよく見えます。さすがインテリア家電!とランプの使い方に驚きました。このランプが反射するおかげで、「切換ボタン」を操作するときも、わざわざ底面をのぞきこまずにスムーズに操作できます。


電源コードを取り付けたら、「切換ボタン」を一回押して駆動させます
ランプが2つ点く状態が「標準モード」。ランプは底面にありますが、ランプが机に反射するので、操作は意外にラク
もう一度押すと「長時間モード」になり、ランプは1つに。さらにもう一度押すと終了します

本体の底面には、コードを接続する「マグネットプラグ受け」、水受けの「フィルターカバー」もあります。左の白い突起は「転倒スイッチ」
「フィルターカバー」は、水受けのほか、エアーフィルターの役割も果たしています
電源は、マグネットプラグ式。万が一コードを踏んだりひっかけてしまっても、簡単に外れるようになっています

機能はシンプルでも、ほかでは真似できない「飾れる加湿器」

 実際に使ってみて、使い方が部屋の状態や広さによっても大きく違うのを実感しました。たとえば、我が家の場合は「標準モード」をデスクなどがある部屋5畳の洋室で使うと、30%の湿度が1時間ほどで50%になり、気温も3℃ほど上がりました。そのまま「標準モード」で加湿し続けても、その後は湿度の変化はあまりなく、「長時間モード」にすると徐々に湿度がまた下がってしまうので、この部屋ではずっと「標準モード」で使っています。

 同じ「標準モード」を7畳のベッドルームで使うと、加湿は60%を超えることもあるので、就寝時は「長時間モード」で使うようにしています。ちなみに、広さが目安の倍程度のがらんとしたリビングで使ってみたところ、やはり加湿は進みにくいようでした。やはり目安どおり、洋室8畳ぐらいまでの広さで使う方がよさそうです。

 メンテナンスの注意点としては、なるべく水アカの手入れを欠かさないこと。スチーム式の場合、どうしても蒸気吹出口や加熱皿に白い水アカがたまってきます。これを放置してしまうと、クリーニングフィルターも2週間程度しか持たなくなってしまいますし、本体についた水アカも取れにくくなります。

 クリーニングフィルターは水洗いして繰り返し使えるので、給水するときに毎回もみ洗いして、水アカを洗い流すようにしましょう。洗ったものはそのまま乾燥させ、付属の予備のクリーニングフィルターとローテーションで使うようにすると、1シーズン持たせることもできます。気化式と違い、フィルター交換が必要ない分、このクリーニングフィルターの手入れは必須です。

 また、加熱皿にたまった水アカには、粒状の「クエン酸」がおすすめ。小さじ1/2ほどを加熱皿に入れ、通常通り標準モードで駆動させます。少し臭いがするので、換気しながらキッチンなどで行なうのがいいかもしれません。クエン酸は水アカには効果的ですし、食べても害はない安全なものですから、気軽に使えます。


使っているうちに、白い水アカが蒸気吹出口にたまってきます
水アカがいちばんたまるのが、加熱皿の周辺。放っておくと取れなくなるので早めの手入れがおすすめです
加熱皿の水アカは、クエン酸を2.5g(小さじ1/2)入れて、通常通り「標準モード」で(換気しながら)加湿してやるとキレイにとれます


 「加湿器 Ver.3」はごくごくシンプルなスチームファン式加湿器です。スチーム式なのでほかの加湿方式と比べると消費電力も大きめですし、除菌やマイナスイオンなどの付加機能もなければ、タイマー機能もありません。また、タンクと本体は固定されていないので、いっぺんに持つとちょっと不安定です。一日に何度も移動させる用途には向きません。しかし、それでも余りあるデザイン性の高さがこの「加湿器 Ver.3」の魅力。“飾れる加湿器”は、多少の不便さが気にならなくなるほど愛着がわく、十分「買ってよかった」と思わせてくれるアイテムでした。




  ±0 (プラマイゼロ株式会社)
  http://www.plusminuszero.jp/
  製品情報
  http://www.pmz-store.jp/prodocuts/humidifier_thr.html
  空気清浄機/加湿器 関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/air.htm



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