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ナショナル「アイスクリーマー BH-941」
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子供の頃からの大好物に、アイスクリームがある。口の中に入れると、まず冷たい刺激。そして、甘い味が口いっぱいに拡がる。飲み込んだ後にもクリームの余韻が残り――と想像しているだけで、いてもたってもいられなくなり、アイスクリーマーを購入してしまった。ナショナルの「BH-941」だ。Amazon.co.jpで6,200円だった。
● 予備冷却がいらず、材料を入れてそのまま冷凍庫へ
アイスクリーマーとは、アイスクリームを作る最後の工程で、材料を冷やしながら数分ごとにかき混ぜるという、一番手のかかる作業を自動化できる機械だ。
一般的なアイスクリーマーでは、ボールを3~8時間、冷凍庫で冷やしてから使わなければならなかったが、BH-941はこの予備冷却がいらないため、より手軽に作れるようになった。
電源にはカメラ用のリチウム電池2個を使用し、コードレスで使える。リチウム電池は普通の乾電池に比べ低温に強いため、マイナス18℃以下の冷凍庫内に本体を入れても使用できるということだ。2個のリチウム電池はパッケージに含まれている。これで、アイスクリームを約25回つくることができるようだ。
組み立てた時の大きさは16.7×13.5cm(直径×高さ)と、片手鍋よりもふた周りほど小さい。ボールは材料を500mlまで入れることができ、ステンレス製で、火にかけることはできない。道具をすべて装着した時の重さは約615gである。
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パッケージ外観
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パッケージ内容。本体のほかに、回転軸、フタ、回転ブレー、ステンレス製のボール、リチウム電池2個が付属する
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ステンレス製のボールの容量は500ml
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使う時は、本体に回転軸を差し、その下にフタになるカバー、フタの下から回転ブレードを装着する。あとは目印に合わせ、ボールをフタに被せてサイドロックをするだけだ。本体以外の道具は、すべて水洗いできる。
材料を混ぜてボウルにいれ、回転ブレードを装着したフタをして、大きくて丸いスイッチを押す。するとフタの裏の回転ブレードが中の材料をかき回しながら冷やし、アイスクリームができあがるというわけだ。
表示ランプは点灯しているのが通常運転中、遅い点滅がそろそろできあがるという合図で、ランプが消灯するとできあがりである。
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材料をかき混ぜる回転ブレードは、フタに装着する
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フタをボールに載せた後、サイドロックを止める
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● 手作りアイスクリームは、作るたびに味が変わる
まずは、レシピ集をみながらバニラアイスクリームを作ってみる。
生クリーム、卵黄、グラニュー糖、牛乳と、バニラエッセンスを用意する。卵とグラニュー糖、牛乳を混ぜて鍋に温めてから、冷まし、泡立てた生クリームとバニラエッセンスを加えて、アイスクリーマーに入れ、冷凍庫で冷やす。
スイッチを押すと、回転ブレードが数秒回転して止まる。その状態のまま冷凍庫に入れる。しばらくすると、冷凍庫の中から回転ブレードが回転する音が時おり聞こえてきた。
説明書には、冷凍庫内が空で500mlのアイスクリームをつくる場合、標準完成時間3時間とある。しかし、今回のチャレンジでは、3時間経ってもまだ柔らかい。きっちり3時間でできるというわけではないようだ。5時間後にもう一度見ると、中はジェラートのような状態になっている。あともう一息のようだ。そして、6時間が経過するころには、アイスクリームができあがった。
食べてみると、コンビニで買える100円のアイスクリームに慣れているせいか、予想していたいつものバニラアイスとは違う味である。卵黄と生クリームの濃厚な味がして、見た目も少し黄色がかっている。
アイスクリームの固さや味の調整は、アイスクリーマーのせいではなく、アイスクリームづくりが初めである筆者のせいだろう。生クリームの泡立て方や、誘惑に負けて、何度かフタを開けて温度を上げてしまったことが原因かもしれない。
ともあれ、アイスクリーマーがなかったら、できあがりまで冷凍庫から何度も取り出して混ぜなければいけないのだから、相当楽ができることは間違いない。
さて、さまざまなアイデアを試せるのも手作りのメリット。いろんな材料でアイスを作ってみることにした。
● オレンジシャーベットはシャリシャリ
このアイスクリーマーはシャーベットも作れる。オレンジを搾ってグラニュー糖を加えて沸騰させ、冷ましてからアイスクリーマーに入れ、スイッチを押し、冷凍庫で冷やす。表示ランプが消えて取り出すと、シャリシャリでちょうどよい固さのシャーベットができあがった。口の中に入れるとすぐ溶けて美味しい。オレンジだけでなく、レモンやリンゴ、いろんな果物でも簡単に作ることができそうだ。
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オレンジをシャーベットをつくる。搾ったオレンジにグラニュー糖を加え、火にかけてから冷ましたもの
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できあがり
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シャリシャリしているが、固すぎることなく、美味しい
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● チョコチップ入りのチョコレートアイスクリームに挑戦
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チョコチップ入りチョコレートアイスクリームに挑戦。材料は、生クリーム、卵、グラニュー糖、ピーナッツ入りチョコレート、ラム酒
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お気に入りはチョコレートアイスクリームだ。生クリームを200ml、卵を2個、グラニュー糖、ココアパウダー、ピーナッツ入りのチョコレートを砕いて、ラム酒を足す。
卵白、生クリームをそれぞれ泡立て、グラニュー糖を加える。卵黄とココアパクダーにグラニュー糖を加え、泡立てた生クリーム、卵白の順番でふんわり混ぜる。
アイスクリーマーにそれらを入れてから、砕いたピーナッツチョコを電子レンジでちょっと溶かしてみたものと、ラム酒を加えて、フタをし、スイッチを押して冷凍庫に入れる。
しばらくして取り出してみると、ココアパウダーは粒々のままだったのが、アイスクリーマーの中ではきれいに溶けて、アイスを茶色くしている。卵白と生クリームもしっかり混ぜていないのだが、ちゃんと混ざり合っていた。
5時間が経ち、アイスクリーマーのフタをとると、ふんわりとした美味しいチョコレートアイスクリームができあがっている。チョコチップの混ざり具合もちょうどよい。これなら、客人にも出せそうである。
● ストロベリーアイスクリームもできる
チョコレートアイスクリームに気をよくして、ストロベリーにも挑戦してみる。生クリーム100ml、卵1個、グラニュー糖、イチゴを用意する。イチゴをフォークでつぶし、グラニュー糖と卵黄をまぜる。卵白と生クリームを泡立てて、それぞれにグラニュー糖を加えた。これらを全てアイスクリーマーにいれ、スイッチを入れる。
冷凍庫に入れて3時間が経ったころ、表示ランプが遅い点滅になっている。もうすぐできあがりだ。フタをあけるとジェラートのように柔らかくて、美味しそうなアイスができている。このまま食べてしまいたい衝動にかられるが、もう1時間待つ。するとストロベリーアイスクリームができあがった。
材料を入れた時は混ざり方にムラがあったのだが、できあがりは全体がムラなくピンク色だ。ふんわりしている中に、ところどころにつぶしたイチゴがある。イチゴの風味が甘酸っぱく、とても美味しかった。
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ストロベリーアイスクリームをつくる。材料は、イチゴ、卵、生クリーム、グラニュー糖
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表示ランプの点滅が遅くなり、できあがる直前の状態。ジェラート状になっていて、このままでも美味しい
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できあがり。中身はふわふわ。本物のイチゴが見えるのも手作りならでは
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● 来客時のおもてなしから、夕食後のデザート、子供のおやつまで
このアイスクリーマーは、冷蔵庫の引き出し式の冷凍スペースに入る高さなので、使いやすい。部品は全てボールの中に入れフタをして収納すればいいので、しまっておく時も部品を無くしたりせずに済む。
気になったのは、回転軸が約10cmと小さく、洗っているうちに失くす心配があること。あと、フタに表示窓があるものの冷凍庫にいれると凍ってしまうのでほとんど役に立たない。
材料によってできあがり時間が予想しづらいのだが、6時間みておけば大丈夫そうだ。中を見て、まだ柔らかかったらそのまま冷凍庫に置いておけば、ちゃんと固まる。柔らかめの仕上げでホットケーキやパンにのせて食べるのもよさそうだ。
特に危険な部品はなく、スイッチも大きいので、子供と一緒にアイス作りを楽しめるだろう。また、材料にお酒を加えたり、できあがったアイスにココアパウダー、エスプレッソをかけてみるなど、アレンジ次第で、大人も楽しめる。幅広い年齢層に、試していただきたい商品だ。
■URL
ナショナル(松下電器産業株式会社)
http://national.jp/
製品情報
http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=BH-941
2007/06/19 00:00
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