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家電製品レビュー
日立「ヘルシーシェフ MRO-BV100」

~「ナノスチーム」で“できたて”を再現できる過熱水蒸気オーブンレンジ
Reported by 西村 敦子

5種類の過熱方法による「メドレー調理」、庫内容量33Lの大きさが魅力

日立「ヘルシーシェフ MRO-BV100」
 まだ電子レンジがめずらしいアイテムだったころから、なぜか我が家には電子レンジがありました。当時はかなり高かったと思いますが、仕事をしていた母親が、時間短縮のために無理して購入したようです。なんとその電子レンジは25年も現役で活躍。いくらだったかはわかりませんが、十分減価償却できたと思います。

 その電子レンジのあと、サブに使っていた格安電子レンジを使っていたのですが、これも早々に壊れはじめたので、引っ越しを機に高機能なオーブンレンジを買おうと決めました。というのも、最初はシステムキッチンにビルトインのオーブンを組み込もうと思ったのですが、想像以上に高価だったので断念。その分、電子レンジをオーブンレンジにすることにしたわけです。

 が、長年「あたため」「解凍」の単機能なものしか使ってこなかったので、いざ新しいオーブンレンジを買おうと各社のパンフレットを見てびっくり。まったくついていけないぐらい高機能になっていました。

 で、カタログを読み込んで何度か店頭でも見比べた結果、やっと決めたのがこの「ヘルシーシェフ MRO-BV100」。選んだポイントは、「レンジ」「オーブン」「スチーム」「ナノスチーム」「グリル」の5種類と加熱方法が豊富で、この5つを組み合わせた「メドレー調理」が使えること。庫内容量が33Lと大きく、大型の皿も入ること。普段使う機能はある程度独立のボタンがあって使いやすいこと。そして、背面は壁にぴったりつけられること、の3点でした。Amazon.co.jpで、69,030円で購入しました。


大きな皿も入る広い庫内。横42cmまでの皿が入るのでパーティ料理にもぴったり テーブルプレートはセラミック製。スチームを使ったりナノスチームで油を落とすと汚れやすいので、取り外して洗いやすいテーブルプレートは便利です 我が家の設置場所はコーナー部。上部は20cm、両側は5cmのスペースが必要ですが、背面はぴったり設置できます

前面の液晶の表示がわかりやすい

 店頭で見たときにも思ったのですが、高機能なオーブンレンジはかなり大型。庫内の広さを確保するためには当然なのですが、キッチンではかなり存在感があります。背面がぴったりつけられる「MRO-BV100」ですが、それでも奥行きは46.5cm。前面のでっぱりを気にしなければ39.5cmの奥行きがあれば設置できますが、浅い食器棚の場合は、まずは奥行きの確認をしておきましょう。

 また、オーブン機能やグリル機能を使うと単機能の電子レンジとは違って本体が熱くなるため、四方を囲まれた空間には設置できず、上面は20cm以上、両側に5cmのスペースが必要です。

 設置場所に悩んだあげく、キッチンスペースの端にラックを置き、壁面から5cmほど空けて設置しました。実は友人宅の「ヘルシオ」を見てそのスチームの排出量に衝撃を受けたのですが、「MRO-BV100」のスチームは、「もうもうと吹き出す」ほどではありません。スチーム機能を使っているときでも、よく見れば蒸気が出ているかな、と見える程度で、心配していた壁紙の傷みも思ったほど心配なさそうです。

 本体前面には、「温度 仕上がり」ダイヤルと、「メニュー 時間」ダイヤル、中央に「あたためデイリー」「スチーム」「ナノスチーム」の3つのボタンがあります。このほか、5種類の過熱方式ごとのボタンと「お手入れ」「取り消し」ボタンで計12個。あまりにダイヤルやボタンがシンプルすぎるのも使いづらそうで不安だったので、この程度の独立ボタンはちょうどいい数だと思います。


ボタン類は前面下部にすっきりまとまっています。最初は多少迷いましたが、ひと月ですっかり慣れました 「スチーム」などのボタンを押すと、該当する箇所だけバックライトがつくので、メニューが選びやすい 庫内に入れるお皿の種類や、セットするのは「上段」か「下段」かなども表示され、取扱説明書がなくても調理できるように細かく表示される

オートメニューに従えばほぼOK

 「MRO-BV100」の使い方は、「グラム・ポジション システム」で重さを測り、自動的に火加減や時間を調整するため、オートメニューで適切なものを選んで、スタートボタンを押すだけ。牛乳などの液体は内容量にあったサイズのカップに、葉や根菜はラップにつつんで直接テーブルプレートに載せるなど、使い方さえ間違えなければとてもスムーズに使えます。

 このオートメニューだと、「取扱説明書・料理集・クッキングガイド」通り使えば、ほぼ失敗なく自動で調理できます。揚げ物やフライパン調理のように近くで見ている必要がないので、その時間に別のこともできるのも便利です。

 ただ、オートメニュー以外のものを作るとなると、取扱説明書を手放せません。ほかのオーブンレンジでも「XX種類のオートメニュー」などメニュー数をウリにしているものが多く、同じシリーズでも、グレードが下がるほど少なかったりします。当初はそんなにあっても使わないんじゃないかと重視していませんでしたが、使い始めて、やはりメニューが多い方がいいと実感。本製品では40種類ほど用意されていますが、多くて無駄とはまったく思いません。買って数カ月ですが、いまだに取扱説明書を片手に「あれはどうだろう」「これはどうだろう」と、いろいろな方法を試しては、新しい発見をしています。

 メニューの応用をしていて気に入ったのが、手羽先で作る「鶏の唐揚げ」。骨付きなので仕上がりを「強」に設定します。クッキングガイドにあるとおり、片栗粉をまぶす前に、しばらくタレにつけ込むのがポイントで、油がかなり落ちているのに、十分においしい唐揚げができあがります。


実際に本製品を使って手羽先の唐揚げを作る行程をご覧いただききましょう。まずは、タレに漬け込んだ手羽先を片栗粉にまぶして、焼き網に乗せます 手羽先のように骨のあるものの場合は、仕上がりを「強」に設定 油と違い、片栗粉がほんの少し粉のまま残ることがありますが、仕上がりはとてもおいしい

中までしっかり火が通っています
調理でプレート上に落ちた脂。ナノスチームで調理すると、油で揚げない上に、手羽先自体からもたっぷり脂が落とせます こちらはナノスチーム機能で作ったハンバーグ。フライパンのときのように見張っていなくていいので楽です

温野菜を作るときは、ラップに包んで「葉・果菜」モードで調理。ゆですぎず、ちょどいい仕上がり ほうれん草やアスパラガスなど根のあるものは、根の側を交互にしてラップに包みます

レンジ機能とスチーム機能のメドレー調理でよりおいしく

 調理以外のあたためでよく使うのは、やはり飲み物の温めや、ごはんのあたため。飲み物の場合はレンジ機能だけですが、ごはんの場合は、お椀に入れてラップをせずにメニューの「スチームあたため」で調理すると、スチームの力でごはんをふっくらと仕上げます。

 ほかにも、冷凍したものの半解凍や解凍も、同じようにスチームとレンジを使ったあたためメニューで、この場合は火を通さずにしっかり解凍だけができ、「四隅が温まって固くなってしまう」ようなこともありません。


冷やご飯は「スチームあたため」モードであたため。うちのご飯は少し胚芽を残した「5分づき」で、冷めるとすぐかたくなってしまいますが、本製品ならラップなしでもふっくら仕上がります スチーム機能なら、冷凍シュウマイもふっくら

買ってきた揚げ物が“あげたて”になる「天ぷらあたため」

 「MRO-BV100」の特徴は、やはり「ナノスチーム」。脂を落としてヘルシーに仕上げ、中はやわらかく、外はカリっとした調理ができます。さきほどの「鶏の唐揚げ」もこのナノスチームのメニューですが、ほかにも、エビフライからスペアリブ、バーベキューから焼き芋までさまざまな調理が行なえます。

 さらに、特筆したいのが、「天ぷらあたため」と「冷凍食品パリッと」。たとえば、“夕飯に食べよう”と買ってきたコロッケが、食べるころにはべたっとしてしまったことはないでしょうか。「天ぷらあたため」メニューだと、ナノスチームで脂がある程度落ちる上、衣の余分な水分を落とし、買ってその場で食べるサクサク感も再現されて、単機能の電子レンジではできない技に驚きました。レンジで温めるよりは時間がかかりますが、うちでは天ぷら、コロッケ、焼き鳥を食べる前には、「天ぷらあたため」で温めてから食べるのが定番になっています。

 また、「冷凍食品パリッと」も、市販の冷凍食品を“作りたて”に仕上げるメニューの1つ。中はふっくら、外はパリっと仕上がり。おかげでうちでは冷凍食品が「ちゃんと料理すればかなりおいしいもの」という認識になり、以前よりも買う機会が増えています。

 これらの機能は、毎日忙しいお母さん方には、特に便利なのではないでしょうか。私も、母親が昔電子レンジを買った気持ちがなんとなくわかったような気がしました。


冷凍たこやきも、焼き網で仕上げて中はふっくら 天ぷらの油は、ナノスチームで焼き網から下にたっぷり落ちます

トースター代わりの「グリル」、パン焼きの方法は2種類

グリルで焼いた食パン。表5分、手動で裏返して2分とちょっと手間ですが、我が家の場合はときどきしか食べないのでこれでも十分
 買うときには、何も考えずに「トースターとしても使えるだろう」と軽く考えていたのですが、取扱説明書を読んでみると「時間がかかります」との表記……。意味がよくわからずに実際にやってみると、グリルを使って焼くため、表面5分、裏返して2分かかりました。トースターのような手軽さはないので「トースターは別に買った方がいいな……」と思ったのですが、慣れたら「これでもいいか」と思うようになってしまい、いまだにトースターを買わずにグリルで焼いて食べています。ちなみに焼き上がりはまったく問題ありません。

 生地から作るパン焼きが趣味、という方もいらっしゃると思いますが、その機能は充実。スチーム機能とオーブン機能を使った本格的な「フランスパン」と、スチーム機能とレンジ機能で手軽にできる「かんたんパン」の2タイプ作れます。

 1から作るのが面倒という方は、焼くだけでいい冷凍パン生地を入手して、オーブン機能で焼き上げて焼きたてをいただくのもおすすめ。手軽に「焼きたてパン」のおいしさが味わえます。


「スチーム発酵」中のようす。パンを手早く発酵できます かんたんパンに挑戦してみました

レンジの500W、200W、100Wが「湯せん」代わりに便利

 調理とは関係ないのですが、私の場合、石けんや化粧品を手作りするのが趣味で、その際によく電子レンジを使います。昔はマイナーだったのですが、最近は簡単に作れるキットも発売されていて、格安で質のいいものを手軽に作れるので、試されている方も多いかもしれません。

 たとえば、乳液を作るときは乳化ワックスとオイル、精製水を電子レンジで加熱して溶かしていくんですが、あまりパワーが強すぎるとあっという間に沸騰してダメになってしまうので、50~60℃で作業できるよう、数十秒ごとに様子を見ながら溶かしていきます。このとき、500Wや200Wなどの低いパワーのレンジのあたためがとても便利。いろいろなものを「湯せん」するのにぴったりです。また、冬など、一度作ったクリームが固くなりすぎてしまったときにあたためるのにも便利です。

 もちろん、お菓子やパンを作るときにバターの湯せんをしたり、チョコレートの湯せんをするのにも使えますし、冷蔵庫から取り出したばかりのバターを塗りバターにするには200Wぐらいがちょうど良いです。

 前面パネルの「レンジ」ボタンを数回押すと、700W、500W、200W、100W、スチーム発酵……と表示が切り替わるので、700Wでは強すぎる調理の時に、この切り替えがおすすめです。


化粧クリーム作りのために固形の蜜蝋(みつろう)を溶かす場合は、500Wモードで湯せんすると便利 もちろんお菓子作り用にバターの湯せんもOK。700Wで温めると飛び散るので注意

「おこのみ操作」用のクッキングガイドがほしい

 「MRO-BV100」は、メニュー以外でももちろん、レンジ、オーブン、グリルを単機能で使えるほか、それぞれをスチームと組み合わせたり、ナノスチームとオーブン、ナノスチームとグリルの組み合わせの操作も行なえます。おかげで作れる料理が増え、「買ってよかった」と思っています。

 ただ、さすがに組み合わせた機能となると、どの調理にどの機能が向いているのかがつかみきれず、迷うときがあったりします。スペックを考えると、まだまだメニューは増やせそう。もっと詳しいクッキングガイドがあれば、より活用できるのではないのでしょうか。有料でもいいので、いつかオプション販売してくれることを願っています。





URL
  日立アプライアンス株式会社
  http://www.hitachi-ap.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/06/0608b.html
  製品情報
  http://kadenfan.hitachi.co.jp/range/lineup/bv100/index.html



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2007/06/06 00:05

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