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家電製品ミニレビュー
ナショナル「1.5斤タイプ 自動ホームベーカリー SD-BT153」

~材料を入れてスイッチポン! で焼きたてパンが楽しめる
Reported by 富永 ジュン

ナショナル「1.5斤タイプ 自動ホームベーカリー SD-BT153」
 筆者はいつも、朝食には厚切りのトーストとカフェオレボウルたっぷりのミルクティーをいただいている。食通を気取るわけではないのだが、なぜか昔から食パンの風味や食感に対する強い嗜好性があり、その条件を満たす食パンを手に入れるべく、自宅からかなり離れた調布や吉祥寺のベーカリーに通っていた。

 そんな時、家電Watch編集部からナショナルの「1.5斤タイプ 自動ホームベーカリー SD-BT153(以下、SD-BT153)」を試用してみないかという打診をいただいた。「手作りの焼きたてパンを毎朝食卓に」という素敵イメージに心をわしづかみにされたのもあるが、正直なところ、忙しい時に食パン1つのためだけに遠くのベーカリーまで出かける時間を捻出するのは面倒だと思うことも多々あったので、二つ返事で引き受けることにした。


豊富な種類のパンだけでなく、麺類、おもち、ケーキなども作れる

 SD-BT153は、パンの焼き上げと生地作りのほかに、従来機種には搭載されていないピザ、うどん、パスタの生地作りやおもち、ケーキ作り機能に対応した1.5斤容量の自動ホームベーカリーだ。パン作りについては、基本とも言えるドライイーストを使った「食パン」コースに加え、通常の半分の時間で焼き上がる「食パン早焼き」、皮が柔らかくてきめ細かな食パンが焼ける「ソフト食パン」、カリッとした皮と小麦粉の風味が味わえる「フランスパン」、バター風味の「デニッシュ風食パン」、天然酵母パン向けコースなどが用意されている。なお、価格はオープンプライスだがヨドバシカメラなどの家電量販店では25,000円程度で販売されているようだ。

 本体の大きさは、床面積が3合炊きのIH炊飯器とほぼ同じ、高さは約2倍ぐらいだ。炊飯器と同じように本体上部がふたとなって開き、内部に食パン型となる四角い着脱式のパンケースが格納されている。このほか、食材を混ぜるのに使われる「パン羽根」と「めん・もち羽根」、計量カップ、ふた付きの生種容器、計量スプーン、ミトン2枚が同梱されている。普段お菓子やパンなどを手作りしない家庭でもはかりと食材さえ用意すれば、すぐにパン作りに取りかかれるのがなんとも嬉しいところだ。

 また、フルカラーの説明書には本体の操作方法のほかにコースごとのレシピや、野菜、穀類、果汁などのアレンジ具材を加える際の材料の配合アドバイスまで記載されている。料理本を用意しなくてもすむのは本当に手軽だ。


本体内部には、食パン型で四角い着脱式のパンケースが備えられている ミトン2枚、計量カップ、ふた付き生種容器、パン羽根、めん・もち羽根、計量スプーンが付属する

最初に材料を全部入れてスイッチを押すだけ

パンケースに強力粉などの材料を入れる。筆者はものぐさなので、はかりの上にパンケースを載せて計量しながら、順番に材料を入れた。この時点で混ぜる必要はない
 さっそく、一番ベーシックなコースとなる、ドライイーストを使った食パンを、説明書のレシピに沿って作ってみることにした。

 まずは、パンケースの取っ手を持って軽くひねるようにして本体から取り出し、パンケース底の取り付け軸にパン羽根を差し込む。パンケースに強力粉、砂糖、バター、水などのドライイースト以外の材料をすべて入れ、本体に戻してふたを閉める。なお、この際に材料をふるいにかけたり、混ぜたりする必要はない。最後に上ふたを開けて、ドライイーストをイースト容器に投入する。これで準備は完了だ。操作パネルの「コース」ボタンを押して「ドライイースト」を、「メニュー」ボタンで「食パン」を選択し、「スタート」ボタンを押すとパン作りが始まる。

 操作は、設定項目・ボタンの数が少なく、さらには音声による操作ガイダンスが流れる「音声ガイド」機能が用意されているため、特に説明書を見る必要もないぐらい直感的だ。何を作るか(ドライイースパン、天然酵母パン、ケーキ、うどん・パスタ、もち)をコースで選択し、パンの種類(食パン、食パン早焼き、ソフト食パン、フランスパンなど)を指定するだけでよい。オプションとして、レーズンやナッツの自動投入機能と3段階での焼き色設定も用意されている。また、焼き上がり時間の予約も可能だ。


中ふたをあけたところ。右の「イースト容器」にドライイーストを入れる。レーズンやナッツ入りのパンを作りたい場合は、左の「レーズン・ナッツ容器」に入れておけば、パン生地が練り上がった後に自動的に投入してくれる。 操作パネル。「コース」ボタンを押して何を作るか指定し、その後「メニュー」ボタンでパンなどの種類を選択するだけといたってシンプルな操作方法だ

 操作が終了すると、あとは焼き上がりまで何もする必要はない。稼働音は、材料を練る際のモーター音や、ドライイースト投入時に「パタン! パタン!」というイースト投入口の開閉音が発生するが、稼働音がする時間は限られている。キッチンに設置する限りは、音量も特にうるさいと感じるほどではないだろう。

 なお、焼き上がりまでの時間は食パンが4時間20分、食パン早焼きが2時間、ソフト食パンが5時間、フランスパンが7時間、デニッシュ風食パンが3時間だ。予想していたよりもかなり時間がかかるので驚いたが、よく考えてみるとこれには単に生地をねって焼き上げるだけでなく、発酵や生地を寝かす時間も含まれている。純粋に一からパンを手作りすることを考えたら、むしろ短いぐらいなのだろう。

 焼き上がり30分前ぐらいになると、パンが焼けるいい香りが部屋中に漂い出す。パンが焼き上がると、「ピッピッ」というアラーム音とともに音声ガイダンスが流れて焼き上がりを知らせてくれる。「取消」ボタンを押して電源を切り、電源プラグを抜く。すぐにミトンを使ってパンケースを本体から取り出し、パンをパンケースから外して網などに乗せてあら熱を取ろう。市販の食パンのようにスライスするには、焼きたてパンはあまりにも柔らかすぎるのだ。


パンが焼き上がるとこのような状態になる。写真では1.5斤分の材料を使っているが、パンの背が低くなることさえ気にならなければ、1斤からでも作成可能だ 焼き上がった後はすぐにパンケースから外して網などの上で冷まそう 材料をかき混ぜる羽根が取り付けられた状態のまま焼き上げを行なうので、パンの底にはこのような穴と裂け目が入っている

ふんわり、サクサクの手作り食パンに大満足!

 翌朝、うきうきしながら食パンを6枚に切り分けてみた。実際のところ一晩おいた状態でも柔らかくて形が崩れやすいため、電動パン切りナイフでないとそれ以上薄くスライスするのはなかなかに難しい。一般的な6枚切りなどあまり厚くない方が好きな場合は要注意だ。

 切り分けたパンを、まずは何も手を加えずにそのまま味わってみる。中はふんわりと軽く、皮はデニッシュのようにサクサクとした食感だ。目地は市販の食パンよりもずいぶん荒いが、スカスカした感じではない。筆者好みのどっしり、しっとりとした食感からは大きく離れているが、手作りという欲目を差し引いたとしても素朴な味わいがあってとてもおいしい。必ずしも説明書のレシピに忠実に従わなければならないわけではないので、材料の配合を変えることで好みの食感に近づけていけばよいだろう。

 なお、1.5斤の食パンを焼くのに必要な強力粉は約400gだ。1kgの強力粉が280円足らずで販売されていることを考えると、バターや牛乳、イーストなどの代金を加算しても、自家製食パン1.5斤あたりのコストは150円程度となる。


筆者のオリジナル配合による天然酵母食パン。ベーシックな食パンと比較すると目が詰まっているのがわかるだろう。また、食感もどっしり、もっちりとしている
 より好みのパンに近づけようといろいろ試していくうちに、たどりついたのが国産小麦の強力粉ともち粉をオリジナルの配合でブレンドした粉と水、ごくごく少量のバター、塩のみを使って、天然酵母で焼き上げたハードブレッドだ。砂糖や牛乳は使わず、バターも1.5斤に対して10g以下と最小限に抑えることでカロリーや糖分、脂肪分を減らしている。また、強力粉は安心感が高い国産小麦製品を、ドライイーストの代わりとして天然酵母を使うことにした。

 天然酵母は、使用する前に顆粒状の乾燥酵母を丸一日以上かけて人肌程度の温度でふやかし、菌を活性化させる「生種起こし」という作業が必要だ。四季がある日本では生種起こし中の温度管理がなかなかに面倒なのだが、SD-BT153ではホシノ天然酵母パン種が製造・販売しているパン種の生種起こし専用のコースが用意されている。ふた付き生種容器の中で乾燥酵母と水を混ぜ合わせ、ふたをしめて容器ごとパンケースの中に24時間入れておくだけで真冬でも失敗することなく確実に生種起こしができるのだ。

 これならば、これまでのドライイーストを使ったパン作りとほとんど手間が変わらないので十分に続けられそうだ。ホシノ天然酵母パン種が扱っているパン種は色々と種類があるが、発酵力が高くて欧米風固焼きパンに適していると紹介されている「ホシノ天然酵母ぶどう種」を使うことにした。

 この方法で焼き上げた食パンは、ベーシックな食パンよりもどっしりと重みがあるフランスパンライクなものに仕上がった。中はしっとりと目がつまり、皮はザクザクとした歯ごたえがある。また、もち粉を加えたおかげでお米の自然な甘みともっちりとした食感も得られた。なによりも小麦の香ばしさとレーズンっぽい酸味がある天然酵母の香りが大変食欲をそそる。

 手作りパンというと、時間に余裕がある人が趣味やレクリエーションの一環として作る贅沢品だとばかり思いこんでいた。しかし、パンケースに材料を入れてボタンを押すだけで、こんなにもおいしいパンが味わえる手軽さに、心から驚いた。「パンを手作りする」という行為がもの珍しくて熱心に取り組んでいるだけで、日を追うごとに面倒になって続かなくなるのではないかという危惧もあったが、炊飯器でご飯を炊くのとまったく同じ感覚でパンが焼けるので、日々の仕事を持っている筆者でも特に苦痛を感じることなく、4日ごとに食パンを焼く生活が3カ月以上続いている。

 なお、1.5斤の食パンを焼くのに必要な強力粉は約400gだ。1kgの強力粉が280円足らずで販売されていることを考えると、バターや牛乳、イーストなどの代金を加算しても、自家製食パン1.5斤あたりのコストは150円程度となる。

 気になるコストについては、小麦粉は1kgあたり300円程度、もち粉は250gあたり300円足らず。天然酵母は15回以上使える250g入りのものが1,000円で入手できたので、トータルでは1.5斤あたり280円程度となる計算だ。天然酵母が高価なのでコストが大幅に上昇してしまったが、その分風味や食感が大きく向上し、かなり筆者の好みに近づいたので十分納得できる範囲と言えるだろう。





URL
  ナショナル(松下電器産業株式会社)
  http://national.jp/
  製品情報
  http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=SD-BT153



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2007/05/25 00:02

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