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家電製品ミニレビュー
ツインバード工業「CM-851BR」

~手順を楽しむサイフォン式のコーヒーメーカー
Reported by 本誌:伊達 浩二

ツインバード工業「CM-851BR」
 コーヒーの淹れ方も、時代によって流行がある。

 二十年以上前の純喫茶全盛期には、お店のカウンターには大型の電動ミルとともにサイフォンが並び、独特の雰囲気を醸し出していたものだ。

 実際にコーヒーを淹れるときは、ネルドリップ式のお店の方が多かったと覚えているが、サイフォンのガラス器具特有の雰囲気と、お湯の上下に伴う動作と音の面白さは、自宅とは異なる空間を演出するのに有効だったと思う。

 今は、ボタン1つで豆からコーヒーができるコーヒーメーカーが家庭にも普及しているが、懐かしいサイフォン式のコーヒーメーカーを見つけたので試してみた。

 メーカーはツインバード工業で、型番を「CM-851BR」という。メーカー希望小売価格は8,925円だが、Amazon.co.jpでの購入価格は 4,110円だった。


左上から電源コード、サイフォン本体、計量スプーン、フィルタ 左がサイフォン本体、右がヒーター

フィルタをロートにセットする。チェーンを細い管の部分に通し、バネを引っ張って、フックをガラスのフチに引っかけて止める
 実際にコーヒーを入れながら手順を説明していこう。

 まず、ガラス製のロート(上の部分)に、フィルタをセットする。フィルタはネル地の布なので、何度でも洗って使用できる。フィルタにはワイヤーとバネが付いていて、これをロートの細くなった先端に引っかけて固定する。

 次にコーヒー豆をロートに入れる。プラスチック製のロート立てが付属しているので、これにロートを挿して置く。コーヒーは2~4カップ入れられるようになっており、1カップ分が付属の計量スプーン1杯分になっているので、2カップなら2杯、ミルで粉砕したコーヒー豆を入れる。


注水作業のときなど、ロートを外したときは、転がらないように、必ずロート立てに立てる
 次に、これもガラス製のサーバー(下の部分)に水を入れる。サーバーには目盛りが振られているので、2~4カップ分のどれかに合わせる。1カップ分は約130ccのようだ。サーバーの外側に水滴が着いていると、ガラスが割れることがあるので、よく拭いておく。

 ロートをサーバーに挿して固定する。両方ガラス器具なので、あまり力を入れすぎないように気をつけよう。ちゃんと固定できたら、サーバーをヒーターにセットする。電源スイッチはなく、電源コードをサーバーにつなぐと加熱が始まる。


ヒーターには電源スイッチはない。右に見える小さな丸い部分はセンサー 電源コードはマグネット式で、足などをひっかけてもサイフォンが倒れないように配慮されている

 お湯が沸くと、サーバーの中の圧力が高まり、お湯がロートへと上がる。ロートの細い管の部分をお湯が上がっていく動作が理科実験のようで面白い。ロートとサーバーの底には少し隙間があるので、若干のお湯はサーバー内に残るが、これはそういうものだ。

 コーヒー豆はお湯に浮いた状態になりやすいので、ゆっくりと2~3回攪拌する。ロートの上部は開いているので、コーヒーの香りが周囲に広がり、雰囲気を盛り上げる。


【動画】お湯が沸くと、サーバーからロートに上がっていく(WMV形式、約432KB) コーヒー豆にお湯がかかり、抽出が始まる。計量スプーンのヘラで、ゆっくりと攪拌する

 約1分ほど待って、サーバーをヒーターから外す。サーバー内が冷えると、今度は負圧でコーヒーがロートからサーバーへ落ちてくる。コーヒー豆はネルフィルタに漉され、ロートに留まる。

 やけどをしないように注意しながら、ロートをロート立てに移す。コーヒーをサーバーからカップに注いで終了だ。


【動画】サイフォンをヒーターから外すと、徐々にコーヒーがサーバーに落ちてくる(WMV形式、約1MB) サーバーからゆっくりとコーヒーを注ぐ。1カップ分が少なめなので、大きめのカップにすれば2カップ分入る

抽出中のようす。コーヒーの香りが広がる中、見守っているのが楽しい
 読んでいただくとおわかりのように、豆と水をセットしてからコーヒーができるまでには、かなりの手順があり、時間も5分ぐらいかかる。コーヒー一杯淹れるにしては手間も時間も掛かる作業なのだ。

 実は、この間、お湯の上下を見守り、コーヒーの香りを楽しみ、コーヒーの抽出加減を調整をすることがサイフォンの楽しみだと思う。自分の場合で言えば、手間を楽しみながら、コーヒーを淹れることに集中することが目的であって、コーヒーができるころには、目的を果たし終えた気になっていることも多い。

 また、サイフォンを使った経験のある方にはおわかりのとおり、アルコールランプの代わりにヒーターを使うこと以外は、まったく普通のサイフォンのままだ。サイフォンを電気化する際に、やろうと思えば、もっと自動化することもできたと思う。たとえば、ヒーターに電源スイッチをつけることは簡単にできる。また、ヒーターの温度を調節して保温機能をつけたり、お湯が上がってから一定時間経つとヒーターを切るようにすることもできただろう。

 たぶん、この製品の設計者は、サイフォンの魅力が、その操作の手間にあることを知っているのだろう。この製品は、大幅に省力化して、サイフォンで淹れた味のコーヒーを簡単に作ることは目的としていない。従来のサイフォンをできるだけ、そのままにして、燃料の管理が面倒なアルコールランプを電気化するにとどめたのはそういうことではないだろうか。

 そんなことをぼんやり考えていると、コーヒーも飲み終わったので、お片付けについて書いて終わりにしよう。

 サイフォンを一度使うと洗うものは多い。サーバーとロート、フィルタ、計量スプーンの4つだ。サーバーとロートは大きめのガラス製品なので、取り扱いには気を遣う。どちらかを割ってしまえばサイフォンは機能しなくなってしまう。

 フィルタは、普段は温水で流せばよいが、何度かに1度は、ネルを外してよく洗う必要がある。計量スプーンは反対側のヘラの部分でコーヒーを攪拌するので、毎回洗う必要がある。

 というわけで、この製品は、実用品としてのコーヒーを作る機械ではなく、趣味のためのコーヒーを淹れる製品だ。時間がたっぷりあるときに、手間と手順と自らのコーヒーとに対するこだわりを楽しむための道具と考えた方が良いだろう。この分野の唯一の製品として貴重な存在であることは間違いない。





URL
  ツインバード工業
  http://www.twinbird.jp/
  製品情報
  http://www.twinbird.jp/product/cm851/

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2007/04/03 00:00

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