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家電製品ミニレビュー
三菱電機「AD-P60LS」

~1台6役!? あれこれ使える多目的ふとん乾燥機
Reported by 富永 ジュン

AD-P60LS
 よく晴れた日にたっぷりと天日にさらしたふとんは、ふかふかと柔らかくてお日様の香りがし、そっとくるまると無条件に至福の境地に至れる幸せな存在だ。また、ふっくらと空気を含んだふとんは肌触りがよくて保温性も高いので、冷え込む夜でもぐっすりと快眠できるのも嬉しいところ。

 毎日ふとんが干せれば何もいうことはないわけだが、当然雨や曇りなどお天気が許さない日もあれば、仕事などで一日中外出していてふとんが干せない日もある。さらに集合住宅などでは、ふとんを干すのに適したベランダやバルコニーがない、もしくは外にふとんを干すこと自体が禁じられている物件もあるだろう。

 筆者の自宅も例外ではなく、お天気や風向きによっては近くを走る幹線道路からの排気ガスとおぼしき黒いチリがベランダの手すりなどに積もるため、昨年夏の転居以来、ベランダにふとんを干すことに対して、なんとなく抵抗を感じるようになってしまった。しかし、冬になって毛布やふとんをたくさん使うようになってからというもの、冷えてしなびきったふとんを干したい欲求は最大限にまで高まり、思わず家電量販店でふとん乾燥機を衝動買いしてしまった。


コンパクトに収納できるのにダブルベッドまでしっかり乾燥

 今回購入したのは、三菱電機のふとん乾燥機「AD-P60LS」だ。本体上部のふたを開くと収納スペースが用意されていて、エアマットとホース、電源コードをすべて本体内に収納できるのが気に入った。また、エアマットの幅はシングルサイズ向けの80cmを採用する製品が主流の中、AD-P60LSはダブルサイズ向けの120cmと二回りも大きく、筆者のセミダブルベッドでも端までしっかりと乾燥できるのが決め手となった。

 また、詳しくは後述するがブーツ乾燥アタッチメントやハンガー用衣服乾燥カバーが付属するなど、ふとん乾燥機以外の機能も充実していそうだ。希望小売価格は21,000円だが、家電量販店では10,500円で販売されていた。なお、AD-P60LSからハンガー用衣服乾燥カバーを省略した下位モデル「AD-P40」が実売価格7,000円程度で販売されている。洗濯乾燥機や浴室に乾燥機がある場合は、こちらを選んでもよいだろう。


本体側面
背面
本体上部のふたをあけるとホースとエアマット、電源コードが収納できる

 自宅に戻って早速ふとんを乾燥してみた。エアマットは向きが決まっていて、ファスナーがついたポケットを頭側にして敷き布団の上に広げ、ポケットにまくらを入れる。続いて足側のホース差し込み口にホースをしっかりと差し込み、抜けないようにホース差し込み口をマジックテープでしっかりと閉める。この状態でエアマットの上に毛布や掛け布団を敷けば準備は完了だ。あとは本体前面の切り替えスイッチを「ふとん ランドリー」側になっていることを確認後、タイマーを「ふとん」に合わせれば送風が開始される。

 なお、タイマーには「冬コース」と「夏コース」の2種類があるが、夏コースは冬コースの通常運転時間終了後にさらに約30分間の送風が行なわれてふとんの熱気取りができるというものだ。なお、冬コースでふとんを乾燥させる際の運転時間は約55分間となる。

 運転中はやはりある程度の送風音が発生するが、安定した低音域の音なので筆者はあまり気にならなかった。隣の部屋ならばドアを閉めてしまえばほとんど運転音が聞こえることはないし、同じ部屋でもテレビの音が聞こえづらかったり、会話の邪魔になるほどの音量ではない。

 また、締め切った室内で利用しても室内の温度が上昇しすぎてムンムンすることもなかった。ただし、やはりふとんの湿気を蒸発させるという製品の性質上、説明書では部屋の換気を行なうよう指示されている。なお、運転が終了すると自動的に送風が止まるが、特にアラームなどで知らせてくれるということはない。

 運転終了後にふとんを確認してみたが、お日様のにおいこそしないものの、乾燥した表面と、ふっくらと一回り大きくなったふとんは天日干しに負けず劣らず、大いに満足できる仕上がりだった。なぜもっと早く導入しなかったのだろう!


切替スイッチとタイマーのみというシンプルなインターフェイス エアマットを広げたところ。セミダブルサイズのベッドでも、端までしっかりとエアマットが行き届く エアマットに送り込まれた温風は、エアマットの四方を巡って、上部の通気口から足下に向って吹き出す仕組みになっている。もちろん通常はエアマットの上にふとんをかぶせて使用する

明日着る服がない!

 AD-P60LSの付加機能として、エアマットを使った洗濯小物の乾燥機能とハンガー用の衣類乾燥カバーを使った衣類の乾燥機能が用意されている。忙しくてついつい洗濯を怠っているうちに翌日身につける服がもうない、またはこの服にはこのインナーを合わせたいのにこの前着ちゃってまだ洗濯していない、といったシチュエーションに役立ちそうなこの機能の実力を試してみた。

 まずはエアマットを使った洗濯小物の乾燥機能を見てみよう。説明書によると、一度に乾燥できる量と乾燥時間は、5分間脱水したTシャツ2枚、ハンドタオル3枚、トランクス4枚、靴下4足を1セットとして約2時間とのこと。さすがにまったく同じ構成で洗濯物を用意することはできなかったが、靴下やハンカチなどの小さい洗濯小物をエアマット頭側のポケットの中に重ならないように並べ、さらにTシャツやタオルといった大きめ、または厚めの洗濯物はエアマットの上にしわを伸ばして並べた。

 この状態でエアマットの足側が頭側と重なるように半分に折りたたみ、足側に取り付けられたループに頭側のベルトを通してマジックテープで固定する。エアマットのホース差し込み口にホースを入れて、本体の切り替えスイッチが「ふとん ランドリー」側になっていることを確認してタイマーを「ランドリー」に合わせる。運転時間は約120分だ。

 運転終了後に洗濯物の状態を確認してみたところ、ハンカチのような薄手のものはしっかりと乾いていたが、靴下のような生地が厚いものやTシャツの縫い目などが、まだ完全に乾ききっていない印象を受けた。

 これは筆者がフローリングの床の上にエアマットを設置したことと、1年のうちでももっとも気温が低くなる2月という時期が大きく影響している。

 なお、再度120分間の運転を行なったところ、すべての洗濯物が完全に乾いていた。総合すると、気温が低い冬や湿度が高い梅雨時などでは、翌日着る服を寝ている間に乾燥させるのは難しそうだ。あえて言うならば、1度干したがまだ生乾きの洗濯物を完全に乾燥させるために利用する、という補助的な使い方が現実的だろう。

 また、エアマットの上に洗濯物を置いた状態で乾燥させるという仕組み上、洗濯物がしわになりやすい。靴下や下着などは気にならないかもしれないが、Tシャツなどは全体的に「しわっ」、または「よれっ」という形容詞が似合いそうな、なんとなくだらしない仕上がりになる。利用するにあたっては心しておくべきだろう。


衣類乾燥カバーをハンガーにかけたところ。マンションサイズのふすま1枚よりも横幅が大きく、ゆったりと洗濯物を干せる
 洗濯物乾燥機能の思いがけない貧弱さにがっかりしながらも、ハンガー用衣服乾燥カバーを使った衣類乾燥機能を試してみた。

 これは、ハンガーにつるした衣類にカバーをかぶせ、そこに温風を吹き込んで衣類を乾かす機能だ。幅82cm×奥行42cmまでのハンガーに対応する。本体の操作はエアマットの時とまったく同じでよい。また、手順説明書によると約2時間の運転時間で乾燥可能な衣類の目安は、Tシャツ3枚、トランクス3枚、ハンドタオル3枚、靴下3足とエアマットの時とほぼ同量だ。

 筆者は普段屋外に洗濯物を干すのに使っているプラスチック製の長方形ピンチハンガーを利用し、靴下やタオル、別途ハンガーにかけたTシャツやカッターシャツなどをつるして運転を開始した。

 なお、この幅82cm×奥行42cmというサイズはかなり大きいので衣類乾燥カバー内でもゆとりをもたせた洗濯物の配置が可能だ。しかし、衣類乾燥カバーの高さが125cmもあり、ハンガーをひっかける場所を見つけるのに苦労する。筆者宅では、ふすまを開け放してハンガーをさんに引っかけた状態で利用した。

 ホースの長さがなく、設置の自由度が比較的低い製品なだけに、この機能を目当てに購入するならば、事前に適当な設置場所があるか確認しておいた方がいいだろう。

 さて、肝心の乾き具合だが、エアマットと比較すると断然乾きがよく、エアマットでは生乾きだった靴下やTシャツの縫い目などもほぼ乾いていた。衣類乾燥カバーのファスナーを閉じて放置しておいたところ、朝には完全に乾燥していた。

 また、エアマットの時にどうしても気になったしわについても、ハンガーにつるしておいたTシャツもカッターシャツも天日乾燥と変わらない状態となった。これならば十分実用的と言えるのではないだろうか。いざという時に衣類も乾かしたいならば下位モデルではなく、AD-P60LSを購入するのが正解のようだ。


ブーツ・靴を乾燥させて清潔に使う

本革ロングブーツを乾燥しているところ。完全に乾燥させるまでに4時間かかった
 AD-P60LSの応用技はこれだけではない。なんと、ホースの吹き出し口が二股に分かれていて、ここにスニーカー、本革・合皮・ビニール製の靴をはさんで靴の内部を乾燥できるのだ。

 また、付属のブーツ乾燥アタッチメントをホースに装着すれば、ブーツ乾燥アタッチメント内部にセットされたデオドラントシートの働きにより、不快なにおいを抑えながらブーツ内部の乾燥ができる。

 なお、運転時間は運動靴や上履き、長靴などは本体の切り替えスイッチを「ふとん ランドリー」側に設定した状態で温風90分間、送風30分間、熱に弱い本革・合皮・ビニール製品などは「ブーツ(革・合皮)」側で送風のみ120分間となる。

 雨で内部までぐっしょりと濡れた本革ロングブーツを説明書の指示に従い、タオルである程度の水分を取った後にAD-P60LSで乾かしてみた。つま先まで完全に乾燥させるまでに120分間の送風運転が2回必要だった。

 においを抑えるというデオドラントシートの効果については、たしかにないよりかはマシなのかもしれないが、においは残っている。靴の内部に風を送り込んで乾燥させるという性質上、ある程度のにおいが発生するのは仕方がないところだ。

 筆者の個人的な感想としては、もちろん雨などで濡れた靴やブーツを乾燥させることも可能だが、一日履いた靴から汗や湿気を飛ばして清潔に保つ、毎日のお手入れ的な使い方の方が適していると感じた。


ブーツ乾燥アタッチメント。最長40cmまで3段階で長さを調整できる
付属のデオドラントシートとケース
デオドラントシートをケースに封入し、ブーツ乾燥アタッチメント上部の溝にセットする

 AD-P60LSには、さらに30分間の温風運転で就寝前のふとんを暖める「あたため」や90分の温風運転を繰り返すことでふとんを乾燥させてダニの繁殖を防ぐ「ダニ退治」といったメニューも用意されている。

 いずれも基本的にはエアマットでふとんを熱するというふとん乾燥のバリエーションに過ぎないが、やはりメーカーがそういった使い方をあらかじめ提案した上で適切なメニューを用意してくれるのは利用するユーザー側も安心感が強い。

 正直なところ、AD-P60LSの1万円という実売価格はふとん乾燥のみに機能をしぼった製品と比較すると少々割高な感は否めない。しかし、これでもかと言わんばかりの応用技(なかには力技と思えるものもあるが)を見せつけられると、これはこれでいいのかもしれないと思えてくる。少なくともたいていの人が思いつく限りの応用技がメーカーのお墨付きのもとに網羅されているので、「こんな使い方をしても大丈夫かしら?」と胸をドキドキさせることなく使い倒せるのは心強い限りだろう。





URL
  三菱電機株式会社
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/
  製品情報
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/home/futon/lineup_b.html

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2007/03/05 00:00

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