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マキタ「MR100」

~タフな“漢たちのラジオ”
Reported by スタパ齋藤

えっ、ラジオ!? ていうか、デカっ!!

マキタ充電式ラジオMR100本体。現場作業向けの防水性・耐衝撃性を持つラジオで、電動工具のバッテリーでも使用できる
 家電Watch編集部から「貴様はこういう方面の製品に萌えるであろうから使ってみてレポートしなはれ」てな旨のメールが届いた直後にデカい箱が送られてきた、ので、即!! 開梱!!

 してみたら、なんかヤケにムリヤリかつゴーインに巨大なラジオなのであった。電動工具などでおなじみマキタの、充電式ラジオ「MR100」である。

 ていうかなんかやっぱ、これ、デカっ!! 本体サイズは281×167×304mm(幅×奥行き×高さ)。容積としては、A4のノートPC×3台分てな感じだ。そして重い。本体のみ(バッテリーを除いた)質量が4.2kgある。そして本体にはmakitaのロゴ。さらにエラストマー製バンパー。加えて本体前面にはメタルパイプ製の保護金具……。

 こここ!! これは!! いわゆるブラスターですよブラスター!! コレをですね、肩に担いでですね、ヒップホップ音楽とかを大音量で鳴らしてですね、ダウンタウンを闊歩ですよ!! つーか違う>俺!! だからこのMR100はラジオだっつーの!!

 そうなのであった、このバイオレンスさえ感じられる外観を持ち、女性やお子様はお断りとでも言うかのようなサイズ・質量・装備のMR100は、非常にタフな“漢たちのラジオ”と言えよう。つまり、工事現場とかで使うラジオなんですな。希望小売価格は19,800円。楽天での購入価格は12,850円であった。


現場ラジオは、防水・高耐久・手軽

 MR100の目立った特徴は、防水構造、高耐久構造、そして手っ取り早く使える操作性、てなあたりだ。

 まず防水構造だが、JIS防水保護等級4相当の性能を持つ。これは、あらゆる方向から水の飛沫を受けても本体に悪影響が出ない、というものだ。つまりは生活防水。軽く水しぶきがかかっても、多少雨に降られても、壊れない。


防水性能はJIS防水保護等級4相当。いわゆる生活防水の性能だ。イヤホンコネクタ部には樹脂のフタがある 電池室周辺にはシリコン製と思われる防水パッキンが見られる

 それから高耐久構造。本体の前と後ろが、グルリとエラストマー製のバンパーで覆われている。エラストマーとはゴムのような柔軟性を持ちつつ、プラスチックのように加工しやすい新素材とのこと。この素材により、衝撃や傷から本体が守られている。また、本体前面の操作パネル左右には、金属製の保護パイプが装備され、操作パネルを保護している。


本体周辺はエラストマーで覆われている。コンクリートの上に無造作に置いても大丈夫そうですな 本体前面操作パネル部を保護する金属パイプ。コレがあるとミリタリーなフィーリングになりますな 本体質量が4.2kgと重いが、ゴツい取っ手があるので移動はラク。取っ手は折りたためる

 てなわけで、例えば作業現場の床にドガッと置いても安心して使える。ドガッと置いた瞬間の衝撃をエラストマーバンパーが吸収するし、MR100の操作パネルに台車がドンとぶつかっても金属パイプによって操作ボタン類が守られる。なお、本体は硬質の樹脂製で、部材自体が分厚い。操作パネル部も同様、一般のラジオと比べるとヤケに頑丈な樹脂で作られていて、剛性も非常に高い。さすが現場用ラジオ、受信性能だのナンだのという前に、まずタフさが目立っている。

 で、ラジオとしての使用感はどーかと言うと、全体的に単純明快で使いやすい。AMとFMとテレビ音声(1~3ch)を受信可能なMR100だが、ま、基本的には電源ボタン押してプリセット選んだりボリュームを調整したりするだけ。目覚ましアラーム機能およびスヌーズ機能なんかもあるが、電源入れてボタン押しゃぁ聴ける、という非常にシンプルなラジオだ。


本体前面操作パネル部。非常にシンプルでわかりやすい操作系だ。ボリュームを一押しするとチューニングダイヤルとして使える。再度押せばボリューム調整に FM放送受信中の表示。バックライトは操作時に数秒間点灯し、後、自動的に消灯する 本体側面左右にはスピーカーが内蔵されている。けっこーイイ音。かなりデカい音まで歪まずに出る

 使ってみて意外だったのが、その音質。MR100の本体左右側面には、直径76mm(8Ω)のスピーカーがそれぞれ内蔵されている。FM放送ならステレオで聴けるが、なんかこのラジオ、ミョーに音がイイんですけど。ソースがラジオ放送なので音楽CDなどで言う音の良さとは少々方向が違うと思うが、低音も高音もシッカリ出て、音楽なんかは心地よい音質で聴ける。またアナウンサの声も聞きやすい。音だけ聴いてると、現場向けラジオというイメージではなく、ちょっとしたラジカセ~ミニコンポくらいの音がする!? みたいな。

 それと、かなりデカい音まで出ますなコレ。実用最大出力は、使用する電源によって変わるが、最大で5W×2を出力する。電源については後述するが、14.4Vのバッテリーを使ってラジオの音量を最大にすると、電動工具のノイズを乗り越えてラジオ音声が響く感じ。また、音量を最大にした場合(14.4Vバッテリー使用時)でも、音が割れたりしない。騒音の多い作業現場で使うのに実用的な音量と音質だと感じられる。

 なお、受信感度はスゲく高いってわけでもなく、ヤケに低いって感じでもなく、フツーな印象。アンテナは、AM受信用に本体内蔵フェライトバーアンテナを使用し、FMおよびテレビ音声受信用に本体外付けのロッドアンテナを使う。外付けロッドアンテナはフレキシブルで、これもまた壊れにくい構造になっているようだ。


マキタ製電動工具用バッテリーで動作

 MR100、防水・高耐久・お手軽カンタンってあたりで、なるほど作業現場向けガテン系ラジオだなぁという印象だが、もうひとつ、大きな特徴がある。それは電源。

 MR100の電源は、付属ACアダプタの他、マキタ製工具向けの各種バッテリーを使用できる。マキタ製電動工具向けバッテリーとしては、現在、ニッカドバッテリー、ニッケル水素バッテリー、リチウムイオンバッテリーがあり、さらに電圧や形状の違いでバッテリー機種数を数えると40種類以上になる。

 が、MR100は、そのうち18種類のバッテリーに対応している。また、実質、MR100が対応するバッテリー機種・電圧は、マキタ製バッテリーの中でメジャーっていうか多用されているものばかりだ。マキタ製電動工具を使っているユーザーの多くが、すでにMR100用のバッテリーを所有している、と言っても良いだろう。なお、MR100に装着・使用できるバッテリーは以下のとおり。


差し込み式バッテリー
電圧型番
9.6V9135 9122 9120
12V1235 1222
14.4V1435 1422
18V1835 1822
24V-

スライド式バッテリー
電圧型番
9.6VBH9033B BH9020B
12VBH1233 BH1233C
14.4VBH1433 BH1420 BL1430
18V-
24VBH2433 BH2420
黒字:ニッケル水素バッテリー  赤字:リチウムイオンバッテリー  緑字:ニッカドバッテリー


 マキタ製電動工具ユーザーは、ちょいと手持ちの工具からバッテリー外して上の表と見比べるといいかも。ただ、残念ながら7.2Vのバッテリーには対応していない。ま、7.2Vのマキタ製電動工具シリーズは、ほぼ全部家庭向け~ライトユースの電動工具なので、現場利用重視のMR100とユーザー層がマッチしないってことで頷けたりはするが。

 なお、ちょいと前述した“電源によってスピーカーの最大出力が異なる”という件だが、バッテリー電圧と最大出力の関係を下記に示した。また、バッテリーの違い(容量)からくる使用時間の違いも示したので、ご参考までに。


バッテリー電圧とスピーカー最大出力
電圧型番
9.6V0.8W×2
12V1.2W×2
14.4V2W×2
18V3W×2
24V5W×2

バッテリー容量と使用時間(音量最大時)
電圧型番
1.3Ah約7時間
2.0Ah約11時間
3.0Ah約16時間
3.3Ah約17時間


 ちなみに、MR100は付属のACアダプタでも使用できる。が、この場合、本体前面のエラストマーカバーを開いてACアダプタを接続するため、防水性が失われると思われる。また、本体にはバックアップ用電池として単三形乾電池×2本を入れることができる(入れておくと主バッテリーを抜いてもユーザープリセットや時刻が保存される)が、単三形乾電池だけ入れてもラジオとしては機能せず、音は出ない。


マキタ製電動工具用の各種バッテリーを電源として利用できる
ACアダプタが付属する。ACアダプタ使用時は、写真左上に見える防水キャップを外すことになる
バックアップ専用の単三型電池×2本。入れなくても使えるが、入れると時刻やユーザープリセットが保存される

イイかも!! リチウムイオンな電動工具

 ココからは余談なんですけど、なんか、今時的電動工具シーンは、リチウムイオンバッテリーがトピックみたいですな。

 けっこー以前は、ポータブルで使える電動工具の電池と言えば、ニッカド電池が主流だった。現在でも比較的に安価orライトユース向けの電動工具には、ニッカド電池タイプが少なくない。が、多くはニッケル水素電池タイプになってますな。ニッカドよりニッケル水素の方が、同じ容積でもより大容量にできる=電池駆動でもより長時間使えるから、ってことですな。

 で、ニッケル水素電池が主流だった電動工具シーンだが、ここ数年で、ニッケル水素電池→リチウムイオン電池への移行が始まりまくっているようだ。リチウムイオンのほーが軽い、継ぎ足し充電により強い、自己放電が少ない、ってあたりがポイントらしい。

 かく言う拙者も最近は、リチウムイオン電池を採用したポータブル電動工具が好きな感じ。最初はBOSCHの「IXO」でクラリ。リチウムイオン電池だと、やはり、より自己放電しづらいのがイイですな。使いたい時になって充電するという手間が省けがち。IXOについてはその後に登場したライト付きモデルの「IXO 2」を使っている。

 パワーが必要な時の電動工具としては、ナショナルの充電マルチインパクトドライバー「EZ6507」を使用していたが、現在はマキタの充電式ドライバドリル 「DF440DRFXW」を使用中である。希望小売価格が55,800円、購入価格は36,250円と完全にプロ向けの製品だ。


マキタの充電式ドライバドリルDF440DRFXW。ねじ回しから穴開けまでイロイロ使える汎用ドリルドライバだ
DF440DRFXWはリチウムイオン電池タイプのポータブルドリルドライバ。軽く大容量のリチウムイオン電池ゆえか、このテの本格的な電動工具としては全体的に軽くパワフルな印象がある

 DF440DRFXWの何がイイかと言えば、まずリチウムイオン電池タイプだから。要は、ニッケル水素電池タイプと比べて、バッテリー自体が自己放電しにくく、かつ、大容量だから。使った後、しばらく放っといてもまだ電池が残っている。ニッケル水素タイプにありがちな、使う前にはきっと充電作業しなきゃなんないだろうなぁ、てのがより少なくてありがたい。

 あと、リチウムイオン電池タイプってコトで電動工具としての世代も新しいのだが、やっぱ最新系はイイですな。やや早期のニッケル水素世代のものと比べると細かいトコが洗練されている。例えばDF440DRFXWの場合、(今時的電動工具としては当然かもしれないが)前方にLEDライトが装着されていたり、充電器が非常に静かに動作したり、あるいはやや昔の世代の電動工具と比べたら、グリップ部などが非常に使いやすかったり。


DF440DRFXWのグリップ上部、トリガー部にある発光部。白色LEDにより、穴開け対象やネジを明るく照らす 一昔前の電動工具と比べると、グリップ部の形状や太さがずいぶん違う。非常に握りやすいデザインだ プチ感動したのがこの充電器。冷却機構を持ち、充電中にファンが回る点では珍しくないが、そのファン音が意外に静か。充電時のランプが意味するところもわかりやすくて便利っす

 DF440DRFXWを使い始めたのは比較的に最近なのだが、にゃるほど、だから市場ではリチウムイオン電池タイプの電動工具が流行ってんのかと理解。すると同時に、んぬー俺のニッカドやニッケル水素の電動工具を全部リチウムイオン電池タイプにリプレイスしたいよーん!! といった少々無闇な欲望が発生している始末だ。

 今回、電動工具のバッテリーを流用できるラジオ、って感じでMR100を見てきたが、実は電動工具のバッテリーで使える電気製品ってけっこーあったりする。ナショナルならこういうのがあり、マキタならこんなのこういうのがある。これらを見ても、やはり自己放電が少なく容量が大きい(軽いとも言える)リチウムイオン電池は魅力的だなぁと思ったりする俺であった。





URL
  株式会社マキタ
  http://www.makita.co.jp/
  MR100 製品情報
  http://www.makita.co.jp/product/li_ion/mr100/mr100.html
  DF440DRFXW 製品情報
  http://www.makita.co.jp/product/li_ion/df440drexw/df440drexw.html


2007/03/01 00:04

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