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師走特別企画「新しい蛍光灯で明るい新年を」
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~蛍光管の交換だけでも明るさ大幅アップ
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Reported by
本誌:伊達 浩二
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● 年末に蛍光灯を換えてみよう
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各社から発売されている明るく長寿命な新製品
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我が家では年末の大掃除という習慣は無かったが、ある年に、なにかのきっかけで蛍光灯を一斉に取り替えたことがある。器具はそのままで、蛍光管のみを交換したのだが、その明るさの違いに驚くとともに、明るい部屋が新年を迎えるのにふさわしい感じがして、子供心に嬉しかったものだ。
今の家の蛍光灯は2002年に転居した際に、新しくしたものなので、一斉に寿命が尽きつつある。切れた順番に交換していっても良いのだが、新しい照度計を買ったのをきっかけに、全部一斉に交換してみることにした。
もう一つのきっかけは、このところ各メーカーから、長寿命をうたい文句にした製品が続々と登場しており、これを試してみたかったということもある。
● 最大で65%も明るさが向上
今回交換したのは、個室が3つ、リビングが2つの計5つの器具だ。それぞれの器具は全部共通で、個室は32W+40Wの、リビングは30+32Wの円形蛍光管を使っている。ちなみにこのワット表記は蛍光管の大きさで、現在の蛍光灯はもう少し小さなワット数になっている。
なお、ほとんどの器具では、器具についてきたNEC製の蛍光管ライフルックの昼白色がそのままセットされていた。
まず、自分の部屋で、あらかじめ付いていたのと同じ蛍光灯に換え、新旧の違いを計った。ただし、ライフルックは2003年に新型にモデルチェンジしているので、正確に同じ製品ではない。価格は32W+40Wのセットで1,260円だった。
照度計を、照明器具の中心の真下に置く。器具そのものの明るさを計測するのならば、器具からの距離を一定にすべきだが、今回は実際の室内での変化を見たかったからだ。
交換前の状態で178.1lx(ルクス)だったのが、235.4lxに向上する。蛍光灯を新品に換えるだけで約3割向上したことになる。
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交換前の蛍光管は器具に付いていたNECのライフルック。寿命が近く、電極の周囲が黒くなり始めている
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交換前に床で計った明るさは178.1lxだった
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東芝「メロウZ PRiDE」
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次に、蛍光管を、東芝ライテックの「メロウZ PRiDE(プライド)」にした。「明るさ30%アップ、寿命2倍長持ち」と称している。明るさのアップはランプの上部に反射膜を作り、下方向に反射させていることによる。定格寿命は従来の6,000時間に対し2倍の12,000時間もあり、その時点で約80%の明るさを維持しているという。
色は「すがすがしい雰囲気を演出したい方や、和室、子供部屋にお勧め」の“クリアナチュラルライト”だ。
価格は32W+40Wのセットで、2,380円だった。ライフルックの2倍に近く、さすがに高級機種といえる値段だ。
交換後の明るさは284.6lxで、交換前に比べ約60%、普及機種に比べても約20%のアップだ。目視でも明らかに明るくなった印象だ。色味が少し青に振れている感じですっきりとした感じになる。
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セット商品なので、32Wと40Wの蛍光管が1つの箱に入っている。持ち帰る際に便利だ
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新品なので、電極の周囲もきれいだ
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パッケージ背面。明るさ向上と長寿命を訴求している
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古い蛍光管の電極部分はもろくなっており、交換時にヒビが入ってしまった
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交換後の明るさは284.6lx。肉眼でも明るくなったのがわかる
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NEC「ホタルックα」
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次に家人の部屋だ。ここは、NECの「ホタルックα」という製品にした。この製品は、消灯後にも残光があり、ちょっとした動作には不自由がないという特徴がある。部屋がすぐに真っ暗になるのが苦手な人に向いている。定格寿命は9,000時間だ。
色は「書斎/勉強部屋に向いた、みずみずしく鮮やかな光」という“フレッシュ色”だ。価格は32W+40Wのセットで2,080円だった。
計測したところ、交換前の173.7lxに対し、交換後は268.7lxだった。ここも54%のアップだ。
消灯後の残光はかなり明るく、照明器具のリモコンを探したり、メガネを置くのには不自由しないと好評だ。
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パッケージ背面。残光機能が一番のウリだ
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交換後の床面の明るさは268.7lx
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ナショナル「パルックPREMIER」
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次は和室、ここはナショナルの「パルックPREMIER(プレミア)」にした。定格寿命は9,000時間、その時点で明るさは80%維持としている。
色は「いきいきとした自然な雰囲気を演出したいお部屋におすすめします」という“ナチュラル色”だ。この色の「白い色をより白く見せ新聞などの文字がはっきり見えます」という文句にぐぐっときての選定だ。価格は32W+40Wのセットで2,080円だった。
蛍光管を箱から取り出して、手に取ってみると電極の組み付け方がかっちりしていて他社の製品にくらべ遊びが少ない。いろいろと違いがあるものだ。
30W側の蛍光管が器具付属のものから、ローコストのものに交換されていたためか、交換前は151.1lxしかなかったが、交換後は249.6lxになった。なんと、約65%のアップだ。
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パッケージ背面
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電極部に「パルックプレミア」のロゴが入っている
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日立「きらりUV nano」
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最後のリビングは、日立ライティングの「きらりUV nano」にした、微粒子のUVカット材をコーティングすることで、UVカットに加え、明るさの低下を抑えるという。目や肌にやさしく、写真や絵が色あせしにくいという。
定格寿命は9,000時間。色は「ナチュラルなあかり」という“きらりN色”にした。ちなみに、この製品だけが、外箱に定格寿命の時間を表記していない。ただ、当社比1.5倍とだけ書かれている。これはちゃんと書いておいた方が良いと思う。
価格は30W+32Wのセットで、1,580円だった。32W+40Wのセットに比べるとだいぶ安い。
箱から蛍光管を取り出して驚いた。なんと、蛍光管の断面が真円ではなく、楕円形になっているのだ。手に持っただけで他社製品との形の違いがわかる。これによって、直下照度が10%アップしているという。
リビングは、2つの照明器具が並んで設置されているので、計測は2つの器具の中心で行なった。
交換前が160.1lxに対し、交換後は209.9lxで、約31%のアップだった。ほかの部屋に比べて上昇率が低いのは2つの明かりの中央で計測したためかもしれない。
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写真ではわかりにくいが、蛍光管が楕円形になっている
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パッケージ背面
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● 手軽にできる明るさアップ法
通常の円形蛍光管の定格寿命は6,000時間なので、1日8時間として、約2年で寿命が来ることになる。
今回はその2倍にあたる4年も経過していただけに、交換後の明るさの向上は著しいものがあった。個室では約55~65%、条件の悪いリビングでも30%の向上が見られた。
各メーカーの蛍光管も、さまざまな特徴があり、画一的な製品ばかりでないこともよくわかった。色の違いや形状の違いなど、これまであまり気にしていなかった分野だけに、大変面白く感じた。機会があれば、もう少し掘り下げて比較をしてみたい。
また、同じワット数であっても、高級機種は普及機種に比べて明るいことも確認できた。コストとのかねあいはあるが、数百円前後の差額で明るさが向上するのはメリットがある。また、賃貸住宅などで、機器が交換できない場合に、明るさを向上させるのに手軽な手段として使えそうだ。
ただし、高級な機種ほど色の表記については、感覚的な言葉が多く、選択には苦労した。「昼光色」と「白色」で済んでいた昔の方が懐かしく感じるほどだ。色温度表記を目立つようにするなど、もう少しわかりやすさを考えてほしい。
とりあえず、いつ蛍光管を交換したのか記憶がなくて、最近、部屋が暗い感じが少しでもしているのであれば、この年末を機に交換してみることをお勧めしたい。
■URL
NEC照明器具ランプ製品情報
http://www.nelt.co.jp/navi/lamp.html
東芝メロウZ PRiDE製品情報
http://www.tlt.co.jp/tlt/new/lamp/mzpride/mzpride.htm
松下パルックプレミア(丸形)製品情報
http://national.jp/product/conveni/lamp/pp_frs_cir/
日立きらりUV nanoナノ製品情報(PDF)
http://www.hitachi-hll.co.jp/catalog/lamp/index/l15-16_1.pdf
2006/12/19 00:02
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