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家電製品レビュー
ダイソン「ルート6 DC16」

~強力な吸引力のサイクロン式ハンディクリーナー
Reported by 平澤 寿康

ダイソン ルート6(DC16)
 ダイソンの掃除機といえば、サイクロン方式の掃除機の代名詞と言ってもいい存在だ。「吸引力の変わらない、ただ1つの掃除機」という刺激的なキャッチフレーズのCMでもおなじみだ。筆者も、一時ダイソンの掃除機を本気で買おうかと思っていた。しかし、たいして広くない部屋に住んでいる筆者にとってダイソンの掃除機は、宝の持ち腐れというか、もったいないというか、そんな気がして結局買わずに現在に至っている。

 そんな筆者でも、なんとか手に入れられそうな製品がダイソンから登場した。それは、ダイソンの掃除機の特徴である、独自のサイクロン方式「ルートサイクロンテクノロジー」を備えるハンディクリーナー「ダイソン ルート6」(以下DC16)だ。手軽に使えるハンディクリーナーなら、広くない筆者宅でも十分活躍してくれるんじゃないだろうか。32,800円という価格にかなり躊躇したものの、期待の方が勝って、購入することにした。


とにかく、デカい!

ダイソンの掃除機特有の、ゴミを遠心分離する透明のダストカップ「クリアビン」が配置されており、見た目は一般的なハンディクリーナーとは大きく異なっている
 さて、まずはDC16本体と付属品をチェックしていこう。

 まず、本体。見た目は、一般的なハンディクリーナーとは大きく異なっている。ダイソンの掃除機でおなじみの、吸い込んだゴミを遠心分離してため込むダストカップ「クリアビン」が取り付けられているということもあるが、ガンタイプのグリップとトリガー式のスイッチが用意されており、見た目はまるで工作機械のハンドドリルといった感じだ。

 グリップの上部にはモーターが、またグリップの下部にはバッテリを取り付けるスロットが配置されている。ノズルから吸い込んだ空気とゴミは、クリアビンでゴミだけが遠心分離され、その後フィルターを通して空気が排出される。排気口はグリップ上部だ。

 ゴミを吸い込むノズルは、2種類付属する。1つは、ブラシの付いた「コンビネーションノズル」。ブラシ部分が前後に動き、掃除する場所に応じて先端の形状が変えられるようになっている。もう1つは隙間ノズル。これは、サッシの溝などの隙間を掃除するときに利用するものだ。

 その他の付属品は、バッテリと充電台だ。充電台は、壁などに固定するためのアタッチメントと木ネジも付属している。

 バッテリ、コンビネーションノズルを付けた本体重量は約1.5kgだが、付属品を込みにすると約2.5kgになる。手に持ってみるとこれがまたずっしりとくる。

 さらに大きさも、クリアビンがあるためか、かなりのビッグサイズ。こちらも、一般的なハンディクリーナーの1.5~2倍近くあるといった印象。いい意味でも悪い意味でも、海外メーカーの製品らしい仕様だ。


ガンタイプのグリップやトリガースイッチなど、使用感はまるで電動ドリルのようだ ゴミを遠心分離するクリアビンは、フロアタイプのダイソンの掃除機のものと全く同じ役割を果たす。ダイソン独自のサイクロン方式「ルートサイクロンテクノロジー」の要だ クリアビン上部に、細かな塵を遠心分離する6個の円錐状の筒が用意されている点も、フロアタイプのダイソンの掃除機と変わらない

グリップ上部に排気口があり、吸い込んだ空気が勢いよく排出される
付属のノズルは2種類。先端にブラシの付いた「コンビネーションノズル」と、隙間ノズルが付属している コンビネーションノズルは、先端のブラシを前後に動かすことで、掃除したい場所に応じた形で利用できる

コンビネーションノズルのブラシ部 バッテリーはグリップの最下部に取り付けて利用する 充電器。アタッチメントを壁にネジ止めしておくと、充電台を固定した状態でDC16を充電できる

本体にバッテリを取り付けて充電器に設置すれば、バッテリが充電される ティッシュ箱との比較。DC16は、とにかく大きい。重量は約1.5kg。付属品込みで2.5kgで、持っていると腕が疲れてくる

バッテリが標準で2個付属する

DC16には、バッテリが2個付属する。1個あたりの連続駆動時間は、実測で6分20秒とあまり長くない
 ところで、DC16にはバッテリが標準で2個付属する。このバッテリは、電圧21.6V、容量1,060mAhのリチウムイオンバッテリだ。なぜバッテリが標準で2個も付属するのか。それは、バッテリ1個あたりの連続使用時間が短いからだ。

 バッテリ1個あたりの連続使用時間はわずか5分。一般的なハンディクリーナーが、フル充電で10~20分ぐらい使用できることを考えると、かなり短いと言わざるを得ない。そのため、標準でバッテリが2個付属しているのだろう。バッテリを交換することで、連続使用時間は10分となる。

 そこで、実際にバッテリをフル充電し、スイッチを入れっぱなしにして、どの程度連続使用が可能かチェックしてみた。すると、カタログスペックである5分より若干長く、約6分20秒でパワーが切れた。そして、バッテリが切れる時には、何の前触れもなく、いきなり止まってしまう。


バッテリは、充電器で直接充電できない。2個付属するなら、充電器で直接バッテリを充電できるようにしてもらいたい
 一般的なハンディクリーナーでは、徐々にモーターの回転数が落ちていくのが普通。もちろん、全く前触れがないわけではなく、グリップ下部のバッテリインジケータがバッテリ切れを知らせてくれる。いずれにせよ、唐突に止まることだけは間違いない。

 なぜ連続使用時間が短いのか。それは、DC16が他のハンディクリーナーにはない強力なパワーを持っているからだろう。

 掃除機のパワーを示す指標である吸引仕事率。一般的なハンディクリーナーの吸引仕事率は、10W~20W程度だが、DC16は実に約40Wにも達している。実際に吸い込み口に手をかざしてみると、ハンディクリーナーとは思えないほどの吸引パワーが感じられる。また、排気口から排出される風にもかなりの勢いを感じる。


バッテリ残量は、グリップ下部のLEDで確認できるが、サイクロン方式の宿命か、バッテリ容量が少なくなるといきなり止まってしまう
 また、いきなりパワーが切れるのは、サイクロン方式であることも原因のひとつだろう。バッテリ残量が減り、モーターのパワーが弱まると、吸引力が弱まるのはもちろん、サイクロン方式によるゴミの分離もできなくなってしまう。その問題を回避するためには、常に一定レベルのパワーが必要となるからだ。

 確かに連続使用時間は短いが、実際に筆者が使っている最中にバッテリ切れになることは1度もなかった。テーブルの上やその周辺を簡単に掃除するだけであれば1分もかからずに終了するからだ。ハンディクリーナーをメインの掃除機と同じような感覚で利用するならともかく、サブ掃除機として使うのであれば10分近くも連続で掃除するようなことはほとんど無いと思われるので、あまり大きな問題ではないのかもしれない。

 ただ、せっかく2個のバッテリが付属しているのに、バッテリの充電は本体に取り付けた状態でなければ行なえない。つまり、1個のバッテリをフル充電したら、もう1個のバッテリに交換して充電しなければならないのだ。2個のバッテリを付属するなら、本体なしでも充電できるようにすべきだろう。せっかくのハンディクリーナーなのにスペアのバッテリーを充電しているときに使えないのは残念だ。


音はかなり大きいが、吸引力はさすが

モーター直前にプレフィルタが取り付けられており、クリアビンで取り切れなかった細かなゴミをキャッチする
 バッテリの持ちはともかく、吸込仕事率40Wのパワーはさすがの一言。ハンディクリーナーとは思えないほど、気持ちよくゴミを吸い取ってくれる。これだけのパワーがあれば、サブの掃除機としてではなく、メインの掃除機としても十分活用できるかもしれない。実際に筆者は、DC16を使い始めてしばらくの間は、普段使っている掃除機を使うことがなかったほどだ。

 吸い取ったゴミは、クリアビンの中でくるくると回って分離される。吸い取ったゴミが目に見えるという点も、掃除の成果を実感できて気持ちが良い。

 また、ダイソンの掃除機では、排気がきれいという点も特徴として謳われているが、DC16ではどうだろう。グリップ上部から勢いよく排出される空気は、確かに紙パック式の掃除機にありがちな臭いもなく、十分きれいなように感じた。


排気口にもフィルターが取り付けられており、排気にチリやホコリを出さないよう配慮されている
 クリアビンを通って排気口に排出される空気は、モーターの直前と排気口に配置されている2つのフィルタを通ることになる。そして、この2つのフィルタは、3~6カ月ごとに水洗いするように明記されている。

 ちなみに、騒音はかなり大きい。筆者が普段使っている紙パック式の掃除機とほとんど変わらないほど大きな音がする。しかも、パワーを切り替えることはできず、常にフルパワーでの使用となるため、ハンディクリーナーとは思えないほどの音がする。

 フロアタイプのダイソンの掃除機も、音が大きいという話を聞くが、ハンディクリーナーであるDC16でもこの点は変わらないようである。この音の大きさでは、深夜の使用はちょっとためらってしまう。サイクロン方式の掃除機では、ある程度吸引パワーがないと十分なゴミの分離ができなくなるため、これは致し方のないのない部分かもしれないが、この点はかなり気になった。


2つのフィルタは、3~6カ月ごとに水洗いすることで繰り返し利用可能
 また、ボタン1つでクリアビンの底面が開き、手を汚さずゴミを簡単に捨てられるとあるが、実際に使ってみると、底面を開けるだけではゴミを完全には捨てきれない。細かいホコリがクリアビン周囲に張り付いていたり、クリアビン上部にゴミが張り付いていたりするのだ。細かいことは気にしなければいいのかもしれないが、やはりゴミが残っているのは精神衛生上よくない。

 そのため、結局クリアビン自体を取り外し、ティッシュで拭き取ったり水洗いしたりしたくなる。途中からは、普段使っている掃除機でクリアビン周辺のゴミを吸い取るという、なんとも本末転倒な作業をやるようになってしまった。

 しかしこれも、サイクロンクリーナー一般について言えること。そう考えると、DC16が特別面倒ということではない。少なくとも、一般的なハンディクリーナーよりもはるかに吸引力は強く、力強く掃除ができることだけは間違いない。あとは、夜中に気楽に使える程度の動作音と、大きさと重さあたりが改善された新モデルの登場を期待したいところだ。


クリアビン横のボタンをスライドさせることで、クリアビンの底が開き、ゴミを捨てる 底を開けただけでは、完全にゴミを捨てられない。細かなゴミや上部に付着したホコリは、別途きちんと取る必要がある
クリアビンを外したところ

【動画】ゴミを吸い取る様子(WMV形式, 302KB) 【動画】クリアビンにゴミが貯まっていく(WMV形式, 278KB)




URL
  ダイソン株式会社
  http://www.dyson.co.jp/
  製品情報
  http://www.dyson.co.jp/range/feature_frame.asp?model=DC16-SY-STD&sinavtype=pagelink

関連記事
ダイソン、吸込仕事率40Wのサイクロン式ハンディクリーナー(2006/10/24)



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2006/12/06 00:07

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