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ナショナル「リアルプロフィット EP3010」レビュー
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~リビングに溶け込むマッサージチェア
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Reported by
清水 理史
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● これなら入る、置ける
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ナショナル リアルプロフィット EP3010
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家電量販店のフロアを順番に巡っていくと、平日でもそれなりに人でにぎわっているコーナーに出くわす。マッサージチェアコーナーだ。足下に無造作に脱ぎ捨てられたクツ、力の抜けきった手足、無防備なまでに開かれた口。「お試し」の域を超え、完全なリラックスモードに入った人々で埋め尽くされた空間は、まさに家電量販店の憩いのコーナーだ。
そんな人気商品ながら、マッサージチェアを実際に持っているという人は、実はあまり身近にいない。もちろん、決して安い買い物ではないという理由もあるのだろうが、置き場所や搬入方法を考えると、購入を躊躇してしまう人が多いのだろう。
実際、筆者は数年前に、ナショナルの「リアルプロ GII EP3210」を購入したが、商品が到着し、いざ搬入となった段階で、2Fのリビングに続く階段を通過させることができないことが判明(コの字型の階段のため)。一旦、商品は持ち帰りとなり、後日、レッカーを手配しての大がかりな吊り込み作業で、ようやく2Fのベランダから搬入したことがあった。マンションなどの場合、エレベータに搬入できるかどうかが問題になるケースもあり、欲しいからといってすぐに購入できるというものでもないようだ。
そんな中、ナショナルから登場したのが、この「リアルプロフィット EP3010」だ。キャッチコピーには「マッサージソファ」とあるように、今までのマッサージチェアとはだいぶ印象の異なる製品で、インテリアと呼ぶにふさわしい洗練されたデザインを持っており、そして何よりサイズがコンパクトだ。
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もっとも幅が広いと思われる場所を実測しても70cm程度。エレベーターや階段などがあっても搬入できる可能性が高い
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本体のサイズは、約680×900×850mm(幅×奥行き×高さ)。ナショナルのフラッグシップモデルとなるリアルプロX EP3510のサイズが約840
×1,290mm×1,150mm(同)なので、まさにひと回り小さくしたという印象だ。今回、筆者宅に届いたリアルプロフィットは1Fに設置したのだが、搬入業者の方に階段で2Fまで上げられるかどうかを訪ねたところ、階段や本体のサイズなど、いろいろ調査した結果、大丈夫だろうという話だった。
また、マンションなどの場合、エレベータの開口部(通常は80cm程度)が搬入の最初の難関になると思われるが、前述したようにリアルプロフィットは幅が68cmとさほど広くない。実際の搬入はエレベータ内部のサイズ、さらに家庭内の扉の開口部サイズにも左右されるが、一般的なエレベータなら搬入可能と考えられる。
つまり、これなら入るし、置けるというわけだ。
● 背もたれが伸びるんです!
というわけで、筆者宅に搬入されたリアルプロフィットに早速座ってみたが、いつも使っている「リアルプロGII」と違う印象を受ける。よく考えてみると、座ったときに頭が背もたれから上にあることに気がついた。
これで果たして、モミ玉が首や肩に届くのか? と心配になったが、その心配は不要だった。リモコンのリクライニングボタンを押すと、何と背もたれが後方方向に傾きながら、同時に伸びていくのだ!
背もたれが伸びる分、設置場所の後方に若干の余裕が必要だが、これにより通常時は背もたれから上に飛び出していた頭がピッタリと背もたれにフィットする。単にコンパクトなだけのマッサージチェアならほかにもありそうだが、使うときはフルサイズ、使わないときはコンパクトと、使い分けられるわけだ。なお、背もたれの部分には、座り心地を考慮して普段はカバーがかけられている。マッサージをするときは、このカバーを上部にずらすようにしてまくらとして利用する。
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背もたれの部分には、普段はカバーがかけられている
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マッサージ時はまくらとして利用
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フットマッサージ部のしかけも面白い。一般的なマッサージチェアの場合、ふくらはぎから足をマッサージする機構が本体の一部として内蔵されているが、リアルプロフィットでは本体から分離した個別の製品になっている。しかも、側面のラッチを引きながら操作すると、クルッと内側のマッサージ機構部分が回転するようになっており、その角度に応じて、ふくらはぎ、足裏の2通りのマッサージ用途、さらに完全に反転させることでオットマン(足のせ台)と、合計3通りの使い方ができるようになっている。
コンパクトさ、デザイン、機能と、どれも犠牲にしないように、なかなかよく考えられたものだ。
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本体から独立したフットマッサージ部
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側面のレバーを引きながら回転できる
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足のせ台とフットマッサージを切り替えられる
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● まさに特等席
肝心のモミ具合はどうか?
背中から肩、首にかけてのマッサージ、さらにフットマッサージャーを使ったふくらはぎや足裏のマッサージなど、個別のマッサージ動作は、リアルプロGIIとほぼ同等といった印象だ。リアルプロGIIは、モミ玉が前方にせり出し、肩を上から指圧する機構が発売当時のセールスポイントだったが、これと同じことがリアルプロフィットでも可能となっている。この手の製品の進化は著しいものだ。
マッサージチェアのマッサージは、いわゆる人の手による指圧と違って、下から上に押し上げる方式となる。腰のマッサージなどは、ストレッチ効果も手伝って、かなりコリが改善されるのだが、首や方はやはり上から押し込んだ方が力が逃げずにツボを的確に刺激してくれる。ガチガチに凝った肩をグイグイ押してほしいなんて時には、なかなか頼りになる存在だ。
もちろん、ハイエンド製品、特に最新のリアルプロXと比較すれば機能的な違いはもちろんあるが、実際に使ってみた印象としては、おしりの部分のマッサージができない点、フットマッサージャーでふくらはぎと足裏を選択する必要がある(つまり同時にできない)のが体感上の違いくらいで、全体的な「きもちよさ」のレベルはかなり高いと感じた。
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リアルプロフィットのリモコン(右側は取り外し可能なフットマッサージ部)。文句を言わずに同じ動作を続けてくれる「そこずっと」ボタンが秀逸
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個人的に気に入ったのは、リモコンに用意された「そこずっと」というボタンだ。コースに従ってマッサージしていると、まさにツボにはまる瞬間がある。そのタイミングで、このボタンを押せば、文句を言わずにひたすら同じ動作を続けてくれる。こういったわがままを聞いてくれるのは、人の手によるマッサージにはない、マッサージチェアならではのメリットだろう。
リアルプロフィットの良いところは、冒頭で紹介したように単なるマッサージチェアではなく、ソファとして普段の生活でも自然に使えることだ。筆者の妻などは、やはりリビングに無骨なマッサージチェアあることに抵抗があるようだが、今回のリアルプロフィットは、見た瞬間「あ、コレいいねえ」とまったく抵抗感なく受け入れてくれた。実際、ソファとしての使い心地も上々で、ポフッという感じでふんわりと腰掛けることができ、なかなか快適だ。オットマンに足を投げ出してテレビを眺める、疲れたらリクライニングしてマッサージしてもらう、まさに家庭内の特等席と言って良いだろう。
誰がメインで使うかは買った後に相談する必要がありそうだが、これなら家族を説得して、夢のマッサージチェアを手に入れることができるだろう。
■URL
ナショナル(松下電器産業株式会社)
http://national.jp/
製品情報
http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=EP3010
2006/11/29 00:03
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