もう1つ考えられる理由は、日本の食パンは、海外のものよりも柔らかいという点である。手元にあるBread, The breads of the world and how to bake them at home (Christine Ingram & Jennie Shapter, Hermes House)という本では、日本特有のパンとして、あんパンやメロンパンなどが掲載されているが、一番最初に挙げられているのは、食パン「ダブルソフト」である。「これは日本固有のパンでイギリスのホワイトローフに似ているが、非常に柔らかく、Crust(日本でいうパンの耳)も柔らかい」とある。ダブルソフトは商品名で日本の食パン一般の名前ではないが、「柔らかい」、「ソフト」であることを標榜する食パンは少なくない。