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第25回:電気ストーブとは



燃焼しないため空気がキレイ、気密性の高い住宅にお勧め

電気ストーブは電気をエネルギー源とする暖房器具。燃焼を伴わないため空気がキレイなまま維持できる
 電気ストーブは、電気をエネルギー源として部屋を加熱するストーブのことです。ハロゲンヒーターやカーボンヒーター、パネルヒーターといった製品も、電気ストーブとして含まれます。

 電気ストーブの長所は、電気を通すことで加熱するヒーターを熱源とするため、ガスストーブや石油ストーブのように酸素を一切燃焼しないため、部屋の空気を汚す心配がありません。

 また、多くの電気ストーブが小型・軽量な構造となっているので、簡単に持ち運んで好きな場所で利用できます。さらに、輻射熱によってやや離れた場所でも暖かさが感じられるという点も大きな利点です。

 足元やトイレなど、暖を取りたい場所をスポット的に暖めるといった用途にも非常に向きます。電気ストーブは赤外線による輻射熱で体を暖めるため、電気ストーブから赤外線が到達する場所――特に正面付近は、非常に暖くなります。

 一方、正面以外の場所ではあまり暖かさが感じられません。また、強力な風も発しないため、空気の対流による暖房も期待できません。つまり、部屋全体を暖める効果はあまりなく、寒さの厳しい地域で使うには物足りません。また消費電力は大きめで、ガスストーブや石油ストーブと同等の暖房効果を得ようとすると、かなりの電気代がかかってしまう点もデメリットです。

 基本的には、暖を取りたい場所をスポット的に暖めるといった用途がメインとなります。そういった点では、マンションのような気密性の高い住宅で使用するのに適していると言えるでしょう。


コンセントがあるところならば、持ち運んで好きな場所で使うことも可能(デロンギ「HTM02」 ) トイレなど、一定のスペースをスポット的に暖めるのに適している(山善「USFI-650」)

カーボンやセラミックなど、熱源の違いでさまざまなバリエーション

 電気ストーブには、熱源の異なる様々な製品が存在しています。

 まず、最もおなじみの電気ストーブは、ニクロム線を巻き付けた筒状のヒーターを搭載するものです。このニクロム線に電気を通すと、ヒーターがオレンジ色に発光するとともに、熱や光が発し、非常に多くの赤外線(主に遠赤外線)を輻射します。これが人体に到達し、暖かく感じるという仕組みになっています。長い1本のニクロム線ヒーターを縦に取り付けた縦長の製品や、2~3本の短いニクロム線ヒーターを横に取り付けた小型の製品などが存在していますが、価格の安さなどもあり、人気があります。

 これと似た形状には、ヒーターにハロゲンランプを応用した「ハロゲンヒーター」や、材料に炭素繊維を利用した「カーボンヒーター」を採用している製品もあります。ハロゲンヒーターは最近ではあまり見かけられなくなりましたが、これはカーボンヒーターの方が赤外線の輻射効率に優れており、より暖かさを感じやすいこと、ハロゲンヒーターで事故が多発したことが影響しています。

 セラミックを熱源とする「セラミックヒーター」という製品も存在します。こちらは、電気を通すと発熱するセラミックに、ファンで風を当てて空気を熱し、温風を吹き出させる暖房器具です。温風を吹き出して空気を対流させることで暖房を行ないますので、赤外線の輻射熱で暖める一般的な電気ストーブよりも高い暖房効果が期待できます。

 ただし、熱源に加えてファンも稼働するため、一般的な電気ストーブより消費電力が大きいという欠点があります。基本的には小型の製品が多いため、トイレや足もとなど、狭い場所で利用するのが中心となっています。


ハロゲンヒーターは効率や安全性の観点から、最近ではあまり見かけられなくなった(アピックスインターナショナル「ATH-646T」) ハロゲンヒーターに代わって出てきたのが「カーボンヒーター」。ハロゲンヒーターよりも赤外線の輻射効率が優れている(エレクトロラックス「ECH630A」) 三洋電機のセラミックヒーター「RSF-VW13A」は、加湿機能も搭載した高機能タイプ

ヒーター部はかなりの高温に。安全面には引き続き注意

 最後に、安全面で注意したいのが、電気ストーブは火を使わないため、安全に取り扱うという認識が甘くなるという点です。

 電気ストーブには、転倒すると自動的に通電が止まる仕組みが採用されてますので、他のストーブと比べて安全性に優れているのは間違いありません。しかし、いくら火を使わないとは言っても、ヒーター自体は数百度とかなり高温になりますので、布や紙などが触れると、燃える危険性が非常に高くなります。カーテンや洗濯物のすぐ近くに置いて利用することは非常に危険ですので、燃えやすいものから十分に離れた場所に設置して使うようにしましょう。



【電気ストーブ】の、ここだけは押さえたいポイント

・ガスや石油ストーブと違って室内で燃焼しないため、空気が汚れる心配がない
・輻射熱による暖房で、瞬時に温かさを感じられる
・電源があれば、持ち運んで設置場所を自在に設定できる
・部屋全体を温めるのには不向きも、スポット暖房には最適
・消費電力が高く、電気代がかかる

2008年11月14日 初版




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2008/11/14 00:04
平澤 寿康
1968年、香川県生まれ。1990年代前半にバイト感覚で始めたDOS/V雑誌のレビュー記事執筆を機にフリーのライターとなる。雑誌やWeb媒体を中心に、主にPC関連ハードのレビューや使いこなし、ゲーム関係の取材記事などを執筆。基本的にハード好きなので、家電もハード面から攻めているが、取材のたびに新しい製品が欲しくなるのが悩ましいところ。

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