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第2回:サイクロン式掃除機



吸引力の低下を防ぎ、紙パックも不要

 サイクロン掃除機とは、掃除機が吸い込んだ空気を本体内部で旋回し、その遠心力でゴミと空気を分離して集塵する掃除機です。紙パックやフィルターでゴミをこし取る必要がなくなるため、多量のゴミを集塵したとしても目詰まりが発生せず、吸引力が低下しないという特徴があります。

 また、紙パックやフィルターといった消耗品の交換が要らなくなるため、メンテナンスコストが抑えられるという利点もあります。

 ちなみに、本体は空気の渦を発生する構造となっているため、集塵できるゴミの量が紙パック式よりも少なく、短期間でゴミを捨てる必要があります。しかし、吸い込んだ空気が、ゴミが溜まった庫内を通り、排気が臭くなるということもないので、排気がキレイという一面もあります。衛生面を考えれば、これも長所のひとつとも考えてよいでしょう。

 ただし、利用時の騒音が大きくなることがあります。これは、ゴミを遠心力で分離するには、本体内に高速の空気の渦を発生させる必要があり、非常に大きなパワーを持つモーターが不可欠となるためです。メーカーによっては、本体サイズが紙パック式よりもやや大きく、また紙パック掃除機と比べて0.5kgから2kgほど重い機種もあるようです。


ダイソンのサイクロン式掃除機「DC22 ddm motorhead」に搭載されているダストカップ(左)とそのカットモデル(右)。矢印が空気の流れを表す。段階的にサイクロンを発生することで、優れた集塵力を発揮する 紙パックを使用しないため、メンテナンスコストがかからないという利点もある(写真は三菱電機「LAQURLI(ラクルリ) TC-C3FP」のダストカップ)

面倒なフィルター掃除も、最近は自動化されたタイプが主流に

 サイクロン式は吸引力の低下は理論的には起こりませんが、実際には本体内で強力な空気の渦を発生できず、複数のフィルターを利用してゴミを集塵している製品も少なくありません。特に国内メーカーの製品にこの傾向が見られます。そのため、サイクロン式が出始めの頃は、フィルターの目詰まりで短期間で吸引力が低下する製品が多く、ゴミ捨てだけでなくフィルター掃除もこまめにしなければならないといった問題があったようです。

 ただし最近では、フィルターに付着したゴミをふるい落とすフィルター自動掃除機能を搭載する製品が増えており、中には、約10年間フィルター掃除が不要な“メンテナンスフリー”を謳う製品も多く展開されています。また、動作音が小さいものや、コンパクトさを売りにした製品も登場しているので、欠点は徐々に改善されつつあります。

 とはいえ、低価格帯の製品では、依然としてサイクロン式の欠点が改善されていないままの製品もあります。実際に家電量販店の店頭などで製品を試してみたり、メンテナンスに関する仕様をチェックするなど、しっかりとした製品選びが必要となるジャンルと言ってよいでしょう。

 なお、サイクロン方式を開発したのは、イギリスのダイソン社の創業者であるジェームズ・ダイソン氏。ダイソン社がサイクロン方式を採用した初の掃除機「DC01」を発売したのは1993年のことでした。同社は独自の集塵構造について特許を取得しています。


【動画】近年、フィルター掃除を自動で行なう製品が増えてきた。動画は日立「ロボットサイクロン CV-RS1」のフィルター自動お掃除機能が作動しているようす(WMV形式,270KB) サイクロン掃除機の開発者として知られるジェームズ・ダイソン氏。(写真はDC22の発表会時)



【サイクロン方式掃除機】の、ここだけは押さえたいポイント

・吸引力が高いまま維持でき、紙パックのコストも不要。
・運転音は要確認。紙パック式よりも重く大きいタイプもあるので注意
・フィルターの自動掃除機能があれば、メンテナンスの手間も解消される

2008年5月21日 初版





URL
  掃除機 関連リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/cleaner.htm
  現代家電の基礎用語 バックナンバー
  http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/word_backnumber/


2008/05/21 00:06
平澤 寿康
1968年、香川県生まれ。1990年代前半にバイト感覚で始めたDOS/V雑誌のレビュー記事執筆を機にフリーのライターとなる。雑誌やWeb媒体を中心に、主にPC関連ハードのレビューや使いこなし、ゲーム関係の取材記事などを執筆。基本的にハード好きなので、家電もハード面から攻めているが、取材のたびに新しい製品が欲しくなるのが悩ましいところ。

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